こと・だま
ひとつ、ふたつ。
紡ぐたび、輝きを増す。
みっつ、よっつ。
書き連ねるたび、重みが増える。
いつつ、むっつ。
構えたその手を、上に向けて。
力を込めて。
思いを込めて。
あるいは憎しみを。
あるいは、愛を。
手の平という床を離れ。
指先から、螺旋を描き。
まっすぐに。
放たれた言葉は、その射線上にある全てを打ち抜いて。
受け止めてくれるところまで、飛んでいく。
放たれた言葉は、二度と戻ることはない。
ただ、ひたすらに飛んでいく。
それは視覚に、聴覚に。
あるいは触覚に。
周りの重力に、惹かれることはなく。
真っ直ぐに、追い求めている。
震える心を、求めていく。
同じ引力のもとへ。
みつけた。
さぁ、君の心を、打ちぬこう。
言葉には、力がある。
言葉の魂。言葉の弾丸。
だから、こと・だま。