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Mission1-8
天野翔琉博士。
彼の話が確かなら、彼は相当の実力者とも言える。
何せ、神様をその身に宿しているのだから。
しかしここでは、だからどうした?
と、言いたい。
所詮は少年の身体で、少年の実力。
本物の暗殺者などには、到底敵わないのが普通の考えだ。
そして、天野翔琉博士のそばには、最強のメンバーが揃っているのは確かだ。
この世界でも屈強で美しく可憐な戦士。
だが、それでもやはり心配だ。
「急がねーとな……」
俺はミアを肩に乗せて、必死に移動していた。
こんな時に、異空間移動装置なんか、あれば楽なのに……
さてさて、急いだかいもあって、到着したことには到着した。
だが、俺はそこで悲惨な光景を目にした。
思わず目を覆い隠したくなるほどの惨状……。
天野翔琉博士が惨殺されていた。
「こんなことって……」
思わずその場で呆然と立ち尽くしていた。
何故このようなことになったのか、を考えずに。
暗殺者たちの姿はなかった。
既に任務を終えて、帰ったようだった。