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外伝-JMG [ジェット・モード・ガン] -  作者: ただっち
第7章ー天才の慈悲と復讐のクローンー
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Mission7-8

 天野翔琉は、結晶体に閉じ込められている。

 それはなぜか……。

 この世界に天野翔琉が最初に訪れた時……そこはすでにルルイエだった。

 オールドアは、異世界へと通じる扉ではあるが、固定してないオールドアは時として、出口をランダムに乱雑に配置してしまう場合があるのだ。

 それ故に、大魔導士たちもバラバラに配置されてしまったわけだが。

 しかしながら、天野翔琉は幸運か不運か……普段なら絶対に繋がらないルルイエに着いてしまった。

 それは、このルルイエ周辺を覆っている結界のようなものが一瞬だけ消えた瞬間に彼はここへと来たからだろう。

 普段は、とある者によって封じられているこの……旧支配者が眠る土地へ。

 人間である天野翔琉は到達してはいけない場所へと来てしまったのだ。

 なぜこの場所に来てしまったのかと言うと、旧支配者によって招き入れられた……という表現でしか形容できないのだ。

 旧支配者は、天野翔琉の奥底にとある人物(じんぶつ)……いや、神物(じんぶつ)と重ねてしまうような面影があったから……と言える。

 それだけではない……天野翔琉は自身に2つの神を宿していたことにも起因している。

 神の力を持つ人間……その特殊性に引かれた旧支配者は、オールドアが開かれることを検知し、ここにあえて扉を出現させるために結界を1度解いたのだ。

 そして、旧支配者は天野翔琉の前に姿を表した。

 旧支配者の姿を見ても、天野翔琉はたじろがなかった。

 むしろ、笑みすらこぼして「初めまして」とさえいい放つほどだった。

 そんな人間は旧支配者にとっては、はじめての出来事だった。

 そして、何より驚いたのは旧支配者の眷属を見ても彼には何の変化も起きなかったのだ。

 あるものは石になり、あるものは精神を錯乱してしまうとされている眷属たちを見ても……。

 旧支配者は知らなかった。

 眷属たちの力の源は魔法と呼ばれるもので、天野翔琉には状態異常魔法耐性があることを。

 旧支配者は、ますます天野翔琉に興味を持った。

 持ったが、同時に天野翔琉を危険人物とした。

 故に旧支配者たちは、天野翔琉を守ると同時に閉じ込めたのだ。

 この人物が、この世界から消えると、何かが起こる……そんな気がして。

 そして、今……まさに天野翔琉を救おうとする者たちが近づいている。

 異世界、現世界……様々な思惑があるが、旧支配者は既に迎撃する用意を始めている。

 それがもう始まっていることにジェットたちはまだ気がついていない。

 旧支配者クトゥルフの、恐ろしい迎撃計画に……。

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