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外伝-JMG [ジェット・モード・ガン] -  作者: ただっち
第7章ー天才の慈悲と復讐のクローンー
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Mission7-5

 船が出航してから、数時間。

 以前、空を飛んでいる。

 この船から、火星基地へハッキングしているけど、今のところはこちらがどこにいるか分かっていないようだ。

 一応、人工知能サンシャインによって、火星基地には様々なサーバーを介して、サイバー攻撃を仕掛けている。

 俺たちがルルイエへと向かうまでのカモフラージュ、ってやつだな。

 そうすることによって、千里眼を持つルートでも、流石にこちらよりもそちらを対処しなければならないからな。

 特に、火星環境維持システムなんか特に落とされるわけにはいかないからな。

 あれが稼働停止したら、空気の供給が完全停止するからな。

 ルートたちが、世界の人から見ての「正義の味方」である以上は、見過ごせないだろうさ。

 

 「あんたって、時々凄くエグい作戦決行するわよね」

 「白百合には言われたくないぜ……」

 「ちょ、やだ……褒めないでよ」

 「褒めてねぇよ‼」

 『イチャコラ中失礼しますマスター』

 「イチャコラしてねぇーよ‼」

 『マスター。ご報告が』

 「なんだ?サンシャイン」

 『ルートたちに、本戦艦の居場所が探知されました』

 「そうか……って、え?」

 『衛星兵器の稼働を確認。まもなく、兵器が作動します』

 「お、おい……まてまてまて。なんで、特定されてるんだよ」

 『どうやら現在、世界各国で休戦中らしく、稼働している戦闘兵器は地球上でこの艦だけのようです』

 「くそ……やられた」

 

 恐らく、ルートは俺がこういう行動をすることを読んでいた。

 だからこそ、だからこそ……きっと、彼女は即座に決断したんだ。

 地球戦争を一定時間、停止させる策を。

 あの組織……各国のトップの極秘情報をたくさん保有している。

 それを、きっと使ったんだろう。

 そうすれば、少しは……足止め出来るからな。

 

 『マスター、残り30秒で第1射目来ます』

 「サンシャイン‼今すぐ回避行動‼白百合、お前と俺は外で迎撃する‼」

 「迎撃って……どうやって?」

 「俺が銃撃、お前は斬撃で、回避しきれなかった攻撃を逸らす攻撃をするんだ‼」

 「……分かったわ」

 

 白百合は、近くに立て掛けてあった日本刀を持って、甲板の上へと向かう。

 俺は、パネルを少し操作してから急ぎ甲板へと向かう。

 ヘッドマイクをつけ、サンシャインに指示が出せるようにセットして、甲板に立つと、上空からミサイルがおびただしく飛来する。

 

 【マスター。ミサイルの数は、2000です。これより、本艦は回避行動を取ります。進路方向に飛来するミサイルを必ず迎撃してください】

 「OK、頼んだよサンシャイン。白百合‼行くぞ‼」

 「了解……任務開始」

 

 そして、俺たちは上空を染め上げる鉄の塊たちを打ち落とし始めるのだった。

 

 

 撃っても撃っても、斬っても斬っても切りがない。

 次から次へと飛来するミサイルたち。

 あれから、まだ数分しか経っていないけど、流石に白百合も疲労が半端じゃないほどたまっていっている。

 刀の鞘を甲板に落とし、苦しそうに息を切らしている。

 

 「はぁ……はぁ……」

 「白百合、休んでろ」

 「いいえ、まだまだ‼」

 

 俺は拳銃だから、どちらかと言えば目が疲れているのだが……、白百合の斬撃はもろに肉体技。

 体力を大幅に削る。

 それを彼女は連発して、まず最初の2000個を一撃で沈めた。

 そのあと、隙なく次のミサイル攻撃にも彼女は対応している。

 だが、流石に数分とはいえ、かなり体力的にキツいだろう。

 

 「サンシャイン‼衛星のハッキングはまだか?」

 【マスターが先程パネル操作で開いてくれた回線から侵入しています。もう少しで全ての衛星を停止させることができます。お待ちを……】

 「急いでくれ」

 【マスター。高太陽光エネルギーを検知。太陽光による高粒子攻撃が来ます】

 「光には、斬撃は……よし、鏡弾を使って……」

 「危ない、ジェット‼」

 

 白百合がそう叫び、俺を唐突に突き飛ばした。

 俺が振り返ったそこには、こちらに拳銃を向け発砲したルートの姿があった。

 白百合の足をかすめ、弾丸は水面へ沈んでいった。

 

 「チッ……しくじった」

 「ルート……いつの間に」

 「あら?私だけじゃないわよ」

 

 そう言って、ルートの後ろに転送されてきた3人。

 それは、ミランダ、ミア……そして、天野翼だったのだ。

 

 「翼お祖父ちゃん……」

 「おお、ツバサ。息災であったかのう?まあ、これから消えるのだから、息災もなにもないか」

 「あなたが天野翼……って、若い」

 

 白百合が、驚くのも無理はないだろう。

 テレビなどで放映されている天野翼という人物は老人姿で描かれている。

 だが、それは影武者。

 本当は、20代の状態で不老不死になった齢100歳を越えたお爺ちゃんなのだから。

 20代で不老不死になったということは、肉体が一番若いまま今の今まで、存在しているということ。

 故に姿も……天野翔琉博士に似ているのだ。

 でも、クローン……つまりは、俺のような似ている……ではない。

 顔似てるね、と兄弟によく言われるような似ているだ。

 模造(コピー)ではなく、本物(オリジナル)

 だが、不老不死の薬を頼っている以上は、不死殺が弱点であることには変わりない。

 だが、問題として……あのじいさん……弾丸を素手で止める達人だから、直接投与しないとダメなんだよな。

 なにせ、ミランダの夫に格闘技を教えたのは、天野翼なのだから。

 つまりは、ミランダの師匠の師匠。

 隠居したと、嘘ついているけど、実力は彼女を余裕で越えているだろう。

 そして、言わずも知れたミランダ。

 体術は最強クラス。

 また、ミアはトリッキーな戦術で翻弄するのが得意だから、今回のあのパーティーには良いサポート役だろう。

 そして、ルート。

 千里眼の能力を持つ女にして、暗殺、戦闘お手のものの、オールラウンダー。

 はてさて、二人と一戦艦で対応できるかな……。

 

 

 

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