Mission5-2
蜃気楼と濃霧の大陸である【ムー大陸】。
かつて空想上の存在であるとされた、とある文明によって、浮かばされた古代の大陸。
その場所には、財宝が眠る場所や、隠された文明が眠る……など、様々な逸話が存在している場所であった。
だが、実際にはこの場所は【とある人物】を殺すためだけに浮かび上がらせ、隠匿した【処刑場】であったことが、最近の研究で分かったそうだ。
なので、この通り……辺りには、夥しいほどの処刑器具の残骸が落ちていたりするのだ。
「花畑……ってより、処刑畑って感じだね……」
白百合は、生唾をごくりと飲み込んで、冷や汗を足らしている。
そりゃあ、こんな場所をみたら、普通女の子はドン引きするものだろうな。
いや、男でもドン引きするだろう。
「壊されてるところをみると……その【ある人物】は殺せなかったのかもね……」
「そうだな……だから、下手するとそいつはまだ生きている可能性があるってことだな」
数億年も前の生物が生き延びている……それも、こんな食糧も、水もまともに無い場所で……。
そんなことが可能ならば、そいつは絶対に不死者である。
永遠に朽ちることなく、永遠に生き長らえる存在……。
昔の技術では無理でも、今の技術では……【不死殺】の薬を用いれば、そいつは倒せるかもしれないな。
不意に「ねぇ、ジェットくん」と、ディルは俺の肩を叩く。
「ん?なんだい?ディルさん」
「【ある人物】ってのは、いったい誰なのか……それは、ジェットくんたちは知っているのかな?」
彼女は不安そうにこちらを見ていた。そりゃそうか。
そんな、未知な敵を相手にするだなんて、誰だって怖いものな。
俺たちだけ知っていて、彼女たちが知らないってことは平等じゃないな。
よし、開示しよう。
その【ある人物】について……。
「【ある人物】……それは、古代文明を滅ぼしかけた人間……名を【ディザスター】。災厄の【ディザスター】と呼ばれる人物だ。天才であり天災とまで言われた人物らしいよ?」
「らしいよ?ってことは、確証は得てないってこと?」
「いやまあ、当時の文献は全て解読したんだけど、その人物を実際にこの目で見た訳じゃないから、そこは少し曖昧な表現になってしまうね……」
「あー、なるほどね。とりあえず、そいつが襲ってきたら、ぶちのめせばいいのね?」
「ディルさん……」
白百合とほぼ似たような考えしてるな……この人。
別に俺たちの目的は、天野翔琉博士の救出なのであって、その強敵を倒すのが目的じゃないんだからね?
まったく……。
「極力戦闘は避けようね」と、促しては見るが、果たしてどうなるかは遭遇してしまったときに考えようかな。
「しっかし……霧も深けりゃ、蜃気楼も……???」
グラッと、視界がぼやけた。
あれ?なんだ?
「おい、白百合……この霧なんか……」
バタッ……と、彼女はその場に倒れた。
突然だった。
「白百合‼大丈夫……か……」
何だろう。
視界が暗くなっていく。
ヤバイ……なんだ、この霧……。
意識が……遠退く……。




