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外伝-JMG [ジェット・モード・ガン] -  作者: ただっち
第4章ー八足を愛した王ー
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Mission4-8

アトランティスに眠りし、禁じられた兵器【エーギル】。

全世界を滅ぼしかけ、全世界を焼き付くしかけた、海の悪魔の兵器ーーーだったのに……。


「白百合さん、ぱねぇ……」


一人の少女によって、もの見事に斬り分け、そして破壊されてしまっていた。

そして、その残骸から、1体のタコがボロボロで現れた。


「ハァ……ハァ……キサマラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼」


そういって、牙をむき、迫ってくるオクトンの前に、白百合が立ちはだかる。

そして、ナイフを向けて。


「さようなら……」


そういって、眉間目掛けてナイフを突き刺す。

タコの急所は眉間……そこさえ、撃ち抜くか刺し貫けば、タコは即死する。

それがセオリー、それが普通のはずだった。

それなのに……オクトンは生きていた。


「フン……ヒッカカッタナ……コンドハコノコムスメニヲヤドヌシニスルカ……」


そういって、オクトンは、自らの触手を伸ばし、白百合に触れようとした。

だが、それは許されなかった。

数発の銃声と共に、彼の触手は全て撃ち落とされた。


「ナンダト……‼」

「甘いよオクトン。お前が他者に寄生できることも、なぜ【死なない】のかも、全て知ってるぜ……なあ、【ベニクラゲ】の遺伝子を自らに組み込んだ、オクトン……」

「キサマ‼ナゼソノコトヲ‼」

「不死者ってことはだ……あの薬が使えるんだよね」


そういって俺は、通常の拳銃を懐から取り出して、オクトンに向ける。


「さようなら、主を大切にした虚無の都市の支配者よ……」


俺の拳銃から放たれた弾丸は、オクトンの胴体にヒットした。

そして、やつの身体はみるみるボロボロになっていく……。


「グァァァァァァァァァァァァァ‼」


不死殺による、不死者解除の効果……それと、長らく生きていたことによる時間による副作用。

それらが同時に襲い、オクトンの身体はみるみると朽ちていく。


「ベニクラゲからの不死とはいえ、この不死殺は不老不死者に効く薬だ。さてと……もう1発撃って、楽にしてやるか……」


そう言って俺はもう1発充填して、撃とうとしたが、オクトンはその隙を盗んで瓦礫の下に隠れてしまった。


「アハハハハ‼オシカッタナ、ニンゲン。オマエノカラダデハココニハイルコトハカナウマイ……ワレハ、ケンキュウジョニモドリコノクスリノケッセイヲウッテクル。ソウスレバ、モハヤ、ダレニモトメラレヌ……フフフ……フハハハハハハ‼」


そう言ってオクトンの声は底へと消えていったのだった……。


「ジェット!逃がしたの?」


白百合は、凄い顔つきで、俺の方に向かってきた。

怖い……ぶちギレてる時の顔だよこりゃ。


「いいや……研究所に一度向かうって。そんで、不死殺の血清を作って再び現れる的な事言ってたぞ」

「じゃあ、あんたなんで追いかけないのよ!せっかく、禁じられた兵器をぶっ壊したところで、操る生物を倒さなきゃ意味ないじゃない!」

「まあまあ、落ち着け白百合。服がはだけて無い胸が見えるぞ」

「おいこら!誰がぺちゃぱいだ!」


と、なぜかディルに殴られてしまう俺なのであった。

白百合っていったのに……。


「ジェット!誰の胸が無いだコラァ!」


と、白百合も殴ってきたのだった。

そう、こちらが正解だろう。

てか、お前ら、俺を殴るな‼


「ふむ……大丈夫だよ。オクトンは、これで最期だよ」


と、俺は彼らににこりと笑って、そそくさと潜水艦へ彼らを連行した。

そして、アトランティスから脱出するのだった。


「おい、ジェット!だから、オクトンが、まだ生きてるし、この都市は……」

「ディル。時間を巻き戻していたのは、あの城だけなんだよな?」


俺は白百合の言葉を遮るように、被せてディルに問う。

彼女は、こくりと頷く。

そうか……じゃあこれで……。


「ミッションコンプリート」


そう言って俺は、懐から取り出したスイッチを押す。

すると、アトランティスから巨大で強大な光が発せられ、木っ端微塵に消え去り、そして……凄まじい爆発によって、潜水艦は地上へと押し上げられるのだった。

アトランティスの研究所……あそこに仕掛けたのは、もちろん爆弾だ。

だが、それをいつ使うかは俺次第だった。

だって、あの爆弾が爆発したら、あんな都市程度……粉々に消し飛んでしまうからね。


「これでいいのかな?白百合?」


と、俺は笑顔で彼女に言う。

だが、彼女はまるで俺の事を化け物を見るような目で見ていた。

非人道的、非心理的な惨劇の首謀者……任務とはいえ、ここまでやる必要があったのかと問われてしまえば、分からないけど。

でも、俺は言われた通り任務は達成した。

それが、なんだというのだ。

俺はそういう風に育てられてきたのだから、仕方がないだろう。

そうだ、仕方ないのだ。

仕方ない……この言葉で片付けられるのが、今回の任務だったんだね。

ふう……疲れたから、早くシャワー浴びたいな……。

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