Mission4-6
頂上到着……っと?
いきなり目を覆いたくなるような光景が目の前に広がっていた。
「白百合?」
「……」
「ライ?」
「……」
「ディルさん?」
「……」
「ジンライ?」
「……」
「何でみんな裸なの?」
「「いいから助けろよ!」」
俺の目の前の光景は、タコの触手に捕らわれ、文字通り丸裸かにされた四人と、タコの触手を操る男の姿があった。
「???天野翔琉博士?」
「ヌヒュヒュヒュヒュ……いいや?違うぜぇ……」
「???タコの擬態……かな?」
「正解……俺は……」
バン……と、俺はあいつの眉間に向かって弾丸を放つ。
そして、それは見事に当たり、天野翔琉の姿をしたタコは沈黙し、その場にうずくまった。
「死ね……寄生虫ふぜぇが……」
そういって俺は、続けて弾丸を触手目掛けて乱れ撃ちする。
触手はボタボタと切り落とされ、白百合たちは解放された。
「ほら、白百合。俺のコート羽織っておけ」
と、俺はしまっていたコートを彼女にかけた。
「あ、ありがとう……」
「まったく。お前としたものが、油断したな……」
「な、なによ……大体あんたが……」
「でも、良かった……無事で」
「ううう……なによ、もう……」
顔を真っ赤にしている白百合……やはり、風邪引いてたのに無理してたんだな。
「それで、白百合……天野翔琉博士は?」
「……あのタコにさっき食われた……でも、また偽物だったのよ……」
「ふーん……じゃあ、長居は無用だな……」
チラッとディルさんたちの方を見るが、まだ彼女たちは裸だった。
なんか着ろよ。
いや、服がないのにしても、せめて前を隠せよ。
「ディル……お前、本当に胸ねーな」
「じゃかましいわ!虎野郎‼」
「ジンライ、デリカシーないぞ!ペチャパイだからってなんだ!ペチャパイが悪とは限らないじゃないか!胸がないからって、女じゃないわけじゃないんだ。ただ、発育が少し悪……」
「ラ~イ~‼黙んないと、怒るよ‼」
「「ごめんなさい」」
あれが通常運転なんだろうな。
魔法世界って、どんなとこなんだよ……。
変態の変態による変態のための世界なのかもしれんな……なんて。
「ん?それより、なんで裸だったんだ?白百合」
「あー、それはね……」
と、白百合に話してもらおうとした瞬間、先程殺したはずの天野翔琉博士に擬態していたタコがグニャリと起き上がった。
「ヌヒュヒュヒュヒュ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「‼」
狂気に笑い上げるタコ……なんだこの胸騒ぎは。
この上なく幾度もピンチに陥ったときの感覚に似ている空気が、あたりを支配しようとしていた。
「何がおかしい、ポセイドン……いいや、そのペットだったタコ……とでも言うべきか?」
「ヌヒュヒュヒュヒュ?オマエ、ソコマデシッテイルノカ」
「……始めまして。俺の名前はジェットだ」
「……ハジメシテ。ワシノナマエハ【オクトン】。ワガアルジ【ポセイドン】ノメイニシタガイ、キンジラレタヘイキノカギヲモツモノナリ」
「禁じられた兵器?……やはり……噂通り……」
情報によれば、アトランティスにある兵器を発動させると、世界が終わるほどだとか……。
「ワシハ、【ポセイドン】ナキセカイナドイラヌ……スベテホロビレバイイ。ホロンデホロンデホロビマクレバイイ……」
「そうはさせないぞ、オクトン。その狂った考え、危険すぎる。天野翔琉博士救出任務はまた達成できなかったが、その代わりに、禁じられた兵器だけは破壊させて貰う……それに、俺の大切な仲間をここまで虐めておいて、ただで終わると思うなよ?」
そういって俺は対戦車用ライフルを取り出す。
ミランダによって、俺専用のカスタマイズにして貰ってるから、下手するとロケットランチャーより全然強いぜ。
「コードネーム:ジェット……禁じられた兵器破壊の特殊任務、開始します」
「ヌヒュヒュヒュヒュ……ヨミガエレ‼【エーギル】‼」
ゴゴゴっと、巨城が変形し始める。
俺や白百合、ライたちは、急いで城の頂上から飛び降りた。
そして、地上へ降り立つと、目の前に立ちはだかるのは、禁じられた兵器【エーギル】。
その姿は、巨大な鯨のような姿だった。
だが、鯨にはない、無数の弾丸を放つ銃口が設置された、可愛いげもない、凶悪極まりないものだった。




