Mission3-4
何故滅びさった都市を保存していたのかーーーいや、それ以前に何故滅びる前の都市にいたのか。それは、ディルという女性を探しだして聞いてみるしかないだろう。この都市にいることはほぼ間違いなさそうだ。
「じゃあ、ジェットたち……俺はディルを探すよ。あいつを説得するのは骨がおれるからな……」
そういってライは幻想都市へと歩みを進めていった。俺と白百合は、滅びさった都市の奥にそびえる巨城に向かうとしよう。天野翔琉博士の反応も、そこから出てるようだし。ライが向かったのは、都市の外れにある図書館……かな?
「いらっしゃいませぇ!今日は美味しい深海魚が手に入ったよぉ!」
「燃料のメタンハイドレートはいらねぇーか?」
「海藻あるよぉ♪」
広場では出店が広がっている。こう見ると、普通な感じにしか見えない。だけど、ディルのお陰でこうしているのならば、さしずめここにいるのはかつて生物のかたちをしていた亡霊なのか……。憐れなものだな……。
「おいおい、そんな考え方してるやつに俺の母親を探す権利ねーぞ?」
そういって俺の目の前に突然現れた謎のフードの男は、俺の頭を掴んで出店の方へと投げつけた。
ドゴォォォォ!!!っと、痛々しい音をたてて出店が潰れ俺は叩きつけられていた。
「‼?」
突然起きたことでよくわからなかったが、俺はどうやら隙を疲れて投げられてしまったらしい。不覚……というか、ダメだろこれ。仮にも暗殺をするような立場のものが、隙をつかれるなんて……。というか、俺の母親って言ったよな?
「ディルの息子?」
もしかしてライの息子のジンライか?ライの話が本当なら、話のなかで唯一ジンライというものだけが、息子という単語が入っていたはずだ。
「あのやろう!」
と、俺が起き上がると、白百合は光の柱に磔にされていた。嘘だろ!あの白百合が……!?
「光の魔法:聖封輝……さてさて、お前はどんな強さを見せてくれるのかな?ジェット……いいや、天野ツバサ……」
そういって上から俺を見下している一頭の虎獣人……その背中には輝かしい翼を生やし、神々しいオーラがその身を包む。だが神とは言えない……むしろ、俺たちを生き物を虫けらのようにしか見ていない……いや、力がありすぎるが故に、力をもて余してしまいそうなっているようにしか見えないのかもしれない。
「お前は、ジンライ……なのか?」
「おやおや、俺の名前を知ってるとは……さては、俺の父親から聞いたのかな?」
「ああ……だが、お前は味方じゃないのか?何故こんなことを……」
「味方ねぇ……俺は天野翔琉がいない世界は全て滅べばいいと思っているけど……そしてそれが出来る実力もあるけど……それでも味方だと?」
なんて恐ろしいことをいうんだろうか。やばい、こいつは殺さなきゃ……。
「分かった、お前は敵だ……ここで排除させてもらう」
そういって俺は懐から2丁の拳銃を取り出して、いつものように構える。さて……殺し合いの始まりだーーー。




