Mission3-2
滅び去りし都市アトランティスーーーかつて、全盛期には地球すべての都市の中で最も栄えた伝説がある都市の名前だ。だが、あるとき神の逆鱗に触れてしまい、都市はその町にすむ生物ごと海深くに沈められ封印されたという逸話もある。最近では、その神の逆鱗に触れた理由が「神に反旗を翻したため」という風に言われているそうで、とても好戦的な者達が蔓延る町だったーーーと想定されるようになったらしい。
「そんな都市へレッツゴーしてきてね♪」
と、ルート隊長は俺たちに言うのだった。さてさて、なぜ俺たちがこの都市へと向かうのかと言えば、【天野翔琉博士の捜索】という任務があるからなのだ。この戦争終結の鍵を握る人物ーーー天野翔琉博士……そして、この戦争の引き金を作った張本人でもある。天野翔琉博士が失踪前に残したある論文によって、世界がこんなことになったのは言うまでもなく……。しかしながら、あの天才児にはまだこの戦争を終結へと導き、地球を戦争前に戻せる可能性がある。だから、助力願うのだ。
「えっと、ライ君……だったよね?」
「あーあ、そうだ」
「うぉ!すごい筋肉!」
あからさまにセクハラを堂々と行うルート隊長に、ライは全く動じず降りほろう。だけど、少し嬉しそうにしているようにも見えなくないのでどっこいどっこいってやつだな。
「えっとね、あなたにも同行してほしいの。滅び去りし都市へと……」
「はなからそのつもりだ。俺の翔琉……いや、天野翔琉博士を助け出す事になんの迷いもない」
俺の翔琉って言ったよな、いまこいつ。
「ーーーそしてなにより、はぐれた仲間たちを探さねばならないからな」
「はぐれた仲間たち?それって、あなたの他にもまだ誰かいるってこと?」
「ああ。時と空間を司る太古の大魔導士ディル、深緑を守護する太古の大魔導士フルート、神魔法の後継者にして俺の息子ジンライ、凍てつく氷を操る大魔導士ヒョウ、半龍にして情報屋の炎の大魔導士エン、龍族長にしてエンの嫁ファイーーーそして、精霊王の血筋を受け継ぐ王女にして俺の弟子フィリ。 この大所帯がこの世界のどこかにいるはずだ」
「なんか、色々すごそうな……って、そのジンライ?って人はあなたの息子ってことは、あなた妻と子供いるパパなの?」
「まあ、子供はいるが、妻はいねーぞ。まあ、妻にしたいやつならいるけどな♪」
ジンライって子は、ライと誰との子供なんだろう?まさか、天野翔琉博士じゃあるまいな。さすがに超人的な能力のある博士でも、男同士で子供は作れないでしょうに。