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外伝-JMG [ジェット・モード・ガン] -  作者: ただっち
第1章ー暗躍者と敗北者ー
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プロローグ

 西暦20XX年。

 人間文明は高度な成長を遂げている時代。

 生活水準も現在より、かなり更に上がっている。

 食料面で言えば、食べ物は空気と水から作ることができるし、医療面で言えば、全ての病を治すことができる薬の開発が成功していたり―――

 まあ、多種多様で、色々なものが進化していった―――がそんな何でもありの世界の中、唯一進化していないのは、それらを扱う者……すなわち、人間である。

 地球温暖化の完全改善、核の除去技術の確立によって、人間は再び戦争を起こしてしまった。

 その結果、今の地球は戦争の星となってしまった。

 第1次地球大戦。

 生き残った人々はそう呼んでいる。

 戦争に参加しないもの達は、現在、火星に移り住んでいる。

 空気製造機や飲料水製造など、様々な技術開発があってこそあり立つものであるが、もはや人間の技術力はその域にまで余裕で達している。

 そして、惑星移動の技術もすでに開発済みである。

 その結果、現在火星は地球よりも安全で自然豊かな星となっている。

 さてここで、他の動植物はどうなっているのかと言う疑問が浮上するだろうが、ご安心を……

 全て、火星に移動済みである。

 流石に、人間の争い事なんかに巻き込ませるためにはいかないためである。

 その保護した生物に適した環境を再現した火星のビオトープにて、今もなお、人間のわがままに付き合ってもらっている。

 本当に申し訳ないことだ。

 1人の人間として、心苦しい気持ちでいっぱいである。

 こんな戦争は早く終わらせなければならない……


[Mission Blue:コードネーム:ジェット。聞こえますか?]


 俺のつけているイヤホンに、甲高い女性の声が流れる。そんな彼女に対して、足には拳銃を装備してナイフ片手に物陰に隠れている俺はイヤホンに繋がっているマイクに向かって、声を潜めながら言う。


「こちら、ジェット。何だ? ルート?」


 そう俺が聞くと、ルートは音声越しに、コホンと軽く咳払いしたと思いきや


[何だ、じゃないわよ! あんた今どこにいるのよ! さっきからずっと呼んでるのに! なんで応答しないのよ!]


 そういって、鼓膜が破けてしまうかと思うほどの声を出す。

 耳がキーンとして、軽くめまいが……


[とにかく! 現状報告なさい! 今すぐに!]


 再び声を荒げるルートの声は、再び俺の鼓膜に響く。

 俺は、音量サイズを1にしてるのに、なんでこんなに声出るんだよ!


「分かりましたよ。ルート隊長。では、現状を報告いたします」


 そういって俺は、戦場と化した地球のとある戦場から、火星にいるルートにこれまでの現状報告を始めるのであった―――



「……ってわけで、今C地区の戦場に来ているんだが、機械従士兵マキナエネミーが多すぎて、ターゲットに近づくことができないんだ。さっき、見つかりそうになったから、連絡できなかったってわけだよ」

[機械従士兵か……あいつら、ここ数年に多く戦場で見かけるからな……]


 ここで説明しておくと、機械従士兵とは今から5年前に使われ始めた、大量殺戮兵器で、イメージとしては某モ○ルス―ツのような大きさではなく、人間のサイズに合わせた戦闘用のスーツで、このスーツ1つで戦艦と同等の力がある兵器である。

 この兵器が使用され始めてから、戦場では戦艦同士が毎日毎日戦闘を繰り広げるのに等しいので、地形も余裕で変化してしまう。

 全く困ったものだ……


「なあ、ルート隊長。どうにか、奴らの隙をついて目標ターゲットに近づきたいんだが……」


 そう俺が言うと、俺の右ポケットに入っている端末のバイブレーションが振動した。

 俺は、急いで取り出すと、ルートからのメールが届いていた。


「隊長これは?」


 そう聞くと、ルートはふふっと笑って


[既に、検索済みよ。そのメールに添付してある地図マップを頼りにして、さっさと任務を終えてきなさい!]


 そういうと、ルートとの交信が途絶えた。

 と言うか、切られた。

 一方的に。


「相変わらず、そそっかしい隊長だな」


 と戦場の中であるはずなのに、自然と笑みをこぼしていた。

 そして俺は端末を操作して地図を出す。

 画面が表示されると、今いる自分の場所には青い点が表示された。この点は、自分を示すマークである。 そして、敵のいる場所には黄色い点が示されている。

 今回の目標のいる場所には大勢の黄色い点がある中、赤い点が1つあった。この赤い点が、俺の今回のターゲットである人物を示す点である。


「ここから、安全に見つからずに移動するには……」


 端末を操作して、調べていくと、どうやら遠回りしなければならないようだ。

 それも、10kmほど……

 面倒くさいな……


「まあ、そんな事言ってたら、こんな仕事なんて、できないもんな……」


 そうだ。

 俺の仕事は、面倒くさいで済ませていいほど、単純なものではない。

 こんな性格ではあるが、これまで行ってきた仕事は、必ず遂行してきた。

 その仕事と言うのは、単純に世界平和を望んで行う慈善活動である。

 もっとわかりやすく言うならば、戦争を裏で操ってるものどもをぶっ殺す、単純で簡単な仕事ですよ―――

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