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     ―7―


挿絵(By みてみん)




******************************


ユタは、こえのしたほうをみました。

赤い花をさかせている木のえだに、女の子がすわって、ユタをにらみつけていました。


「ここは、アクリャのやかたよ。男の子でも、入ったらばつをうけるのよ」


アクリャとは、太陽の神さまにつかえる女の子たちのことです。

アクリャのすむやかたには、男の人も、男の子も、けっして入ってはいけません。

そのきまりをやぶった人がうける、ばつのおそろしさは、小さなユタもきいたことがありました。

ユタは、ひっしにいいました。


「ぼくは、きゅうでんの中でかくれんぼをしていただけだ。ここはきゅうでんの中だよ」


すると、女の子がわらいました。


「どこからか、ぬけみちにまよいこんで、ここへきてしまったんでしょう? まぬけな子ね」


おそろしくなって、だまりこんでしまったユタのまえに、女の子は、木の上から、ひらりととびおりると、いじわるそうなかおをちかづけて、いいました。


「だまっていてあげてもいいわよ。そのかわり、あんたがとおってきたぬけみちをおしえなさい」


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     ―8―


挿絵(By みてみん)




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その日からまいにち、ユタがアクリャのやかたでであった女の子は、ぬけみちをとおって、きゅうでんにやってきました。

女の子は、ピウラというなまえです。


ユタよりもすこし年上のようで、しかもとても気のつよいピウラに、きゅうでんの子どもたちは、さからえません。

ピウラはまるで、みんなをしたがえる女王さまのようです。


ピウラにひみつをしられているユタは、はじめはだまってピウラのいうとおりにしていました。

けれど、ピウラも、アクリャのおしごとをさぼって、やかたをぬけだしてくるのです。


「ぼくのひみつをだれかにいったら、ピウラがここにやってくることも、いってやるからな」


そう、つよくいったユタに、ピウラはわらってこたえました。


「それもそうね! わかったわ。これからあたしたちは、おなじひみつをもつ、なかまよ!」


それからも、ピウラはかわらず、きゅうでんにやってきました。

けれど、いつのまにか、ユタにとって、オマよりもなかのよいともだちになっていたのです。


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