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もっと小さいころには、ユタは、やさしいおとうさまとおかあさまと
三人でくらしていました。
けれど五さいになったとき、ユタはまえの王さまのこどもで、おとうさまとおかあさまは、王さまのめいれいでユタをそだてていたのだときかされたのです。
それからユタは、おとうさまとおかあさまとはなれて、きゅうでんでくらすことになりました。
ユタのほんとうのおとうさまであるまえの王さまは、もうなくなっています。けれど、ほんとうのおかあさまのことは、だれにきいてもおしえてもらえません。
ユタは、ほんとうのおかあさまにあいたいとおもうようになりました。
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ユタがきゅうでんにやってきて、しばらくしてから、
ほんとうのおにいさまだという人が、ユタにあいにきました。
おにいさまは、この国の王さまです。
ユタとは、おかあさまのちがうきょうだいなのです。
ユタにとって、はじめてあった、かぞくでした。
おにいさまは、ユタをりっぱなせんしにそだてようと、おもっていました。
それからまいあさ、おのでたたかうほうほうをおしえるために、ユタのへやにやってきました。
おにいさまはやさしいけれど、おののけいこはきびしくて、
ユタは、おにいさまがやってくるじかんが、すきになれませんでした。
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