朝の緊急事態
どうも!海前セレネです!今回は第2作目で、仲がいい6人の小児科病棟の患者、ユウキ、ココ、リュウ、ユウ、ハル、リョウと、この6人の主治医で仲がいい6人。患者達の中と小児科医達の中で繰り広げる、恋愛、友情ストーリーです。
-ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピッガチャッ-
-ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー-
「ん・・・んー!!!」
俺は、朝7時の目覚まし音と、雨音で目を覚ました。ここは・・?
周りを見渡すと、仲のいい小児科医の仲間がいた。あぁ、そうか。俺は昨日、疲れ果ててそのまま寝ちゃったんだ。
朝7時。小児科病棟の子達の・・。まぁつまり、俺を合わせてこの小児科医専用の休憩室にいる6人の担当患者の、体温とか容体を見に行く時間。見入ってやるか・・。
パタパタパタ
ガラッ
「あっ、宏先生おはよ!」
「宏樹先生、おはよーございまーす!」
「宏樹、おはよ!」
さて始まりました今日の日課。絶対に涼が朝来た先生を一番に呼ぶ日課。続くね~、よく。
ここは、小児科病棟の121室。小児科病棟一仲がいいといわれている部屋。
まぁ、まずは、朝6時に絶対起きる子達から紹介しようかな。
まずは、朝絶対に一番最初に来た先生を一番最初にあいさつをする坂口涼。8歳。
安静時狭心症を抱えている。けっこう、好奇心旺盛でやんちゃ。男の子。愛称はリョウ。
次に、冷静でおとなしくて視野が広く、頭がいい南野勇希。この病室では最年長12歳の男の子。心臓病を抱えているが、ちょっとした発作が起きると我慢してしまう癖がある。ここ病院なのにね~。みんなのお兄ちゃん。愛称はユウキ。
次に、なぜかいつも呼び捨てにしてくる木ノ内優介。9歳の割には、ちょっとどころじゃないくらい毒舌な奴。でも、仲間や家族を一番大切にして、絶対に裏切らない子。それは、この部屋の子達だったり、担当医だったら誰だって知ってること。気管支喘息を抱えていて、普段から吸入ステロイドをつけている。愛称はユウ。
さーてお次は、朝7時以上にならないと起きない子達。
「おーい、心ー!遥斗ー!おーきーろー!!!」
「(ビクッ)こ、宏樹せんせ・・・おはよ・・。」
「ん・・・おはよ・・・。」
ようやく起きた・・。
なんか俺の声にビビッてたのは宮本遥斗。優介と同い年。肥大型心筋症を抱えている。穏やかすぎるぐらい穏やかな性格で、あまり人と喧嘩したがらない。愛称はハル。
んで、次はちょっと元気ない春園心愛。最近来た子で、優しくて明るくて、病院中で人気の女の子。兄弟がいなくて、小さい子が大好き。みんなのお姉さん的存在。心臓病をかかえている。11歳。愛称は心、ココ。
まずは、みんなの体温測るかな。体温計~っと。
ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ
お、鳴ったな。さて、見ますか。
「はーい、みんな見せて~・・・。あれ?龍は?」
布団をめくったら、龍という1か月前に来た子が、いなかった・・。
「僕、知らない・・。」
「僕も・・。」
「俺も・・・。」
やばいな・・。とりあえず、
「みんな、体温計見せて?・・・えーっと、遥斗は36.7度。涼は37.1度。勇希は37.2度。
優介は36.6度か~。涼と勇希は今日は、ベッドで寝てな?微熱だからね・・。」
「分かった・・。」
「えー!!つまんなーい!」
「がまん。な?」
「うん・・・。」
「心は?」
「36.7度。」
「大丈夫そうだね。じゃあね。」
ガラッ パタン・・
「さてと・・・。」
(部屋の中)「ココ?どうしたの?」
「なんでもないよ?勇希くん。ちょっとトイレ。」
「そう?」
なんだ?騒がしいな。
ガラッ パタン
「心、どうした?トイレか?」
「・・・ちがう。」
「じゃあ、どうした?」
「・・・・宏先生、龍くんを探しにいくんでしょ。私も行く。大丈夫、走らないから。」
!?なんで分かったんだ!?もしかして顔に出てた・・?
「なんで分かったんだ?顔に出てた!?」
「ううん。たぶん、私ぐらいしかわかんないと思うけど、先生ってなにか急いでいるときとか焦ってい
る時とか、手をちょこっとだけ強く握るの。さっき涼くんが龍くんの事知らないっていった時も、手
をちょこっとだけ強く握ってた。だから、あぁ、龍くんを探しに行くんだなって。」
なんつー観察力がある子・・。よく見てたな~。
「それに龍くん、たぶん夏輝先生を探しに行ってるよ。」
「えっ。」
「昨日、龍くん検査あった時、嫌で夏輝先生をけっちゃったんだって。だから、それを誤りに行ったん
だと思うよ。」
観察力+洞察力付きー!!!なんて子・・。いや、今はそんな事より・・、
「じゃあ、行くか。絶対走っちゃだめだぞ!!」
「うん・・。」
7時35分。龍はたしか心臓病。やばい・・。
-1時間経過ー
い、いないし・・。どこだよ~龍・・。お、あれは!
「心!いた?龍。」
「う、ううん。」
「そっか~。いったん病室戻るか・・。」
「そ、そうだね・・。」
ガラッ
「あっ、龍!!!どこにいたの!」
なんと120号室に戻ったら、龍が目の前にいたのだ。さんざん探し回ってこれかよ・・。そうだ。探してもらったあの5人に言わなきゃ・・。
「ごめんなさい・・。」
「もうするなよ?」
「うん。」
俺がふと窓を見ると、病院の隣の公園で楽しそうにキャッチボールをしてた子2人が目に入った。ちょうど窓を開けてるからよく見える。実は30分ぐらい前に雨が上がって、嘘のような晴天になったのだ。こいつらにも、こんなふうに遊べるようにしてあげないとな・・。
しかし次の瞬間、キャッチボールをしてた子の1人が手を滑らして、偶然この病室めがけて玉が飛んできたのだ。しかもボールの先にいるのは龍。やばい!!!!
「龍!!!!」
パシッ
俺は今何を目にしてるんだ・・?たしか、龍めがけて飛んできた玉が・・・
「すみません!!!大丈夫ですか!?」
「大丈夫ですよ。今度からは気を付けて下さいね?」
「ごめんね!じゃあ!」
心が平然とした顔で男の子にボールを渡した。
そうだ!さっき、龍めがけて飛んできたボールを、近くにいた心がとったんだ。片手で!
「心、龍!大丈夫か!?」
「大丈夫だよ~。」
「だ、大丈夫!ほら!」
そう言って心は自分の手を俺の前に差し出した。たしかに何にもないみたいだな。
「じゃあお昼頃、また来るからね。」
ガラッ パタン
さてと、資料の整理でもするかな。
ダンッ
(部屋の中)
「ココ!どうしたの!?しっかり!!!」
「いった・・!ハァハァハァハァ・・。」
「ココ姉ちゃん!」
「ココ!」
「ココ・・!?」
なっ、なんだ!?外で今ダンッて音が・・。まさか・・・!!!
ガラッ
なんとそこには、床にうずくまっている心がいた。
「なっ・・!心、どうした!!!」
「ご、ごめんなさ・ッ・ハァハァハァ・・」
「大丈夫、大丈夫。待っててね、すぐ楽になるからね~。」
「ゲホゲホッ・・ヒューヒュー・・ゲホッ・!!」
「優介!」
ナースコールを押そうとした瞬間、優介にまで発作が起きてしまった。急がないと!
ピッ
「ストレッチャー!あと、木ノ内優介の主治医の高本智也先生につないで下さい!」
「分かりました!」
こうして俺は、急いで心と優介を処置室へ連れて行った。
読んでいただきありがとうございます!第2話が投稿できたらぜひ読んで下さいね!