Au revoir
はじめまして。厨二っぽい小説が書いてみたいと思い書かせていただきます(( 文字を書くというのは難しいです。
その日の月は青かった。
黄でも朱でもなく、青だった。
雲一つないのにも関わらず空に星は見えない。
不気味な景色だった。
「綺麗だ」
そんな景色を恍惚とした表情で彼は見つめる。
その赤く光る両の目を細めながら。
まるで自分の最愛の人を見る目つきで。
彼は視る。
「ねえ、君もそう思わないかい?××」
そしておもむろに振り返り俺を見る。青い月を背景に微笑む。
「……そんなの、思わねぇよ。思わねぇし、想わねぇよ」
顔を顰めながら、言葉一つ一つを確かめるように俺はそう言う。
きっと非常に嫌そうな顔をしているんだろう、俺は。
しかし、全否定をした俺を彼は満足そうに見つめた。
「そうか、それは残念だな」
全く残念そうに見えないのは俺だけだろうか。
「お前の面はいつ見てもイライラする。……まぁ、もう会うこともないだろうが」
そんな彼をまっすぐに睨んで俺は言った。
「はは、そうだね、そうかもしれない」
そんな俺の言葉をまるで気にせずに笑う。
「ふふ、なんだいその不満そうな顔は。……人の気持ちを構成している全ては理不尽で、不可解なものからできているんだよ?」
ち、気に食わねェ野郎だ。
「……そろそろお別れかな」
「そうか、さっさと行け」
「最後まで冷たいなあ」
「当然だろ」
そんな俺の答えを、寧ろ嬉しそうに聞きながら彼は言った。
「Au revoir」
そう言い残して消えた。
そう、文字通り。
消えたのだ。
ありがとうございました^^//