天罰地蔵
昔々あるところに、小さな村がありました。
ミラの人たちは仲良く暮らしています。
ところが、村の人たちにはある悩みの種がありました。
それは、『小太郎』という男のことです。
小太郎は、村の人にいたずらをする、動物をいじめる、作物を勝手に食べるわで、皆困り果てていました。
ある日、一人のお坊様が村にやってきました。
「私は修行の旅をしているものです、どうか今晩だけ泊めてはもらえないだろうか?」
お坊様の言葉に、村の人たちは喜んで迎え入れました。
村の人たちが、夕飯の準備をしてい居ると、小太郎が鶏をいじめていました。
「これ!! 小太郎!! そんなことをしてはいけないだろうと言っているだろう!!」
「へっへーんだ!! そんなことは知ったこっちゃないね!!」
小太郎は、べー!! と舌を出して逃げて行きました。
村の人が困り果てていると、お坊様が言います。
「何やらあの者に困られている様子、訳を聞かせてくれないか?」
村の人はお坊様に聞かせました。
昔は素直で優しかったのですが、大人になり自分たちを困らせるようになったと。
それを聞いたお坊様が少し考えます。
「それならば、私に一つの提案があるのだが。」
その言葉に、村の人はその提案に縋りました。
次の日、小太郎が散歩をしていると、一つのお地蔵様が立っていました。
「何だぁ? これは?」
「そのお方は『天罰地蔵』様だ。」
「天罰地蔵ぉ?」
小太郎はお地蔵様をじろじろと見ます。
「どうやろお主は、村の人たちを困らせてるようだな、そのうち、このお方から天罰が下ろうぞ。」
「天罰だ? そんなこと知っちゃことじゃないね!!」
お坊様の言葉もむなしく、小太郎はあろうことか、お地蔵様を蹴り倒してしました。
それに満足した小太郎は、その場を去って行きました。
お坊様は倒れたお地蔵様を起こし、汚れをふき取ります。
「なんてことを……、天罰地蔵様、どうかあの者に天罰を。」
お地蔵様に手を合わせ、お供え物をすると、お坊様は村から去って行きました。
そして夜が来て、小太郎はぐ~すか寝ています。
しかし、だんだん顔が険しくなっていきます。
そして、小太郎は夢を見ます。
真っ暗の中、小太郎はキョロキョロを辺りを見渡します。
すると、上から声が聞こえてきました。
『小太郎、小太郎や。」
声のする方を見ると、そこには、朝蹴り倒したお地蔵様がいました。
『其方は村の人を困らせ、動物をいじめたな?』
「そ、それがどうしたってんだ!!」
『そのような者には、天罰じゃー!!」
ゴロゴロドッカーン!!
お地蔵様は優しい顔から怒った顔になり、小太郎に雷を落としました。
「ギャー!!」
雷を落とされた小太郎は、真っ黒になり、涙を流します。
『どうじゃ? まだ反省せぬか?』
「いいえ!! 反省しました!! もうやめてください!!」
『では、其方がすべきことはわかるな?」
「はい!! みんなに謝ってきて、心を入れ替えます!!」
『よろしい、わしはいつまでも見ておるからな。』
そう言うと、お地蔵さまは消えていきました。
次の日の朝、小太郎は飛び起き、村の人たちと動物たちに一生懸命謝りました。
小太郎が改心したのを感じ、村の人たちは小太郎を許しました。
そして、お地蔵様を毎日磨いています。
お地蔵様は祠に入り、平和になった村を、いつまでも見守っているそうです。




