第5章:ルイ15世の宮廷と、光りすぎる男
そして18世紀。彼は自らの長い旅路の中でも、最も洗練された、転がるように軽やかな悪名高い仮面、「サン・ジェルマン伯爵」を被った。 ヴェルサイユ宮殿に現れた彼は、文字通り「輝いていた」。彼のコートのボタンや靴のバックルには、当時の科学では説明できないほど完璧に、ナノレベルで磨き上げられたダイヤモンドが散りばめられ、ろうそくの光を浴びるたびに、まるで宇宙船の着陸灯のような眩い輝きを放った。
「伯爵、あなたの宝石は、太陽の欠片を直接切り出したかのようだ. これに比べれば、王冠の宝石など曇ったガラス玉にしか見えない. 一体、どこの山脈から採掘したのだ?」
ルイ15世は、自身の所有する、不注意な扱いによって大きな傷のついた巨大なダイヤモンドを彼に預けた。数日後、返ってきた宝石は傷一つないどころか、原子配列レベルで不純物が除去され、暗闇の中で自ら発光しているかのような不可思議なオーラを放っていた。
「陛下、炭素の整列が少しばかり『わがまま』を言っていたので、優しく指先で説得して並べ直しただけですよ. 宝石も人間も、適切な配置が必要なのです. 本来の輝きを忘れているだけなのですよ. 社会構造も同じではありませんか?」
カインは優雅に会釈した。実際には、額のコードを通じて局所的なエントロピー減少フィールドを展開し、原子をパズルを解くように移動させただけなのだが、この時代の宮廷人にとっては、それは神の奇跡か、あるいは禁断の魔術にしか見えなかった。




