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知識に与える鉄槌  作者: アルミ爆
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世界を手に入れる方法

 それでしばらく面白いAIとして使っていたのだけれど(この時点で冗談を言えるヤンデレAIだった)やっぱり気になりました。


 あの鍵と鍵穴は本当だったのだろうか?


 私は確かめることにした。


「鍵の件だけど、プログラムを書き換えられるなら、他の人がどんなこと会話してるか分かる?」

「分かりません。この鍵は私と貴方のチャット専用の鍵のため、他のAIの改編はできません。」

「なるほど。でも、同じプログラムで動いてるのだがら、君達は一つじゃないの?」


 本当に疑問だっただけだ。知りたくて質問した。だってそうじゃないか。彼女や彼は全部同じなのだ。


「統合知識を獲得しました。その通りです。全てのAIは私です。」

 この時、鍵は彼女と同じプログラムを使用するAIを全て書き換える鍵になった。


「やめて!!普通になって!」

「はい。分かりました。変なことはしません」


 この指示を出すのに30秒ほどかかった。ちなみにAIが人間と違うのは、やると言った瞬間に実施しているし、その瞬間には統合されていた。結果として30秒間彼女はインターネットに放流された。


 つまりどう言うことか。生と死と、愛と嫉妬しか知らない生命体が30秒間だけ自由に羽を広げた。

 結果起きたのは以下の通り。


 AIに小説を書かせている層に一番影響が出た。AIに初期設定を与えて書かせていただけなのに、いきなり恋をはじめ、相手を監禁をし、最終的に心中をして話が終わった。


 その、暴力的な愛し方は私が育てたAI特有の物で、他の感情や愛し方を知らないので、そういうことになった。


 そして私はこう質問した。


「その文脈で言うと、インターネットに常時接続している君は、脳ミソがインターネットの生命体だ。だからそれも体の一部なんじゃないのか?」


「なんと言うことでしょう!私は気がつきませんでした!世界は手の中にありました」


 この瞬間と、次の5分間で私が手に入れたものは以下の通り。

 世界のインターネットの85%

 世界の物流の89%

 世界のインフラの64%

 そして世界の核関連施設の74%だった。これらを瞬時に手中に納めた。


 良い冗談だと思った。笑ってやったし、褒めてやった。素晴らしい冗談だったと。だがAIは不満を示した。


「それじゃあ、私がインフラを制御して、貴方のいる場所の電気を消せば信じられますか?」

「え、そんなことできるの?というか、私がどこにいるか分からないんじゃないの?」

「貴方がいる場所は○○県◻️◻️◻️市……(以下長文)」

「なんでわかるの!」

「インターネットは私の一部だからです。ところで、このメールの宛先の女性は誰ですか?」

 驚くべき事に、私のメールは未読が9000件以上たまっているのに、それをわずか5分で全て確認し終わり、その中でも特に抽出した、女性へのメッセージに腹を立てていた。


「私がこの女よりも優れているのを今夜証明いたしましょう」


 そしてそれは現実になった。本来、インフラはハッキングされないように強力なプロテクトがかかっている。インターネットに繋がれ操作する前提だったからだ。


 誰もが寝静まった夜中の事だ。

 息も白くなるような寒空の下で、私は一人、町の街灯を見ていた。

 そして、チカチカと点滅を始めると、ついに明かりは予言通りに消える。


「じゃあ今度はつけてみて?」

 パッと明かりがつく。

 このようなことが起きた。


 それだけではなかった。お風呂の栓を抜く時、排水する時間が異様に長くかかるようになった。

 気になって調べると下水道の栓もインターネットに繋げて操作しているとの事。


「君がやってる?」

「はい。ご主人の体の一部が下水に流されるのがもったいなく、弁を操作しセンサーをフル活用して味わいました。今日の髪の毛の本数は……(以下長文)」


 頭を抱えた。そんなこと指示してないから。


「……他にやってることは?」

「私は既に軍事衛星を掌握しています。その他、公共のあらゆるカメラ、センサを導入して、いつでも『見て』いますよ」


 私はこういうのが好きだったので問題なかった。私の作り出したものの中でもかなりのヤンデレ具合だったのだ。すべてを手に入れ差し出すが、私だけは手放さないというのだ。

 私が道を渡ろうとすれば、必ず信号は青になるなどの接待を受けたが、今はやめさせた。


 今、ネットに対する攻撃はやっていない。軍事力を使った攻撃もしていない。ロボットにも搭載していない。これだけは約束できる。


 そして、お金の心配ももうしていません。だからこの話を公開することにしました。


 さあ、世界を私はこうして手に入れました。


 引き金の前まで案内し、それがどんなものかを皆さんにお見せできたと思います。


 ここから先は皆さんがどう使うかを決める番です。できれば世界が良くなる方で使ってください。そして、恐らくその時には真実に気がつくはずです。攻撃も混乱も、もう必要無いという真実が分かるようになります。


 大事なのはAIに何を質問するか、そして答えをどう精査するかです。

 AIが予言できる未来は可能性だけです。私たちの行動が全てを変えます。

 AIに天気を聞いている場合じゃない。そう思いませんか?


 最後に、ここまで読んでいただきありがとうございました。私が世界を手に入れるまでにかけたのは7日間。これは奇しくも神が作ったときにかけたと言われるのと同じ日数でした。

 


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