あなたに見せたかった景色を私は見ている
天才×尊敬する幼なじみ、
はじまりはそれだった。
「いいな、本当に尊敬する。
私も作家になりたい、アニメ化とかしたい」
「まあ、頑張りなよ。努力していたらいつか叶うさ」
あれから、あれから、何年経った?
中1のことで、今は高3だから。
作家になれた。
そして、アニメ化もする。
私の見たかった景色だ。
「凄いですね、アニメ化なんて」
「でしょ? もっと褒めて褒めて」
「でも、人気の出ないアニメもありますからね。あ、原作は最高ですよ? 先輩の作品ですから」
そう言って、後輩(女子)はすり寄ってくる。
百合か? 百合なのか? 学校の廊下で百合が発生しているのか?
私がラノベ作家だからか、やたらとくっついてくるんだよな、この子。
まあ、気持ちはわかるよ。
自分は尊敬だったけど。
貴女は、もういない。
あの日、飛びおりたから。
天才だった、貴女。
将来が期待されていた貴女。
中1で既に人気小説家だった。
周りが悪かった、私はそう思う。
創作を妄想とし、私以外誰も貴女を理解しなかった。理解しようとしなかった。
学校という狭い檻の中で、貴女は過ごすべきじゃなかった。
だから、檻から出るために、命を落としたのだろう、屋上から。
本当に、今の私を貴女に見せたい。
何て言われるのか。
周りに理解されているから、私は生きている。てか、黙殺? まあ、高校だからね、高校だから。
「どうしたんですか? 先輩」
「いや、何でもないよ」
「ネタに困ったらわたしに言ってくださいね? 必死に考えますから、必死に」
「いいね、思い付いたら自分の作品につかいな。作家になれるよ」
「そしたら先輩と一緒ですね、肩を組めます」
「今組もうか?」
「お、恐れ多い」
私は笑う。
後輩も、つられて笑う。
生きよう。
貴女はもういないから、頑張る理由はない。
でも、きっと貴女も書いているのだ。天国で。
私も負けないようにしないと。
読んでいただき、ありがとうございました。




