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古民家カフェで紡ぐ恋〜歳上部下は犬系男子?〜  作者: 暦海


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分不相応の幸せ

 ――あれは、7年以上も前のこと。



『――ねえねえ、小夜さよ。私達、これからもずっと一緒だよね?』

『はい、玲香れいか先輩! 俺で良ければ、是非ずっと!』

『……もう、前から言ってるけど、先輩って言うの止めて? でも……うん、ありがとっ、小夜』



 高校2年の、ある夏の日のこと。

 学校からの帰り道、和やかにそんなやり取りを交わす俺達。華やかな笑顔で隣を歩くのは、中野なかの玲香先輩。俺の1つ上の3年生で、鮮やかな茶髪を纏う綺麗な女子生徒――そして、未だに信じられないけど俺の恋人だったりする女性ひとで。


 ところで……どうしても駄目っすかね? 先輩って呼ぶの。俺としては、最大の敬意を込めてるつもりなんですけどね。



 ともあれ、交際が始まったのは1ヶ月ほど前。ほとんど……いや、完全にダメ元で告白したらなんと成功。あまりの衝撃に頭が真っ白になったのは、今でも昨日のことのように思い出せる。これが夢だったら、どうか覚めないでなんて本気で願ったりもして。


 だけど、幸い夢ではなかったようで……翌朝、なんと十字路――前日、一緒に登校しようと待ち合わせをしていた十字路にて、満面の笑顔でこちらに手を振る玲香先輩の姿が。……俺、っすよね? 一応、辺り一帯を見渡すも……うん、どうやら俺のようで。そして、その次の日も、次の日も――


 ……いや、まだ分からないか。実は、ものすごく長い夢の中にいる可能性も……うん、だったらそれでもいっか。



 でも、そんな分不相応の幸せはある日、突如として音を立てて崩壊し……いや、この言い方は良くないか。偶然じゃない、不運でもない――ただ、俺自身の手で壊しただけなんですし。


 


 



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