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プロローグ その2
人間というのはいつも自分勝手だ。
それは今この手記を書いている私もそうだ。
ただ追い求めて、追い求めて。
そうして手に入れたモノは汚れていた。
人間は自分勝手だ。
その手に入れたモノを見て、こう思う。
「これは私が欲しかったモノではない」と。
だけど、その過程は汚れてなどいない。
ただ純粋にただ美しいその道のり。
しかし人間は結果を求める。
結果。
事実。
現実。
それが人間の求めるモノ。
美しかった過去は穢れる。
夢想した未来ではなく、妄想した願いでもなく。
ただ当然の現実を見た時、それを忘れる。
まるで泥を被った水晶。
内にあるものを見ず。
外にあるものを認める。
それが人間というやつで。
そんな人間に属するのが私で。
ただただ理解する。
自分もこの循環にいるだけなんだと。
まあ、何が言いたいかと言うとだ。
私は作り上げた。
作り上げてしまった。
完成させてしまった。
だから私は、
失敗した。後悔した。理解した。
最後になるが、もしこの手記を読んでいる者がいたら私の願いを聞き届けてほしい。
「 」