第92話 色々ありすぎた翌日
春奈先輩の修学旅行編を文化祭前に書くかどうか少しだけ迷っています...。
私が勝手に雫ちゃんに告白される妄想をして熱を出した翌日、なんとなく顔を合わせにくくて雫ちゃんと一緒に登校ができなかった。
昨日もお見舞いにこようとしてくれてたのに、私が来ないでって頼んだのもあるし…。
だって!勝手に告白されたらって考えただけで熱出しちゃったんだよ!?
雫ちゃん本人に知られたら絶対怒られるし、呆れられるもん!
これは多分、雫ちゃん以外でも呆れそうだけどさ!
「はぁ…。なにやってるんだろ私…」
学校に着くまでひたすら自己嫌悪に浸っていた私は、教室に着いた瞬間、また机に突っ伏してしまった。
そのせいで美月ちゃんと皐月ちゃんに余計に心配させちゃったのは申し訳なかったんだけど…。
雫ちゃんが来た時なんてもう酷かった!
「おはよ紅葉ちゃん。昨日大丈夫だった?」
「え!?あ…いや…うん。大丈夫だった…」
「どうしたの?まだ具合悪いの?顔ちょっと赤いよ?」
違うの!雫ちゃんの顔を見ると、どうしても変なことを考えちゃって、まともに顔が見れないの…。
これは私の変な妄想だって分かってるのに…なんだか目の前にいる雫ちゃんが心配してくれる度に変な気持ちになってくるんだってば!
1つ隣の席に座ってる雫ちゃんが、なんだか凄く近くにいるみたいに感じちゃってもうどうにかなりそうなんですけど…。
「なぁ〜紅葉いるか〜?」
そんな窮地?にいた私を助けてくれたのは、私を訪ねてきた鈴音先輩だった。
私はすぐにその救いの手にすがりついた。
返事をするよりも前に、教室の後ろの扉から教室を覗いてる鈴音先輩の元に走った。
「なんか、今日の紅葉いつもより変じゃない?」
「私、やっぱりなにかしちゃったのかな…?」
後ろから皐月ちゃん達のそんな会話が聞こえてきた気がしたけど、一旦聞かないふりをする。
違うの雫ちゃん!私が変に意識しちゃって、勝手に恥ずかしくなってるだけなの!
いつになるか分かんないけど、ちゃんと謝るから!
「なんですか!」
「…。なんかあったか?」
「いえなにも!?とりあえず行きましょ!」
「は?いやどこに?」
訳がわからないといった様子の鈴音先輩の背を押して、私は無理やり階段の踊り場まで連れていった。
なんだか教室にいると、どうしても後ろの雫ちゃんを意識しちゃうからここに来たんだけど…。
これはこれで何か凄く誤解をされるような気がする…。
あまりに無理やり連れて来てしまったせいで少しだけ息切れしている先輩と私は、ひとまず話の前に一息つくことにした。
妙に心臓がドキドキして、雫ちゃんの顔を見るだけでその場にいられないほど恥ずかしくなるなんて…。
どうしちゃったんだろう私…。
「はぁ〜。いきなりこんなところ連れてくるから何事かと思ったんだけど?」
「ご…ごめんなさい。つい…」
「で?もう話はしていいのか?」
「はい…。ごめんなさい」
改めて謝ると、鈴音先輩は笑って許してくれた。
一昨日私が放課後偶然見かけた先輩はこんなに明るく無かったんだけどなぁ…。
春奈先輩が修学旅行に行っちゃって寂しいから少しはヘコんでるかと思ったんだけど、全然そんなことないらしい。
「春奈は明日には帰ってくるからな!それに、寂しいって言ったら絶対電話くれるし!優しいんだよもう〜!」
「そ…そうなんですか…」
「あ!今春奈達って九州の…どこだっけ…。まぁいいや!そこに行ってるんだけど!昨日迷子になったらしいんだよ!可愛くないか!?」
「あの…本題の方は…」
この先輩の前で春奈先輩の話を持ちかけたのがダメだった…。
すっかり本題の話を忘れて春奈先輩との惚気話に夢中になりつつあるんだけど。
っていうか、春奈先輩も私みたいに迷子になるんだ。なんだか、意外。
春奈先輩って、鈴音先輩に色々されてるところしか印象ないけど…しっかりしてそうなのに。
っていうか、鈴音先輩もなんでこんなに顔を赤くして惚気てるのか…。
これが前に皐月ちゃんがポロッと言ってた…なんだっけ。
バカップルだっけ?凄いラブラブなカップルのことだって言ってたけど、この2人はなんか…また別の次元のような気も…。
「あ、そうだったな!春奈の話はまた今度だな!」
「いや…今度も別に聞きたくは…」
「で、本題なんだけど!紅葉は緑川のことどう思ってるんだ?」
「…。はい!?なんでそこで雫ちゃんが出てくるんですか!?っていうか、部活関連の連絡とかじゃないんですか!?」
「私がそんな連絡わざわざしにくる訳ないだろ?昨日緑川に『紅葉ちゃんからお見舞いには来ないでって言われたんですけど、私が何かしたんですかね?』って言われてさ。結構相談に乗ってたから、一応聞いてあげようと思ってな」
ただ単に変なことを考えちゃったせいで熱を出したから、お見舞いには来て欲しく無かったっていうだけなんですけど…。
っていうか、なんで先輩が雫ちゃんと?あんまり仲よさそうに見えないんですけど。
そもそも、この先輩に相談してもあんまりいい結果にはならないんじゃ…。
面白がって変なこと言いそうだし!
「酷い言い草だな〜。ちなみに、緑川がイメチェンしたの私の提案だからな?」
「え!?そうだったんですか!?ありがとうございます!もう雫ちゃんがすっごい可愛くなって!助かってます!」
「ん。素直でよろしい。ちなみに、本人には私がこんなこと言ったの内緒な?紅葉には内緒にするって言っちゃったから」
「先輩のおかげで雫ちゃんがあんなに可愛くなったんですから!もう全然良いです!」
先輩ごめんなさい!雫ちゃんがあんなに可愛くなったのがまさか先輩のおかげだったなんて!
っていうか、先輩ほんとに分かってる!だってもうさ!ヤバイくらい今の雫ちゃん可愛いから!
そのせいで私が変な想像しちゃうようになっちゃったんだけど!
「なんだ?変な想像って」
「え?あいや…それはその…」
「は〜ん?さてはそのせいで昨日熱出したな?」
「…はい。多分…」
「そりゃお見舞いには来て欲しくないな〜!」
そう言って、先輩はとても可笑しそうに笑った。
ここが学校だということを忘れているみたいに凄い大きな声で…。
私はいろんな意味で恥ずかしくて、今にもこの場から逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。
っていうか、この先輩が雫ちゃんに全部言っちゃいそうで凄く怖い…。
こんなこと雫ちゃんにバレたら、怒られるだけじゃすみそうに無いって…。
何を言われるかわかんない。
「大丈夫大丈夫!緑川には言わないから〜。ま、聞きたいことは聞けたしな。もう戻って良いぞ〜」
「絶対ですよ!?絶対雫ちゃんには内緒にしてくださいね!?」
「分かったって〜。お幸せにな〜」
手を振って階段を降りて行った先輩は、そんな意味不明な言葉を残して行った。
なに?お幸せにってどう意味意味?訳わかんないんですけど!
でも、誤解させちゃったのはあれだし、教室に戻ったらちゃんと謝らないと…。
そう思ったは良いものの、実際隣の席に座ってる雫ちゃんを見ると、やっぱり恥ずかしくなっちゃってまともに話せなかった。
そしてこの時、私のこの行動が原因で私の知らないところで色んな異変が起きていたらしい…。
そのことを私が知ったのは、2日後のお昼休みだった。
次回のお話は10月10日の0時に更新します。
そろそろバイトを始めるので、2作品同時に書いている現状さらに忙しくなりますね!(歓喜)
ちなみにもう1つの方はまだどこにも投稿してませんが、いずれこっちで毎日投稿という形で投稿させてもらいます!
多分来年になりますが笑




