表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/153

第87話 嫌な予感しかしないデート

今回のお話は春奈ちゃん視点でのお話です。


しばらく暗いお話が続いたので、息抜きになればと。

日曜日、私は少しだけ緊張しながら今日着ていく服の最終確認をしていた。


今日は私の誕生日の日に恵と結奈の2人からもらった遊園地券を使う日だ。

すなわち…先輩との遊園地デートの日だ。


先週は先輩が受験だったから行けなくて、受験お疲れ様でした!みたいな名目で行こうって言われた…。


私の誕生日にもらったものだっていうのを先輩は忘れている気もするけど…どっちみち何かお祝いはしたいと思ってたからちょうど良かった。


この間誕生日の日にもらったネックレスが嬉しすぎて、つい渡そうと思ってた物を渡せてなかったし、そういう意味でも…タイミングが良い。


今日のコーデは赤いパーカーとブラウンのショートパンツ、後は黒いタイツを履いている。


普段タイツとかは履かないけど、先輩がこの間非常階段で話した時にこんなことを言っていた。


◇ ◇ ◇


「春奈ってさ…可愛いから男子どもの目が…あれなんだよね…」


「なんですか急に…」


「いや…ミニスカとか履く時…足とか見えるの嫌だなって…」


「なんで急にそんなこと言い出すんですか!?なんか恥ずかしいんですけど!」


「私だって恥ずかしいけどさ!極力その…ミニスカは…あれだなって…」


◇ ◇ ◇


それから、なんとなく足を結構出す服装になるときは、先輩と出掛けるわけじゃない時もタイツを履くようにしている。


それを言うなら…私だって先輩が色んなところ出してるのちょっと嫌だけど…そんなの恥ずかしくて言えないし!


大体、たまにあの告白した時に着てたやつで来て!って言うのに…なんで足はダメなのか…。

あっちの方が露出多い気がするんだけどなぁ…。


まぁそんなこと考えてても恥ずかしいから絶対本人の前では言えないんだけど。


良し!多分大丈夫!

もちろん貰ったネックレスもつけて、急いで家を出る。待ち合わせ時間まではまだまだあるけど…一応ね?


待ち合わせ時間の30分前に着いた私は、案の定早く来すぎたと少し後悔した。

今日は日曜日だし、駅前だからそれなりに人も多い。変な人に絡まれる前に早く来て欲しい…。


そんな思いが通じたのか、先輩は私が着いて10分もしないうちに来てくれた。


先輩は白のシャツの上にブラウンのジャケットを肩にかけて、下はチェックのロングスカートだった。


なんて言うか…大学生というか、一気に年上のお姉さんって感じが出たというか…。


「お〜。春奈早いな〜。そんなに私に会いたかったのか?」


「それは先輩の方ですよね!?いつも集合時間ギリギリに来るじゃないですか!」


「私は早く春奈に会いたかったんだから仕方ないだろ?春奈は違うのか…?」


まるで子犬みたいな上目遣いで私を見て来る先輩に、不覚にもドキッとしてしまった。


この目で見られると…こっちが悪いことをしてるみたいな気分になって来るから本当にやめて欲しい。


しかも...めっちゃ可愛いし!


「も〜!その顔禁止で!」


「え〜?まぁいいや。なら行こ!」


少し不満そうだったけど、すぐに満面の笑みになった先輩は私に右手を差し出して来た。

私はその手を握って先輩の横を歩き始めた。


電車の中でも手は繋いだまま、私達は隣同士で座っていた。

電車の中はかなり混んでたけど、なんとか座れたのは…今考えると不運だった。


だって…混んでるせいで余計に密着しないと行けないし!

そのせいで先輩の顔が自然と近くなるしで…!


「なんで今更照れてんだよ〜。も〜可愛いんだから〜」


「電車の中でそう言うこと言うのやめてくださいよ…!周りに聞かれるじゃないですか…」


「大丈夫だって〜。次で乗り換えなんだし、聞かれても別にいいだろ〜?」


「良くないから言ってるんです…。先輩には羞恥心っていうものがないんですか…?」


「もちろんあるけど〜春奈と一緒だからどうでもいいや〜的な感じ?」


なんだか真面目に答えるのがばかばかしくなって来る答えが返ってきた…。

いや嬉しいんだけど!嬉しいけど…流石に恥ずかしすぎるというか…。


すぐに次の駅について、特急に乗り換えた私達は意外に空いていたこともあって向かい合って座った。


座席を動かして向かい合わせにできるやつあるでしょ?それを使って。

別に普通に隣に座ればいいのに…。


「それだと春奈の顔が正面から見えないじゃん」


「だから!なんでそう恥ずかしくなること平気で言えるんですか!?」


「あ〜春奈見てみ?海がすっごい綺麗だぞ〜!」


「聞いてますか!?」


なんか…まだ遊園地にすらついてないのに、すっごく嫌な予感がしてきた。

金曜日の部室の件もあるし…私無事に帰れるかな…。


流石にこの間みたいに泊まって行って!とかは言われないだろうけど…。


「あ…そう言えば金曜の時の新しく入部してきた子。何かあったんですか?放課後すっごい明るく帰ってるところ見て随分雰囲気変わったな〜って思ったんですけど…」


「ん?ああ〜。別に少し話しただけだぞ?今年の一年面白いよな〜!文化祭でもなんかクラスの男子と女子で違う出し物するって聞いたぞ!」


「先輩が面白がるってことは…あの子も何か恋愛ごとの悩みだったんですか?」


「そうそう!私と春奈のこと話したらなんかいい感じに〜」


「一体何話したんですか!?あることないこと話してないですよね!?」


私がそういうと、先輩は何も言わずにただニヤついてるだけだった。

後で何を聞いたかちゃんと連絡して誤解を解かないと…。変なこと喋ってないといいけど…。


今日の先輩はいつもより一段とテンションが高い気がする…。

っていうか、遊園地デートにスカートは厳禁って聞いたからショートパンツ履いてきたんですけど私…。


まさか、ロングスカートなら大丈夫だったりするの!?


「ん?ああ〜私も春奈もジェットコースターとか絶対無理だろ?なら別に大丈夫かな〜って。あ、遅くなったけど似合ってるぞ!」


「ありがとうございます…。先輩もとっても似合ってますよ…」


「ありがと!まぁその代わり、お化け屋敷とかには行こうな!」


「私は大丈夫ですけど…先輩の方が怪しくないですか…?」


「ん?この前の映画のことで心配してくれてるのか?まぁ〜なんとかなるだろ!」


一応下調べした段階だと、ジェットコースターとお化け屋敷が異常に怖いって評判の遊園地だったんだけど…そのことは言わない方が良さそう。


第一、お化け屋敷なら私がリードできるし!今自信満々の先輩が怖がる姿なんて、絶対可愛いし!


そうこうしているうちに目的の駅に着いて、私達は手を繋ぎながら降りた。

駅を降りた瞬間に見えたのはこれでもかと言うほどの行列だった。


日曜日だってこともあるけど…こんなにいっぱい人がいるんだ〜。凄いなぁ〜。


「この列はチケットとか持ってない人の列だから〜私達はあっちだな」


「こんなに人気の遊園地のペアチケットなんて良く取れましたよねあの2人…」


「ほんとな〜。おかげですっごい楽しくなりそうだな!」


「そうですね…。じゃあ行きますか…」


いつも以上にテンションが高い先輩とは裏腹に、私はこれから何をされるか…期待と不安半分ずつで少しだけ複雑な気持ちだった。


そんな私の気持ちを知らず、手を引いて走っている可愛い先輩を眺めながら私は色んな覚悟を決めた。

次回のお話は9月25日の0時に更新します。


少し短めだったのですが、数話デートのお話が続きますのでご容赦ください。

デートのお話が終わったら文化祭のお話に戻ります!


お察しの通り投稿日を間違えたので25日更新になります。

ごめんなさいm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ