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第71話 誕生日会の準備

全く関係無いですけど、最近初めてカラオケに行って見事にハマりました。


今回のお話は、鈴音ちゃん視点のお話です。

少し短めです。


春奈の誕生日前日、私は明日の誕生日会に向けて準備を進めていた。

具体的にいうと部屋の飾り付けとか、親に適当な理由をつけてここ何日か家を空けてもらうとか…。

実際、一番苦労したのが親の追っ払いだった。


春奈と2人きりでゆっくりしたかったからあれこれ考えてようやく追い出せたけど、正直不自然すぎて逆になにか誤解されてそう。

少し苦手な従兄弟に頭を下げてなんとかそっちに行ってもらったけど、大きい借りを作ってしまった気がする…。


少しその事で憂鬱になりながらリビングの飾り付けをしている時だった。

机の上に置いていた携帯に電話が来たのは。


「はい?ああ朱音か〜。どした?」


「ちょっと明日のことで心配なことがあってさ。今大丈夫?」


「大丈夫だぞ?なんだ?心配なことって」


まったく心当たりがなかった私は、素直にその事が気になった。

誕生日会が終わっても春奈だけはこの家に残るって事は春奈以外は知らないはずだし…。

っていうか、そんな事他の人に知られたら恥ずかしいし。


「いや、あんたが明日春奈にあげようとしてる物の事よ。まさかとは思うけど、変なものあげるんじゃないでしょうね?」


「変なもの?例えば?」


「変なものって言ったらあれよ…。分かるでしょ!?」


「それで分かるやついたら逆にすごいだろ。一応言っとくけど、私が渡そうとしてるのって健全なやつだぞ?」


そう言った瞬間、電話の向こうから声が数秒聞こえなくなった。

あ〜そういう事か...。なるほどね。

朱音が電話をかけて来た理由がわかった。


「そ…そうよね〜!いや分かってたよ!?それなら良いの。うん!」


完全にやましい事だと思ってたなこれ…。

そんな訳ないじゃんか。まだ私たち付き合い始めて1ヶ月経ってないんですけど…。

いくら春奈と付き合いが長いって言っても流石にそんなに早くは、私も無理。


「朱音は私をなんだと思ってるんだよ…」


「うるさいなぁ〜!あんたなら言い出しかねないでしょ!?」


「春奈の誕生日が私と同じ12月なら考えた」


「はっ!はい!?ちょっとあんた本当にやめなさいよ!?」


「冗談に決まってんじゃん…。朱音って実はむっつり?」


少しからかうようにそう言うと、朱音は電話越しでも分かるくらい焦りだして、少し怒ったように


「もう良い!また明日ね!」


そう言って一方的に電話を切った。

電話を終えた後、憂鬱だった私の気持ちは、少しだけ楽しくなっていた。

明日どうやって春奈をからかおうとか、あの一年生2人の事とか、改めて考えると明日は色々楽しくなりそう。


この前の夜は…やりすぎて自分が全然眠れなかったから、そこを気をつけて…いや、別に眠れなくても良いかな?


大体、好きな人に抱きつきながらまともに寝れるわけないじゃん。

一晩中ドキドキしててまともに寝れる気しなかったし。春奈が可愛すぎるのもちょっと考えものかも…。

ついやり過ぎてしまうから少し抑えることも学ばないとダメかな?


「弟君に優しくしたら嫉妬するって…可愛すぎるんだよなぁ…」


独り言を呟いた後、今度は好きな曲を携帯で流しながら準備を再開した。

本当にこの間は本当にやばかった…。

春奈が可愛すぎてどうにかなりそうだったし…。


もうね、好きが溢れすぎて我慢するのが大変だったんだから…。色々と。


「ふ〜。とりあえずこんな感じで良いかな?」


一通り準備が終わったのは昼の15時を少しすぎたあたりだった。

朝の8時半とかから始めたのに随分かかったなぁ…。


この後は〜春奈へのプレゼントとケーキを受け取りに行って、本屋に新刊が無いか見に行くんだっけ…。

今はバッチリ部屋着だし、さっきまでの準備で少し汗もかいてるからシャワー浴びてから行こ。


シャワーを浴びた後、別に春奈とのデートじゃ無いから良いかと思い、別におしゃれをするわけでもなく家を出た。

春奈への誕生日プレゼントを誰にも言ってないのは単に、恥ずかしかったからだけど…朱音にあんな誤解されてるって事は…他の〜例えば恵とか結奈も勘違いしてる可能性がある…。

まぁ良いか。それはそれで面白いし。


それに、私がプレゼント渡すの夜って決めてるし。誰の目にも多分触れない。

喜んでくれると良いなぁ〜。

あんなの買うの私も初めてだから、ちょっと自信ないけど…。


「なんで今から緊張してんだろ…。本番は明日なのに」


駅までの道で、ただ歩いてるだけなのに変に緊張してくるのはなんでだろう。

今まで何度も春奈の誕生日会はしてきたし、私も誕生日会はしてもらった。

それでも、今まで以上に緊張する。


「先輩?何してるんですかこんなところで…」


「ん?え!?なんで春奈がここに?」


駅でベンチに座りながら電車を待っていると、目の前からいきなり話しかけられた。

誰かと思って顔を上げると、そこにいたのは自分の彼女でもある春奈だった。


春奈はいつもとより地味目なグレーのシャツに緑の短パンって言う、なんと言うか…地味すぎる格好だった。

早朝犬の散歩に行く人みたいな格好…。


「先輩に会うって分かってたらこんな服着てきませんでしたよ…。今は気にしないでください…」


「ふ〜ん。まぁ私も私だしな〜。で?なんで春奈がここにいるんだ?明日まで待てなくて私に会いにきたのか?」


「さっき違うって言いましたよね!?誠也が友達と遊ぶとか言って出て行ったのに携帯忘れてったんですよ…。それで届けに…」


「ふ〜ん。てっきり私に会いにきてくれたんだと思ったじゃん〜」


笑いながらそう言うと、春奈は少し照れたように顔を赤くして、目を逸らした。

この顔が春奈は一番可愛い気がする…。もっと照れさせたくなるような…そんな顔。

私がさらに笑みを深めると直感的に嫌な予感がしたのか、慌てて私にこう聞いてきた。


「先輩はなんでここにいるんですか?」


「ん〜。明日が待ちきれなくて春奈を攫いに行こうかなって?」


「何言ってるんですか…。真面目に答えてください!」


「そう言いながらちょっと照れてるじゃんか〜。本当は、明日の準備〜」


「明日の準備って口実で今日から泊まってとか言いませんよね!?」


すっかり駅の中ってことを忘れてるのか、少しだけ大きい声でそう言った春奈は瞬時にここがどこだか思い出したのか、口を押さえて恥ずかしそうにしていた。


あ〜そう言う口実作って昨日あたりに会いに行けば良かった…。勿体無い事したなぁ〜。


「なんでそんなに残念そうな顔してるんですか…」


「ん〜。昨日そう言う口実で会いに行けば良かったなって後悔してるとこ」


「すぐそう言うこと言う!私もういきますね!」


そう言うと、春奈は耳まで真っ赤にしながら改札の方へ歩いて行った。

はぁ…。心臓止まるかと思った…。急に声かけられて、それが彼女だったらビックリするって…。

しかも、相変わらず反応可愛いし。

本当に今日から泊まって欲しいって言っちゃうところだった…。


少し落ち着いて熱もだいぶ冷めてきたところでちょうど電車が来た。

電車の中は夏休みということもあってか座れなかった。


とりあえず、一番初めは本屋に寄って新刊のチェックからかな〜。


「無かったし…。なんでどこにも売ってないんだろ…」


大体予想はしてたけど、欲しい本は売ってなかった。

この前春奈と別の本屋に行った時も無かったからなんとなく分かってたけど…なんで無いの?


そんなに人気だっけあの漫画…。ただの百合漫画じゃ無かったっけ?


はぁ…。気を取り直して、次はプレゼントを買ったお店に受け取りに行かないと…。

一応言っとくと、指輪とかじゃ無いから。流石にそれを買うメンタルは私には無い。

っていうか、付き合ってまだ半月くらいなのに指輪を買える人なんているの?


その後また電車に乗ってお店に向かってプレゼントを受け取った。

最後のケーキは家の近くのケーキ屋さんに頼んだから、とりあえず今夜のご飯を適当に買って、それから受け取りに行くかな。


色々してたらいつの間にか18時近くになっていた。

まだあたりは夕焼けで明るいけど、明日もあるんだし早めに寝たい。

だけど結局、明日が楽しみすぎてベットに入ったのは23時頃だったのに、やっと眠れたのは1時前だった。

次回のお話は、8月8日の19時に更新します。


次回から誕生日会のお話になります。

最近この2人のお話が続いてるので、なんか色々まずいかなとも思ってます...笑

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