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第70話 誕生日会のお誘いとプレゼント

このお話でやっと70話です!

これからもお付き合いよろしくお願いします!

m(_ _)m





「春奈先輩の誕生日会ですか?」


「そうそう。これそうか?」


雫ちゃん達とプールに行った次の日の朝、私は鈴音先輩からの電話で起きた。

プールで色々あった後、美月ちゃんはなんでかいつもより優しくしてくれるようになったし、皐月ちゃんは雰囲気が変わったみたいに前より少しだけ怖くなった気がする。


皐月ちゃん何かあったのかな。電話越しの声も何だか少しいつもとは違う気がしたけど。ただ、なんとなくそんな感じがするってだけだから勘違いかもしれないけど。


それで今は、鈴音先輩から春奈先輩の誕生日が来週だから誕生日会をやりたいってお誘いの電話がきてる状態だった。

春奈先輩の誕生日は知らなかったけど、来週なんだ…。

多分文芸部の人は皆来るんだろうなぁ〜。雫ちゃんも多分行くだろうし…。


「はい。多分いけると思います!」


「そっか。じゃあ8月19日の昼頃に私の家に来てくれ。場所は後で送るから〜」


「分かりました」


「はいはい〜。じゃあな〜」


「ちょ!先輩本当にするんですか!?」


電話が切れる直前に、春奈先輩の声が聞こえたような気がするんですけど…。

まだ朝の9時なのに…え!?もう一緒にいるの!?


そういえば昨日、駅で一緒にいたところを見たけど、そのままどっちかの家に泊まったとか?まさかね…。


今日は特に予定が入ってたわけじゃない筈だから…久しぶりに1日寝て過ごそうかなぁ…。

昨日の夜遅くまで雫ちゃんや美月ちゃん、皐月ちゃんの4人で電話しながら話してたからまだ結構眠いし…。

そう思ってた矢先だった。雫ちゃんからどこか行かない?と誘いのメールが来たのは。


「紅葉ちゃん。今日暇なら一緒にどこか行かない?」


勿論断る訳もなく、すぐにオッケーの返事をした。

すぐに朝ごはんを食べて用意しようと下に降りると、お母さんが鼻歌を歌いながら台所で洗い物をしてるところだった。

なんでそんなに機嫌いいの…。ちょっと怖いんだけど。


「ん?別に〜?昨日の夜面白そうな話をたまたま聞いて機嫌が良いだけ〜」


「ちょっと!部屋の外で通話してるの聞かないでって前言ったよね!?」


「だからたまたまだって〜。お風呂入らない?って聞きに行こうとしたら話し声が聞こえてさ〜なんか面白そうだな〜って」


「面白そうじゃないでしょ!?勝手に聞かないでよもう!」


「はいはいごめんって。今度あのシュークリーム買って来てあげるから許して」


「ん〜!2つ買って!」


笑いながら分かったと言ってくれたお母さんは、その後サッと朝ごはんを作ってくれた。

目の前で今日はどこか行くの?って言われて、本当の事を言ったらまた何か言われそうだったから咄嗟に嘘をついて、先輩達と出かけて来ると言ってしまった。


なんだか嘘ついた事バレてそうなんだけど…。すっごい笑ってるし。


「雫ちゃんごめんね〜待った?」


「大丈夫。今来たところ」


丁度ご飯を食べ終わって1時間くらいした頃、家の前で待ってくれてた雫ちゃんと合流した。


やっぱり雫ちゃんも先輩の誕生日会に呼ばれたらしくて、そのときに渡す誕生日プレゼントを買いに行こうって事らしい。

正直何を渡したら良いか全然わかんなかったから雫ちゃんと一緒に買いに行けるのは安心…。


「ん?どうしたの?」


「え…あいや…紅葉ちゃんのお母さんがこっち見て笑ってるから…」


「え!?嘘!」


そう言われて今出て来た家の窓のところを見てみると、確かにニヤつきながら手を振ってるお母さんの姿があった。さっきついた嘘がバレた瞬間だった…。


絶対夜ご飯の時に何か言われる…。勝手に私が雫ちゃんのこと好きって思ってるから余計にめんどくさい…。雫ちゃんにそのことがバレたら恥ずかしくて今度からどうやって顔合わせれば良いかわからないんですけど…。


「ちょ!早く行こ!」


「え?あ…うん…」


その場から一刻も早く離れたくて、私は雫ちゃんの手を引いて足早に歩き出した。

昨日の夜遅くまで通話してくれて、昨日のプールでの件はだいぶ落ち着いて来た。

ずっと慰めてくれてたし…私が男の人苦手な理由も洗いざらい話したら、なんでだか安心してたけど…なんでだろう?


「そういえば、雫ちゃんはどこで先輩のプレゼント買うつもりなの?」


「ん〜。とりあえずモールに行って見てかな〜?私も何渡したら良いのか分からないから…電車の中で色々調べないとだけど」


「実は私もなんだよね…。先輩が貰って嬉しいものとか全然わかんないし…。あ!そういえばさ、先輩と電話してる時後ろで春奈先輩の声聞こえてこなかった?」


「うん…。聞こえて来た。誕生日会は鈴音先輩が無理やりやろうとしてて、春奈先輩はまんざらでもないけどちょっと恥ずかしい的な感じに聞こえた」


「そこまで分かるの…?っていうか、なんで朝早かったのにもう一緒に居たんだろうね?」


「一昨日から春奈先輩の家に泊まってるらしいわよ?聞いたらすんなり教えてくれた…」


まさかと思ってたのに…。しかも一昨日からって、2回一緒に寝たってこと!?え〜良いなぁ。

私も雫ちゃん達とお泊まり会とかして見たい…。

皐月ちゃんとか美月ちゃん、凛ちゃんも呼んで皆で夜中まで沢山喋ったり〜一緒に寝て起きたりとか楽しそう!


「いや…それはちょっと…。別に嫌じゃないけど、うーん…」


「そうかな〜?でも楽しそうじゃない!?」


そう言った私に、雫ちゃんは難しそうな顔をして考えた後、私に聞こえるか聞こえないか怪しいボリュームで、しかも結構早口で独り言とも愚痴とも言えるようなことを言い出した。


「2人だったら厳しいけど…かと言ってあの子も入って来るってなるとちょっと微妙な気もするし…。かと言って、皐月さんだけとか凛さんだけだと不自然極まりない…」


「雫ちゃん…?どうしたの?」


「え!?あ…いや、考え事してただけ。ごめんね。なんでもない」


そう言って苦笑した雫ちゃんは、駅に着くまでにその考え事をまとめようと必死になっているみたいだった。

結局まとまらなかったのかすごく悔しそうにしてたけど…。そんなに何を考えてたんだろう。

まぁ多分聞いても答えてくれないんだろうけど…。


「あ…やっぱりそうだよね〜」


「どうかしたの?」


電車の中で携帯を見ながらため息をついた雫ちゃんは、携帯を更にスライドしながらまたため息をつくということを繰り返していた。


夏休みだからなのか電車の中は凄く人がいて座れなかったから、私達はドア付近で立ちながら雫ちゃんは携帯で何か調べながら、私は流れていく外の景色を眺めながら過ごしていた。


「いや…誕生日にもらって嬉しいかったやつ〜。女子高生とかで調べて見たんだけどね?ほとんど化粧品とかだからどうしようかなって…。なんか私達が化粧品とかプレゼントしてもって感じじゃない?先輩が欲しいブランドとか全然知らないし、普段使ってるやつとかも知らないから…。かと言ってバックとか渡すのも違うじゃん?」


「あ〜なるほどね。この際、鈴音先輩が何上げるのか聞いてみるっていうのは?」


「一応聞いて見たんだけどね?秘密って教えてくれなかった」


「じゃあ…朱音先輩とかは?」


「それは聞いた気がする...。ちょっと待ってね?あ、朱音先輩はアルバムプレゼントするって〜」


なんでアルバムをプレゼントするのかは私には全然わかんないけど…雫ちゃんは分かるかな…。


「多分、2人って付き合ってるでしょ?思い出を残すために〜とかじゃない?春奈先輩より鈴音先輩が喜びそうなプレゼントだけど…」


「なるほどね〜!じゃあ私はさ、写真立てとかどう?アルバムとちょっと被るかもしれないけどさ、鈴音先輩と春奈先輩に2つ買って!」


「あ〜良いかもね。じゃあそうしようか」


思いつきでつい言っちゃったけど、雫ちゃんも賛成してくれたし、春奈先輩へのプレゼントは写真立てに決まった。

私も写真立てとか写真が飾れるボード?とか欲しいからなんとなく言っちゃったけど…意外と良かったらしい。


少ししていつものモールに到着した私達は、早速雑貨屋さんに向かった。


「げ…。結構高いね…」


そこで見つけた写真立ては思ってた以上に高かった。

5000円とか超えてるのあるんだけど…。写真立てってこんなに高いの!?ならアルバムってこれ以上するんじゃ…。

バイトとかしてない私達にはとても真似できない…。


「まぁ…こんな物じゃない?ほら。こっちのは結構安めだしそんな高いものじゃなくても大丈夫だと思うわよ?」


「う〜ん…。どれにしようか迷うね…。もう少しお金持ってくれば良かった…」


「そうね…。これとかどう?可愛くない?」


雫ちゃんが指差したのは、ピンクの花がフレームを囲うように散りばめられたやつで、可愛くてそんなに値段もしないやつだった。

これなら、今の手持ちでもなんとか買えるし、なにより可愛い。

即決で決めた私は、2つレジまで持って行き、綺麗にラッピングしてもらった。


「これからどうする?案外早く終わっちゃったけど…」


「あ、私見たい映画あるんだけど一緒に見ない!?」


「えっと…ちなみにどんな映画か聞いても良い?」


「確か、なんていう名前かは忘れちゃったけど、怖いやつ!」


そう言った瞬間、雫ちゃんの顔から一瞬笑顔が消えたような気がした。

もしかして…怖いの苦手なのかな。私は普通よりは行けるタイプだと思うけど…。

いやどうだろう…。中学生の時に入ったお化け屋敷で泣いたような気もする…。


「だっ…大丈夫。行こっか…」


「無理しないでも良いよ…?苦手なら別に…」


「大丈夫…。うん…大丈夫…」


自分に言い聞かせるように何度もなんどもそう言った雫ちゃんは、珍しく震えてて、なんだかちょっと可愛かった。

案の定、上映中に私の手を握って無理無理無理…って震えてたし。そんな姿もちょっとだけ可愛かった。


ちなみに、私も少しだけ怖かったけど、雫ちゃんが私以上に怖がってたからなんだか少しだけホッとした。

映画館から出た後の雫ちゃんは涙目で、しばらく震えていた。

次回のお話は8月5日の19時に投稿します。


読み返していて、いつの間にか変換ミスで

朱音(あかね)が茜になってました...。

多分全部直ってますので許してくださいm(_ _)m


これからもなにかおかしいと思ったところがあれば指摘お願いします。

感想等にも必ず返信するようにしてますのでどうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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