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第68話 先輩のわがまま

8月から投稿時間を21時から19時に変更します。

理由は別に無いので少し早くなるだけです笑


後、頑張ったら何とかなりそうだったのでこれからも3日に1話ペースで更新しますね!


今回も春奈ちゃん視点でのお話になります。

「春奈〜。早く〜」


「先輩…やっぱり止めませんか…?知り合いに見つかるとすっごい恥ずかしいですよ!?」


今私の家には鈴音先輩が来ている。先輩は昨日から泊まってたんだけど、なぜか今日起きたら制服を着て部屋でくつろいでいた。

先輩がうちに泊まるのも初めてだったのに、今日になっていきなり制服デートがしたいって…。


昨日は別に先輩がうちに泊まったってだけで何もなかったから!これほんとね!

少し残念っていうか...別に期待してた訳じゃないけど、変な事しないって言ってた通りになっちゃった...。


「え〜良いじゃん別に〜。いつもみたいに制服着てデートするだけだぞ?」


「普通の服じゃダメなんですか…」


「私もう直ぐ卒業なんだしさ〜良いじゃん〜」


「それ関係ありますか…?」


「制服気軽に着られなくなるじゃんか〜。ほら〜早く行こ〜」


私は渋々、いつも学校に行くときのように制服に袖を通し、鈴音先輩の提案を呑んだ。

知り合いに会ったりするとすっごい恥ずかしいから本当は嫌なんだけど…。


昨日はちょっと強引に同じベットで寝られて、あんまり寝られなかったからこんなに簡単に了承しちゃった可能性も…。

一晩中先輩の可愛い寝顔と私と同じシャンプーの香りがしてたんだもん…。寝れるわけないじゃん…。


「行きたいところあるんだよね〜。ほら」


そう笑顔で言いながら、もう当然のように恋人繋ぎで私の手を引いて歩く先輩は…多分ぐっすり眠れたんだろうなぁ…。

私はほとんど寝れなかったっていうのに…先輩だけずるい。


私、ずっと先輩に勝てないような気がするんだけど…気のせい?


「春奈は今のままの春奈が一番可愛いから良いじゃん。私に勝とうって頑張ってる春奈も可愛いけどな!」


「人前でそういうこと言うのやめてくれませんか!?」


「え〜?じゃあ人前じゃなかったら良いのか?」


「そう言う問題じゃないです!も〜!」


「そうそう。その顔が一番可愛いぞ!」


そう笑顔で言われると、私も強く反論ができない…。

私も先輩の笑った顔が一番好きだから…。それに、先輩に可愛いって言われるの…やっぱり嬉しいし。


私達が家を出たのは、朝の10時を少しだけ過ぎたあたりで取り敢えず朝ごはんを食べようって事になった。

私実質1・2時間しか寝れてないからすっごいお腹空いてるけど、先輩は…そうでもなさそう?


「なんだ春奈〜寝不足なのか〜?」


「誰のせいだと思ってるんですか…」


「いや〜私いつもより熟睡できたぞ?隣に春奈が居たからかな?」


「そう言うこと言うの本当にやめませんか!?昨日だって…先輩寝てるときなんて言ったか覚えてますか!?」


「ん〜。春奈大好きって言った」


「起きてたんですか!?ほんとにもー!」


「いや〜顔真っ赤にしてく春奈が可愛過ぎて抱きしめそうになった〜。今もちょっと赤いぞ?どした?」


そう言われて、とっさに私は先輩から顔を背けた。

あの時起きてたって事は…その後に私が言った言葉も…聞かれてた!?あ〜もう!恥ずかしくて死にそう…。


しかも、休日で人がかなり通ってる街中でこんな事を言ってるせいで何か凄い見られてる気がする…。


「あ!ここでなんか食べてこ〜」


「先輩…。なんかいつもよりテンション高くないですか…?」


「そうか?昨日春奈に好きって言われたからかな?」


「はい!入りますよ!」


私は焦って、先輩の背中を押してそのカフェの中に入った。

もう!この先輩ってなんで昔からそんな風に恥ずかしい事をサラッと言えるの!?

いや、昨日私があんなこと言っちゃったのが悪いんだけど!それでもじゃない!?


店内は休日だからかかなり混んでて、朝早いのに店員さんは凄く忙しそうだった。

思ったけど、こんな時間に制服姿で来るって完全に周りに察せられるよねこれ…。

そう思うと、急に恥ずかしさが今までの倍くらいに跳ね上がった。これも全部先輩のせいだ…。全部…。


「いや〜昨日は本当によく寝れたなぁ〜。まさか春奈があんなこと言ってくれるなんてなぁ〜!大好きですだって〜!」


「本当にやめてください…。死にたくなります…」


「本当に可愛いんだから〜!」


なんか…今までで一番ってくらい嬉しそうなんだけど…そんなにですか?

私だって…先輩の事は好きですし、先輩が私を好きって言う気持ちに負けないくらい好きって自覚ありますけど…先輩はその上に色々言ってくるから…。


大体、寝たふりなんてずるく無いですか!?私完全に寝てるって思ったからあんなに恥ずかしい事言ったのに!


「実際さ〜私もなかなか寝れなくてさ〜。春奈がずっと見つめてきてるから可愛いなぁ〜って思ってつい言っちゃったんだよね〜」


「ついであんなこと言わないでくださいよ…。それと、私が言った事は忘れてください…」


「やだね〜!一生忘れない!」


「も〜!本当にやめてください!」


「あ〜来たぞ〜」


私達の会話を聞いてたのか、パンケーキを持って来てくれた女性の店員さんは微笑ましそうに笑っていた。

あーもう…。今直ぐにでも帰りたい…。

先輩もさっきからニヤニヤ笑ってるし…。なんか、制服でデートしたいって言って来た時からずっと先輩の手の上で踊ってる気さえする。


「あ〜美味しかったな〜。あ、そう言えばこの近くに本屋があったはずだからさ、ちょっと寄っていいか?」


「この近くに本屋なんてありましたっけ?」


「確か二駅くらい行ったところにあったはず。まぁ、買いたいのが無かったらそのまま映画館にでも行こ〜」


「あの…せめてボウリングとかゲームセンターとかにしませんか…?映画館はちょっと…」


「ん?映画館だと何かまずいのか?」


この前一緒に映画見た時にいろんな事されたからまたされたら身が持たないんです!とはこんな所では言えなかった。

しかも、今日まで先輩はうちに泊まってくらしいし…。


映画館とかカラオケの密室に入ると何されるかわかんないし、夜まで私の身が持つかどうか本気で怪しい。

ただでさえ、今でも結構危ないのに…。


「じゃあ映画館行った後ゲーセン行って遊ぼ!」


「なんでそんなに笑ってるんですか…」


「ん〜?別に?」


私が映画館に行きたく無い理由絶対分かってるじゃん!そう言う顔してますけど先輩!

もう本当にやだ…!私何されるの…。少しだけ怖いんですけど。


そんな不安な気持ちでお店を出た私は、そのまま電車に揺られて先輩が行きたがってた本屋まで行った。


結局、買いたかった本っていうのは無かったらしくて、少しだけガッカリしてたけど、買いたかった本って言うのが百合の本だったらしく、私としてはなんとなく安心した。別に変な意味じゃなくてね?なんとなくだから。


「あ。紅葉と緑川じゃないか?あれ」


「え!?ちょ!どこですか!」


「ほらあそこ。仲良く隣に座ってるだろ?」


そう言われて電車の中を見回してみると、確かに紅葉と緑川が隣同士で座っていた。

さっきの駅から一緒に乗って来たのかな。それにしても、なんか仲よさそうだなぁ…。


先輩が面白がってくっつけようとしてるみたいだけど、なんとなくその気持ちがわかって来た気がした。


「あっちも私達のこと気付いてたりしてな〜」


「いやありえますって…。映画館って後何駅ですか…」


「ん〜。確か後5駅先だったっけ?」


「あの子達が気付かないうちにこの車両出ませんか…」


「え〜良いじゃんか。気付かれたら気付かれたで面白いし〜!」


「面白く無いです!あ…」


「少なくとも緑川は気付いてるっぽいな。もう遅いから諦めて大人しくしてなさい」


先輩さっきから笑いこらえるの必死じゃ無いですか…。何がそんなにおかしいんですか。

私は恥ずかしくて今にも逃げ出したい気分ですよ…。

夏休み明けあの子になんて説明したら良いの!?すっごい気まずいんですけど…。


「お〜あいつらも一緒の駅で降りるっぽいな〜」


「え…何しに行くんですかね…。行き先まで一緒だったら流石に時間ずらしませんか?」


「ん〜。多分駅前のカフェに行くかプールにでも行くんじゃ無いか?確か駅前にデートスポットで有名なカフェとでかいプールあっただろ?多分そっちに行くだろうから大丈夫だって〜」


そうは言っても、紅葉がまだ気付いてない可能性があると思った私は、紅葉に気付かれないように恥ずかしさも忘れて先輩の腕にしがみついて身を隠した。

駅を出るまでそんな感じで歩いてたけど、先輩の言う通り私達とは反対の方向に歩いて行った紅葉たちを見て一安心した私は、自分がしている事にようやく気がついた。

すでに遅かったらしく、離れようとしても離れられなかったけど…。


「急に大胆になったと思ったら〜映画館までこれで行こ〜。なんかちょっと嬉しい!」


「恥ずかしいので離してください…。っていうか、そんなにはしゃがないでください!」


「嬉しいんだからはしゃぐだろ〜。春奈可愛いぞ!」


歩きながらだけどそう言われて、もう私は映画館を出た頃にはもうダメになってる気がすると、なんとなく察していた。

今の時点でもうかなり暑いし、さっきから顔も真っ赤だと思う。


眠気なんて感じる暇もないくらい、というかいつも以上にテンションが高い先輩は、部室の時とは比べ物にならないくらいの勢いでからかってくるし私が恥ずかしくなるような事を平気で言う。

これで見る映画が恋愛映画だった時、多分私は夜まで持たないと思う。


「あ〜これこれ。春奈ってホラー系大丈夫だったよな?」


「得意じゃないですけど…本当に無理ってほどじゃないです。でも…本当にこれ見るんですか?結構怖いって有名ですよ?先輩怖いのどっちかって言うと苦手ですよね…?」


「そんな事ないぞ?横に春奈が居てくれたら多分大丈夫!」


「またそう言うこと言う…」


正直恋愛映画じゃなくホッとしたけど、なんでまた急にホラー映画なんだろう…。

学園祭とかのお化け屋敷とかでさえ結構怖がってた先輩がホラー映画なんて大丈夫かな…。ちょっとどころかすっごい不安だけど。


でも、私が一方的に何かされるとか、そんな展開にはならなそうで少しだけ安心した。


チケットを買ったり、先輩のおごりでポップコーンを買ったり、上映場所に入るまで元気だった先輩は、辺りが暗くなった瞬間に私の手を握って来た。しかも、少しだけ震えながら。こんな先輩も可愛いけど、本当に大丈夫かな…。

次回のお話は7月30日の21時に更新します。


次回のお話は私的に1番気に入ってる出来です!

特に後半部分ですけど...。

お楽しみにお待ちいただけると嬉しいですm(_ _)m


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