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第61話 夏休みの宿題

学校が休みになってたせいで3日に1回ペースが問題なかったことに今更気付きました...

もしかしたら戻るかもです。ごめんなさいm(_ _)m

「も〜嫌だ〜!休憩しよ!」


花火大会が終わって2日。美月ちゃんの提案で雫ちゃん、美月ちゃん、皐月ちゃん、凛ちゃん、そして私を含めた5人は今、私の部屋で夏休みの宿題とにらめっこしていた。


なんでも、夏休み最後の日に凛ちゃんがゲームの大会に出るから早めに宿題を終わらせようって事らしくて。


皐月ちゃん曰く、


「凛は近いうちにやっとかないと絶対宿題やるの忘れる。中学の時とか一回もまともにやった事ないんだぞ?夏休み明けて泣きつかれるのはもう嫌」


って事らしい。まぁ夏休み最後の日に一気にやっちゃう気持ちは分からなくもないけど…。


実際、私も小学生の時はお母さんに泣きついて夏休み最終日に手伝ってもらってたし。


「なぁ凛。さっきも休憩したよな?あれから何分経ってる?」


「だって!ずっとこんな事してたら帰って頭悪くなっちゃうじゃん!大体、夏休みでしょ!?なんで休みなのに宿題が出てるの!?おかしくない!?休めないじゃん!」


「屁理屈言うな〜!良いから早く座れ」


「も〜やだ…」


そう言うと、力尽きたみたいに凛ちゃんは私のベットに倒れこんだ。

雫ちゃんと美月ちゃんは苦笑いだったけど、皐月ちゃんはちょっと呆れていた。


「ごめんな紅葉。あの子、ああなるともうダメだからしばらくベット借りるな?」


「うん。それは全然良いんだけど…まだ宿題初めて30分位しか経ってないけど凛ちゃん大丈夫?」


「大丈夫じゃない…」


「あんたは黙ってな。まぁしばらく休ませたらきっちりやらせるから大丈夫」


その言葉を聞いた凛ちゃんは、なぜか泣きそうな顔になって枕に顔を埋めてしまった。

私も思わず苦笑しちゃったけど、その後の宿題は雫ちゃんと美月ちゃんに教わりながらやってるせいか、スイスイ進んで行った。


やっと宿題の4分の1が終わったあたりで、もう一回休憩を挟むことになった。

凛ちゃんはいつの間にか、私のベットで気持ち良さそうに寝てたけど…少しして皐月ちゃんに叩き起こされていた。


私がよくお母さんにやられてるみたいな感じで…。


「よし凛。教えてやるから20ページとりあえずやりな。ずいぶん気持ち良さそうに寝てたから休憩無しで行けるよな?」


「ね...ねぇ皐月。今度パンケーキか何か奢るから今日は許してくれない?」


「はぁ...。許すわけないだろ?なに物で釣ろうとしてんだよ…」


「紅葉ちゃん…お願い…」


私が苦笑しながらも目をそらすと、直ぐに泣き声?嗚咽?が聞こえてきた。

雫ちゃんも美月ちゃんも私と同じようにしてたから...凛ちゃん頑張れ!


涙目の凛ちゃんが宿題を始める頃、私たち3人は逃げるように下のリビングに降りた。

今日はお母さんが勝手に色々察してお父さんと一緒に出かけてるから、家には私たち5人だけになっていた。


「そういえば、紅葉ちゃんのお母さんには会ったことあるけどお父さんには会ったこと無いよね?」


「あ〜私も低学年の時以来だったから顔とか全然覚えてなかったんだよね。まぁあと一月の辛抱だから…」


「辛抱って…。まぁお母さんの方が好きなのはわかるけど…」


「久しぶりに会ったからってはしゃぐのとか普通にキツイよ。お母さんと2人の方が100倍マシ」


雫ちゃんはうんうんってうなづいてくれてたけど、美月ちゃんは他の所を見てたらしくて、話は聞いてなかったらしい。


美月ちゃんが見てたのは、私が中学生だった頃の写真だった。

お母さんが可愛いからって冷蔵庫に何枚も貼り付けてるやつ。


私自身は恥ずかしいからやめてって言ってるんだけど…。しかも、ほとんど友達とのツーショットなのがなんとも言えない…。


全部同じ人と写ってるのは、友達が凄く少なかった為で…。確か何人いたっけ。

両手で数えられるくらい?今も連絡とってる人は片手で足りるようになっちゃうけど…。


「その写真がどうかしたの?」


「あ…いや。中学生の時の紅葉ちゃんでしょ?これ」


「うん!そうだよ。隣にいるのはちょっとの間だけ一緒に遊んでた友達。多分この時が一番楽しかったなぁ〜」


「へ…へ〜。それって、修学旅行とかより楽しかったってこと?」


「うん!ていうか、修学旅行は同じ班に話したことある人がいなかったからあんまり楽しくなかった記憶があるかな〜」


「そうなんだ〜」


なんでか嬉しそうに笑った美月ちゃんは、皐月ちゃんが終わったって呼びに来るまでずっとご機嫌だった。

なんでご機嫌だったのかは分かんないけど…。


そう言えば夏祭りの帰り道、私は雫ちゃんに運ばれて?帰ってきたらしい。

正直、花火を見てた途中からすごい眠気に襲われて帰り道の記憶が全然無い。


翌日すごい興奮しながらお母さんが事情を聞きにきた時は何事!?って思ったし。


「そう言えば、お祭りの帰り道…。ごめんね。なんか私寝ちゃったみたいで」


「あ〜ううん。大丈夫。あのさ...先輩達のあれは見た?」


「あれって?何かあったの?」


「いや〜?なにも!?何にもなかったよ!うんほんと!」


顔を赤くしながら、なぜか棒読み気味にそう言った雫ちゃんはそのあとその件については何も教えてくれなかった。

流石の私でも、何かがあったんだろうなぁ〜くらいはわかるけど…何があったかまでは分からなかった。


上に戻った私達が最初に見た光景は、凛ちゃんが私のベットの上でうつ伏せになりながら泣いてる所だった。


何があったかは何と無く想像できるけど…大変だったね凛ちゃん…。お疲れ様。


時間は…大体30分くらいだったけど、1時間近くやってやっと20ページ終わらせた私達と違って、半分の時間で追いつくってどゆこと。


私たちがまた宿題を再開した頃には、凛ちゃんはベットで寝息を立てていた。よっぽど疲れたらしい。


「まぁ…あの子今日はもう無理だろうからほっといていいよ」


「皐月…。あんた何したの?」


「ん?30分以内で出来たら好きなゲーム買ってあげるって言ったら急にやる気出してさ。でも間に合わなかったから無しな。って言ったらああなった」


「はぁ…。やる気の出し方が上手いのか下手なのか…」


「凛のお兄さんにもよろしくって言われたしな。一応お兄さんにゲームの話はしといたけど…」


「結局買ってあげるんだ」


「まぁ…良いかなって。今日は珍しく頑張ったしな」


皐月ちゃんって…もしかして凄いツンデレ?

なんか、前に雫ちゃんに貸してもらった本の中にこういう感じの子が出てた気がする。

その子が確か、ツンデレって呼ばれてたような気がする。


「皐月の場合、ツンデレっていうよりツンの部分が強すぎてデレが伝わらないタイプのツンデレかな?」


「どゆこと?」


「えっとね〜普段厳しすぎて、本当はすごく優しいのにその部分に気付かれないって感じ?」


「別に私は優しく無いってば…」


「はいはい〜」


「本当に…優しくは…」


私と美月ちゃんは苦笑いをして、雫ちゃんは何か考えてるみたいだったけど、多分みんな考えてる事は一緒だと思う。


皐月ちゃんは、普段の厳しい感じからは想像もつかないような優しい子だって。

まぁ本人は全然納得してないけど...。


その後私達は、更に宿題を進めて半分は終わらせてしまった。

後残ってるめんどくさいのって言ったら自由研究とか作文だけど。


そこまで一気にしても仕方ないって美月ちゃんが言ったことで、今日の勉強会は終わりになった。次回は1週間後。今度は図書館でやろうという事になった。


雫ちゃんの家に行って見たかった私としては残念だけど…図書館なら凛も騒げないから。っていう皐月ちゃんの意見があっては仕方ない。

来週にはレポートの方を全部終わらせる予定らしい。


「あそう言えば美月がな?予定が合う時でいいから皆でプール行きたいって言ってたぞ?」


「は!?ちょ!皐月!」


「あー私も行きたい!雫ちゃんは?」


「私は…来週はちょっと厳しいから行くなら今週末か再来週になるかな」


「よし。凛も今月末に大会あるらしいからどうせレポート終わったらゲーム三昧だろうし、プールは今週末って事で良いか?」


私と雫ちゃんはうなづいて了解の意を示した。

美月ちゃんは顔を赤くしながら黙ってたけど…。


「ほら凛起きろ。帰るぞ」


「ん〜。後五分待って…」


「良い加減にしろ」


そういうと、気持ち良さそうに寝てる凛ちゃんの頭に皐月ちゃんのチョップが入って、少しだけ涙を流しながら凛ちゃんが起きた。


相変わらずだなぁ〜って思いながら見てると、美月ちゃんがなぜか羨ましそうに凛ちゃんを見てる事に気がついた。どうしたんだろう…


「じゃあ、お邪魔したな。また日曜な〜」


「またね〜」


「紅葉ちゃんまたね」


「ベットありがと〜。痛!なに!?」


「頭に虫いたから」


「あはは…。じゃあね紅葉ちゃん!」


最後の凛ちゃんは…いい意味でいつも通りだったなぁ〜。

そう思いながら、私はさっきまで勉強していた自分の部屋に戻り、そのままベットに身を投げた。


微かに凛ちゃんの匂いがして、友達があんまりいなかった私は少しだけ嬉しくなりながら目を閉じた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


駅で緑川さんと別れた後、私は眠そうな凛を無視して、皐月にプールの件を話した。


紅葉ちゃんと行きたかったのは事実だけど、皐月に言った覚えはなかったし、私は行けなかったら行けなかったで仕方がないとさえ思っていたからだ。


「別に良いだろ?私も美月と行きたかったしちょうど良いじゃん」


「それはそうだけどさ…」


「そう言えば、なんで私が呼びに言った時ニヤついてたんだ?」


「あ!そうそう!中学の時に紅葉ちゃんと遊んでた時の写真が飾られててさ!しかも!修学旅行なんかよりあの時の方が楽しかったって言ってくれたの!それが嬉しくってさ!」


「そっか…。良かったな…」


今思い出しても嬉しくなる。

しかも、私も同じ写真を部屋に飾ってある事が余計に嬉しさを増加させるている気さえする。


それから家に帰るまで、私はずっと昔の事を思い出しながら笑っていた。

次回のお話は7月9日の21時に更新します。


章管理というものをやろうとしてやり方が全くわからなかったので断念しましたはい...


今頃になって誰目線の話かなんて読んだらわかるのでは...と思い入れませんでしたがどうでしょう。

特に意見等が無ければ今後入れませんのでお願いしますm(_ _)m

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