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第131話 出した答え

美月ちゃんがお見舞いに来て色々と話してくれた翌日、私は1日考えたいことがあるとお母さんを説得して学校を休んだ。


そもそもの話、私はお母さんに2人から告白されたなんて一言も言ってない。

だけど、すべての状況を察しているかのように、最近のお母さんはずっとニヤニヤしている。


本当にやめてほしいけど、美月ちゃんが来た時は大人しくしてくれてたから…最低限の配慮はしてくれているらしい。


「で…なんでお母さんも仕事休んでるの!?」


「だって〜なんだか面白そうだしさ〜!」


「それで仕事休むのはどうかと思うけどなぁ〜!?」


「いいのいいの!お母さんの仕事なんていくらでも変え効くんだから〜」


「お母さんさ、前に弁護士とか言ってなかった?変え効くって無理あるでしょ…」


私のお母さんのことは置いておいて…告白された件をどうするか考えないと…。

自分なりに真剣に一晩考えて結論は出てるんだけど…なにせこういう経験って初めてだから自身が持てない。


2人から告白されて、もう1人の方はどうなっちゃうんだろうとか…色々変に考えてしまう。


というより、どっちと付き合うことになったとしても、その先どうすれば良いのかなんて分かんないし…。

そもそも、付き合うって何?って問題が…。


「ねぇお母さん…付き合うって何?」


「え〜?何急に〜」


「どうせいるんなら…一応相談してみようかなって」


「そうね〜。難しいけど、お母さんが思うに、好きな相手を取られないようにするための手段?かな」


「なにそれ…。どういうこと?」


「なんて言ったら良いかな〜。ほら、友達関係のままだと他の人が横入りしてくる可能性があるでしょ?付き合ってたら…まぁ例外を除いてそういうことにはならないから。極論、付き合っている相手を自分のものですよ〜!って皆にアピールするみたいな感じ?」


なぜかドヤ顔でそう言って来たお母さんは、私の微妙そうな反応を見て苦笑していた。

私別に、そういうことを聞いてるんじゃないんだよね…。


付き合って恋人関係になるのは良いとして、それって友達関係とどう違うのかが聞きたいんだよね。

2人でどこかに行くとしても、それ友達で良くないってならない?


「ん〜。確かに、あなたにはまだそういうのは早いかもね。でも、恋人同士の方が友達関係より良いこと多いよ?」


「例えば?」


「ほら、おおっぴらにイチャつけるとか〜。その他にも…色々あるのよ」


「なにそれ…」


「ん〜。そういう事はお母さんより、相手の子に任せようかな!とにかく、あなたの事を好きだと言ってくれる人がいるなら、あなたが色々分かってくるまでその人に任せれば良いと思うよ?」


「それで、本当にいいのかな…」


何も分からないのに付き合うって返事をするのは、なんだか相手に失礼なような気もするんだよね…。


それに私の場合は、中途半端に答えを出すと傷付けてしまう人が普通より多い。

だから余計に慎重になりたい…。


あの2人なら…確かに少しくらい私がやらかしちゃっても許してくれそうだけど、そんなに甘えてばっかりじゃダメな気もするの。

それに、お母さんがなんで全部話してくれないのか気になるけど、今の所恋人関係と友達関係の違いが…。


「あなたは話を難しく考えすぎてるのよ。そりゃ、初めから全てを知ってる子なんていないの。知らないうちは知ってる人に全部丸投げでも良いの。分かるようになるまでおんぶに抱っこでも、向こうから好意を向けて来てくれるんだから問題ないって!」


「お母さんは軽すぎるんだよ…。それで嫌われちゃったら…あれじゃん」


「分からないなりに頑張ってたらそんなこと起こらないって。好きな人が自分のために頑張ってくれてる姿みて、嫌いになる人なんているわけ無いでしょ?それに、あなたの周りにはそんな人はいないと思うよ?」


「そうかも…しれないけどさ〜!」


「告白して来てるって事は、仮にもあなたのそういう部分も知ってるはずでしょ?それ覚悟で告白して来てるんじゃ無い?相手あの子達でしょ?」


「いやそうだけど…って!何言わせてるの!?」


私が顔を真っ赤にして怒ると、お母さんはしたり顔で笑っていた。

どさくさに紛れて告白して来たのが雫ちゃん、あともう1人いるって事ばれたし…。


雫ちゃんだけなら、あの子っていうはずだし…。

それにしても…なんでこんな変なところで頭使ってくるんだろう…。


私ただ相談してるだけだよね!?墓穴掘ってる気がするんだけど…。


「まぁ〜あの子達なら大丈夫じゃない?あなたがどっちを選ぶのかまではお母さん関与しないけど、どっちを選んだとしてもお母さんは応援してあげる!」


「何言ってんのほんと…」


「昨日来た子も可愛かったし〜、雫ちゃんもあなたの事これでもかってくらい大好きじゃない〜!両手に華よねぇ〜!」


「寝る!」


「え〜?まだ10時よ?さっき起きて来たばっかりじゃない〜」


「寝るもん!」


耳まで真っ赤にしながら階段を上った私は、勢いよく自室のドアを閉めた。


なんでああいうさ!平気で恥ずかしくなることが言えるの!?おかしくない!?


しかも、付き合うことの理由がよく分からない私にとって、より好きな方と付き合ったとするじゃん?

それで何か変わるのかって話だよね…。何も変わらないんじゃない?


仮に雫ちゃんと付き合うことになったとしても、美月ちゃんとは今まで通り遊びたいし、その反対も同じだよ?

それって…付き合うとかの意味あるの?


かといって2人と付き合わないっていうのも…なんか違うでしょ?

好きかどうかで言えば好きだし、告白されて嬉しかったもん!


「も〜!どうすれば良いっていうの!」


分かりやすく葛藤を初めて1時間、答えは唐突に浮かんで来た。

小学生の頃、難しい問題を解けた!みたいなスッキリ感がある!


これしかないって感じがどんどんと湧いて来てる!

決め手は、さっきのお母さんの言葉と先輩の言葉だけど、多分この考え方で間違ってないと思う。


これなら、分からないからなんとなく選んだとかじゃなく、ちゃんと理由付けができる。

昨日一晩考えたのは、今思い付いた答えと比べると、どうしても無理矢理感があったし…もうこれしかない。


ちょうど今日は金曜日だし、日曜日にお出かけに誘って、その時に私からちゃんと告白しよう。

告白してくれたし、私からもちゃんと好きだって伝えよう。


そう考え、まだ授業中なのもお構いなしにメッセージを送って、無事に約束を取り付けることができた。


ちょっと緊張するけれど、自分なりに納得のいく答えが出たから、今はそれを心の支えに頑張ろう…。

次回のお話は2月3日の0時に更新します。


テストほんとまずいです。どうしましょう...

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