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第105話 文化祭1日目 第3部

今回のお話は、美月ちゃん視点でのお話になります。

皐月と1日ずっと文化祭を楽しんだ後、私は朝紅葉ちゃん達と別れた場所まで来ていた。

待ち合わせ時間は16時だけど、後10分もすれば約束の時間になる。


紅葉ちゃんだけなら、時間通りに来てくれるか怪しいけど、緑川さんも一緒だからそこは大丈夫だと思う。

なんか、今日は緑川さんがいつも以上に張り合って来たのが少し気になったけれど…。


今日の皐月と回った文化祭も結構楽しかったし、明日は紅葉ちゃんと一日中一緒に居られるんだから。

しかもしかも!今日はうちに泊まってくれるって!最高以外の何物でもないじゃんね!


「あ〜美月ちゃん〜お待たせ〜」


そんなことを考えていると、中庭の方から紅葉ちゃんと緑川さんが歩いて来てるのが見えた。


手を繋いでるのがちょっとモヤっとするけど…手を振りながら歩いてる紅葉ちゃんが可愛いから許すことにする。

しかも、手を繋いでるせいで、紅葉ちゃんが幼く見えて余計に可愛いっていう…。


緑川さんは分かってやってるのか、それとも自然とそうなっているのか…。

分かってやってるなら、敵ながらあっぱれと言える。可愛い…。


「大丈夫。楽しかった?紅葉ちゃん」


「うん!とっても楽しかったよ!」


「そう。良かったね!」


満面の笑みでそう言われると、なんだかこっちも嬉しくなる。

緑川さんも楽しかったのか、いつもより表情が柔らかい気がする。


皐月も、一見するといつも通りだったけれど、どこか表情が硬いっていうか。

なんかこの間までは、しきりにベタベタ?してきてたのに、今日は全くと言っていいほどして来なかった。


ちょっと身構えてたんだけど…。1人で勝手にそんなこと思ってたなんて、ちょっぴり恥ずかしい。


「ねぇ美月さん。ちょっといい?」


「ん?なに?」


「ちょっと紅葉ちゃんはここで待っててくれる?絶対動かないでね?すぐ戻るから」


「分かった〜!」


緑川さんはそういうと、紅葉ちゃんを校内に残し、私と中庭に出た。

なんか、今朝任せたうちのクラスの店に大量のお客さんの列が出来てる気がするんだけど…。気のせい?


「さっき紅葉ちゃんと食べて来たんだけど、信じられないくらい美味しかったよ…」


「言葉の内容と顔が一致してないのはなんで…?」


「だって、皆で1回確認で作ったでしょ?あの時より数段美味しくなってるんだもん…。意味わかんない…」


「そうなんだ…。じゃあ明日食べてみようかな…。で?私をここに呼び出した要件って?」


緑川さんは、私たちのクラスのお店を見て、もう一度深くため息をついた後、本題について話し始めた。

どうせ明日のことか、この後のお泊まりについてだろうけど…。


「あなたは大丈夫だと思うけど、紅葉ちゃんに変なことしないわよね?」


「…。する訳ないでしょ!?ばっかじゃない!?」


「私も別にするとは思ってないわよ!確認じゃない!」


「いきなりなんてこと聞くの!?ビックリしたんだけど!」


「良いでしょ!心配なんだから!」


この人は、紅葉ちゃんの保護者にでもなったつもりなのか…。

お互い耳まで真っ赤にしてなんでこんなこと言い合ってるんだろう…。


私達は、当然お互いが紅葉ちゃんに好意をもっていることは知ってるから、心配なのはわかるけど!


いきなりガッツリイメチェンしておいて、変なことしない?なんて聞かないでほしいよね!


すでに変なことして、紅葉ちゃんの気を引いてる人に言われたくないんですけど!

なに!?この人ってもしかして天然だったりするの!?


「とにかく!別に変なことはしないから!」


「ならいい…。私は泊まりに行かないから、貸しってことにしてくれる?あなたにとっても、私にとっても、このお泊まりはメリットとデメリットがある。なら、私が今回は我慢するから、貸し一個」


「…そう言ってくる事自体は予想してたの。まぁ、正直泊まりに来ても問題は無いけど…助かるのは事実だし。分かった。この件は貸しにしといてあげる」


そう言ってこの話し合いはとりあえず終わった。

退屈そうに校内で待っていた紅葉ちゃんと合流し、そこで緑川さんとは別れた。


文化祭は3日目以外は17時までやってるけど、あんまり長くいると、めんどくさいことになりかねない。


私はともかく、紅葉ちゃんには夏休みのプールで似たようなことがあったし、私1人だと、また助けられるか怪しい。


守ってあげないととは思っているけど、いざ男の人を前にすると何も出来なくなる可能性もあるから。

しかも、この学校の男子も、まぁまぁ頭の悪い人がいるし…早く避難することに越したことはない。


「ねぇ紅葉ちゃん。今日はどこを回ったの?」


「ん〜最初は春奈先輩のクラスのメイド喫茶に行って〜その後は沙織ちゃんのクラスで射撃とかやって〜どこかのクラスでわたあめ買って貰って…」


楽しそうに今日のことを話しながら歩いている紅葉ちゃんはとても可愛くて、普段は電車で帰る道も、サラッと歩いて帰ったのにあっという間に着いた気がした。

実際には30分くらい歩いてたんだけどね…。


萩にはまだ言ってないけど、今日は部活で遅くなるって言ってたし…まぁ大丈夫でしょ。

明日には葉月ちゃんと文化祭に来るって言ってたし、向こうに泊まるとか言い出すかもしれない。


泊まること自体は良いけど、葉月ちゃんに言って姉の皐月に言わないで突然来るって前に苦情入ったんだよね…。

そのことだけはちゃんと言っとかないと…。


「お邪魔します…」


「ど〜ぞ〜。どうせまだ誰も帰ってないから楽にしてね〜」


「は〜い」


あれ?そういえば、急に泊まるって決まったから、着替えとか紅葉ちゃんどうするんだろう…。


私の服は最悪貸せるけど…ちょっと大きいかも知れない。

私の方が、身長とか色々大きいし…。


「あ!そう言えば着替えとかどうしよう!私今制服だった!」


「…私ので良ければ貸そうか?」


「あ〜ごめんね!ありがとう!」


本当に、中学の頃はもう少ししっかりしてたんだけどなぁ…。

中学の頃も当然、紅葉ちゃんの家に泊まったことなんてないけどさ…。


少し早いけれど、紅葉ちゃんにはお風呂に入って貰うついでに部屋着に着替えて貰うことにした。


その間に、私は制服から部屋着に着替えて、両親が帰ってくる前に夕食の準備をする。

なぜか分からないけど、毎回私が夕食を作り終えないとあの人達帰ってこないし!


家に帰り着いてから20分後、紅葉ちゃんがシャワーから出て来て私の予備の部屋着を着て来たときは…もう倒れそうになったね!


好きな人が、自分の部屋着をぶかぶかだけど着てくれてる光景なんて…危ない人みたいだけど嬉しいじゃん!


私が中学の頃に着てた部屋着を引っ張り出して着て貰ったんだけど…。

真ん中にオバケが描いてある、普通のシャツ。


「どう…かな…?」


「可愛い!もうすごく可愛い!」


ぶかぶかのちょっとバカっぽいシャツと、シャワー上がりで濡れた髪、少し俯きながら聞いて来る紅葉ちゃん。

なにこのすごい光景…。写真に収めたいんだけど…。可愛い…


しかも、お風呂上がりだからか少しだけ色っぽい?のポイント高いの!

寝たふりして…後で写真撮ろっかなほんとに…。


その後、予想通り夕食を作り終えたタイミングで両親が帰宅して、紅葉ちゃんのことはさっき伝えたので了承してくれている。


萩は予想通り、皐月の家に泊まると連絡が来た...。どんだけ葉月ちゃん好きなのよ...。

両親には、さすがに私が紅葉ちゃんを好きなのは隠している。色々言われるの面倒だし。


紅葉ちゃんのリクエストでオムライスを作ったけど…美味しそうに食べてる紅葉ちゃんもさ!もうすっごい可愛いの!

もう明日死んでも悔いはないってくらい可愛い…。


夜は、こっそり写真を取ろうとしてたことがバレたのか、私がいつも寝てるベッドで一緒に寝ることになった。


もちろん、私は一睡も出来ずに一晩中紅葉ちゃんの寝顔を見て過ごすことになった…。

次回のお話は11月18日の0時に更新します。


今回バッサリカットした雫ちゃんと紅葉ちゃんのデートですが、先輩達の方でしっかり書きます。


あんまり長くなるのもあれなので、1日3部構成にしようかなぁ〜と|ू•ω•)チラッ

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