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第103話 文化祭1日目 第1部

文化祭が始まるまでも長ったらしくやってたのに、文化祭が始まっても長ったらしくやります。


なんかごめんなさいm(_ _)m

雫ちゃんと霜月さんの言い合いが一通り割った後、雫ちゃんが昨日休んだ件で霜月さんと話し始めてしまった。


ちなみに、なんで昨日休んだのかを学校に着く前に聞いて見たところ、普通に体調を崩しちゃったらしい。


2人が話している間に私と美月ちゃんは、文化祭のパンフレットを探しに中庭から校内に戻っていた。


別に私1人でも探しに行けるのに、雫ちゃんも美月ちゃんも、学校とは言え1人には出来ないと…。


いくら私でも、学校で迷子になるなんてことはないって…。

どれだけ信用ないんだろう私…。


「仕方ないじゃん。前歴がこれでもかってくらいあるんだし〜」


「もうこの学校に来て半年は経つんだよ!?そんなに心配なの!?」


「移動教室の時、毎回後ろを歩いてる私や皐月に、『こっちで合ってるよね!?』みたいな顔むけて来てるのは誰かな?」


「あ〜いや…それは〜」


実を言うと、あんまり行くことがない家庭科室とか、音楽室は…場所をはっきりと覚えてない。


家庭科室はまだ数回しか行ったことないし、音楽室に至っては1回くらいしか行ったことがない。


その他の教室は…多分大丈夫だと思う。

しかも、最悪道に迷っても、いつもの教室に行ってから昇降口まで降りてくれば良いし!


「迷う前提で考えることがそもそもおかしいの…。分かる?」


「そんなこと言われても…」


「ねぇ。本当に中学生の頃はここまで酷くなかったよね?何があったの?」


「ん〜!中学生の頃に比べると、勉強ができなくなっちゃったのが原因かも!?」


自分で言うのもあれだけど、去年まではそこそこだけど頭も良かったの!

それでもテストだと学年で真ん中くらいだったけど!


それでも、テストで赤点ギリギリなんてとったことなかったの!

だけど、高校生になって急に勉強が難しくなって…頭がこんがらがってるのかもしれない。


「…多分それは関係ないんじゃないかな?」


「うっそ!え…じゃあなんでだろ…」


「まさかとは思うけど、前は私について来てたから誤魔化せてただけとか言わないよね?」


「あ〜その可能性がーー」


「ドヤ顔しないの〜!はぁ…」


そう言いながら私の頬を摘んだ美月ちゃんは、そのまま大きなため息をついた。

そんなにため息ついてると…幸せが逃げちゃうんだよ?


でも、実際美月ちゃんのおかげで誤魔化せてたって可能性は…否定出来ないんだよね〜。

だって、他に遊ぶ友達なんてほぼいなかったから、学校に行く以外で外に出ることなんて無くなったし。


「しっかりしてよも〜。はい行くよ?しっかり手握って!」


「ふぁい…」


美月ちゃんに半ば無理やり手を握らされて、そのまま校内を歩く。

別に嫌じゃないけど…ここまで信用がないと、少し悲しい。


結局、パンフレットは職員室の前にズラッと並べられていた。

雫ちゃんの分と合わせて3枚貰って、中庭に戻ると、既に話は終わったらしく、雫ちゃんが1人で暇そうに待っていた。


そんな雫ちゃんも、なんでか私達を見た瞬間、すごい勢いで走って来たけど…。

そして、私がパンフレットを渡すと、右手に持っていた私の分まで雫ちゃんが持って、代わりに私の右手を握って来た。


「え!?どしたの雫ちゃん…」


「良いでしょ!十分2人の時間を楽しんだもんね〜!」


「昨日休んだせいでしょ?自分のせいじゃない…」


「え!?なになに?なんのこと?」


『紅葉ちゃんは知らなくて良いの〜』


今、私の隣には、すごい顔でお互いを見ている美月ちゃんと雫ちゃんが…。

おまけに私の手を握って…。


なんだか恥ずかしいんだけど…。

それに、なんか始めにここに来た時より険悪なムードになってるのはなんで!?


「そ…そういえば!霜月さん達は?」


なんとかこの空気を変えたくて、私から雫ちゃんに話を振ってみる。

なんか…今にも喧嘩が始まっちゃいそうな展開なんだけど…!


「千夏さんのお母さんがお店の手伝いに来てくれるらしいから、お迎えに行ったわよ。私達の出番は無いかもって〜」


「そう〜。楽できそうで良かったね〜」


「そうね〜!」


その空気は…私の努力も虚しく変えることは出来なくて、そのままお店のテントについてしまった。


まだ文化祭が始まるまで10分はあるけど…どうしようこの空気…。


とりあえず、なんとなく雫ちゃんから返して貰った文化祭のパンフレットに目を通してみる。


お店の中には当然座る場所もあるけど…やっぱり私を真ん中に両隣に雫ちゃん達がお互いを睨み合う?感じで座ってる。


なんだか…すっごく気まずいんですけど。

本当に私何かしちゃったかな…。


「あ、春奈先輩達のクラスはメイド喫茶なんだ〜!見て見て雫ちゃん!ここ行って見たく無い?」


「メイド喫茶って…。男子は何するんだろう…。女の子がメイドさんなのは分かるけど…」


「料理とかかなぁ〜?」


「そこは私たちと同じように、料理がある程度できる女の子がすると思うんだよね…。私たちと同じで、男子とは別なのか…」


う〜ん…。私と話してる時は普通なんだ…。

じゃあ…美月ちゃんはどうだろう。さっき校内にいた時はすごい色々言われたけど…別に怒ってる感じじゃなかったし…。


「美月ちゃんはどこか気になるところとかあった〜?」


「私は〜結奈先輩のクラスがやってる、お化け屋敷がちょっと気になるかなぁ〜」


「お化け…」


「明日一緒に行こうね〜!」


満面の笑みでそういう美月ちゃんが…なんだかすごく怖く見える。

私がお化け苦手なの知ってるはずなのに…!


この前の映画の時は、横で雫ちゃんがずっと震えてたし、それが可愛くて大丈夫だったってだけなのに!

本当に私お化けとか無理なのに!


「それにしても!メイド喫茶って、どう考えても鈴音先輩が喜びそうよね…」


「あ〜それは思った!なんか、何回も通いそう!」


「それで、その度にしつこく写真とか求めるんでしょうね!絶対そう!」


「失礼な後輩だな〜!私がそんなことすると思ってるのか?」


急に目の前からそんな声が聞こえて、思わず前を見てみると、そこには私服姿の鈴音先輩がいた。


私達は当然制服だけど、お店を出さない3年生だけは私服が許可されてるらしい。


白いシャツとブラウンのプリッツスカート、灰色のジャケットに袖を通さずに上手に着こなしてるからか、いつもより数段大人に見える。


しかも、首にはネックレスかな?そんな物もつけてる。


っていうか、なんでこんなところに先輩がいるの!?

春奈先輩の教室なら分かるけど、なんでここに!?


「今日は絶対来ないでって言われてるから、急に行って驚かそうかな〜って!それにしても…酷い言い草だったな。さっき」


「…じゃあ遠慮なく聞きますけど、絶対はしゃぎますよね!?写真せがみますよね!?」


「当然じゃん!春奈のメイド姿なんて、可愛く無いわけがないもん!流石にお客さんの前だとダメだろうけど、終わった後に沢山撮るから!」


さっきの美月ちゃんみたいに満面の笑みでそう行った鈴音先輩に、聞いた雫ちゃんの方がうんざりしてるみたいだった。


というか、春奈先輩に普通に怒られそうだけど大丈夫なのかな…。

恥ずかしくて仕事にならないとか…普通にありそうなんだけど。


私は着けないけど、雫ちゃん達はエプロン姿になるらしいし、その時に写真撮りたいって言ったけど…却下されたし。


その感覚と同じなんじゃないかな…。

まぁ私も、後でこっそり撮るか、無理やり撮らせてもらうけど!


「まぁ、春奈には文化祭が終わるまで色々無茶言う予定だから、今日はそこまで無理しないようにする〜!」


「そんな顔で言われても信じられませんし、色々無茶言う予定って…何する気ですか…」


「ん〜!例えば、今日明日はうちに泊まって貰うとか?」


「帰ってもらっていいですか!?紅葉ちゃんに悪影響が出ます!」


「え!?なんで私!?」


なんで私に悪影響が出るのか分かんないけど、雫ちゃんも美月ちゃんも、さっきまでの険悪ムードが嘘みたいに、一緒に鈴音先輩を追い返そうとしている。


どっちも耳まで真っ赤になってるのはなんでかよく分かんないけど...。


ただ…私も今日雫ちゃんか美月ちゃんの家に泊まりたいって思ってたし、このタイミングが言うなら一番良いかも知れない。

鈴音先輩がどこかに行ったら、2人に聞いてみよ。


「え〜?じゃあ明日も来るからな〜」


「今日はやっぱり春奈先輩のところにずっといるつもりなんですね!」


「ん〜それも良いかなって思ったんだけど、あんまりすると本気で嫌がられるからな〜。春奈の態度次第かな〜」


「はぁ…」


ニコニコしながらその場を去って行った鈴音先輩を見送った2人は、残り5分もしないで始まる文化祭の前とは思えないくらい疲れているみたいだった。

次回のお話は11月12日の0時に更新します。


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