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プロローグ

読んで下さりありがとうございます。m(_ _)m


あらすじを書くのとかが苦手なので、そこは大目に見てくださると嬉しいです。


今は3日に1話のペースで更新しています。

 真っ暗な部屋の中でうるさく鳴り響く携帯の音。私は自分の耳元から聞こえてくる携帯の目覚ましの音で目が覚めた。


 昨日は夜中まで友達と話しこんでいて寝たのは0時過ぎだった。まだ全然眠い。

 私は携帯の目覚ましを止め、二度寝しようと再び毛布を被る。


 その時、部屋のドアが開いて誰かが入ってきた。

 私の部屋に入ってくるという事はお母さんか……と、まだ朧気な意識の中でそう思う。


 お母さんが入ってきたのは分かってるけど、まだ眠い。私は毛布を剥がされまいと毛布を掴み、必死に抵抗する構えをとる。


「もう。なにやってんの。今日入学式でしょ?遅れるよ?」


 そんな娘の姿を見て呆れたのか、ため息混じりにお母さんの声が聞こえてきた。


 というか、そうだ。今日は私の通う高校の入学式だ。そう思い出した途端、朧気だった意識は急速に覚醒を始め、私は毛布を自らの体から離す。でも部屋の中は私が予想していたよりもずっと寒く、再び肩から毛布をかぶり、お母さんの声がした方を向く。


「朝ごはん出来てるから早くいらっしゃい」


 それだけ言うとお母さんは私の部屋から出ていった。


 それにしても、今は4月のはずなのに、部屋の中は冬の夜かのように寒い。

 なんでこんなに寒いんだと不思議に思い、部屋の電気をつけ、ベットのちょうど上についているエアコンに目を向けると起動していなかった。


 そういえば昨日、ちょっと暑くて暖房をつけていたのに消したのをすっかり忘れていた。

 すぐに暖房を起動させ、毛布を頭から被ったまま、下のリビングに降りる。


 リビングに降りるとキッチンにお母さんがいて、クマが描かれた幼い感じのパジャマに頭から毛布をかぶっている私の姿を見て、またため息をついた。


 いや、確かに小学生の女の子が着るようなパジャマを着てる高校生ってなかなかだと思うけど、仮にも自分の娘なんだからそんなに呆れなくても……とはちょっと思ってしまう。


 それから朝ごはんを食べ終え、部屋に戻って入学式の準備を始める。

 ちなみに朝ごはんを食べている間は、肩から毛布をかぶっていた。


  そんな娘の姿を見て、お母さんは無言でため息を連発していた。なぜそんなにため息をつかれないといけないのか……


 部屋に戻るとしっかり暖房が効き始めていて、起きた時よりは暖かかった。

 あ、電気つけっぱなしだった……


 毛布をベットの上に置いて綺麗にたたみ、制服を着て、学生鞄の中に携帯と筆箱、ノート、クリアファイルを入れて準備完了!


 鞄を持って、再びリビングに降りるとまだお母さんはエプロンをつけて、キッチンにいた。


「私は準備終わったよ〜」


 お母さんより先に準備が終わったことを褒めてほしそうにしている私の態度をスルーして、予想外の言葉がお母さんから出てくる。


「行ってらっしゃい〜気をつけてね」


 その言葉を聞いた時、てっきり一緒に入学式に行くと思っていた私は少しショックを受けた。


「え?お母さんも一緒に行くんじゃないの?」


「お母さんは後から行くから先に行ってて」


  後から来てくれるなら一緒に行ってくれてもいいのに……とは少し思ったけど口には出さなかった。口に出しても仕方ないし……帰りは一緒に帰ってくれることを期待して。


「分かった!絶対来てね!」


 ……なに?いいじゃん別に。子供っぽくて……

  お母さんの事が大好きなだけです〜


 玄関から外に出ると、目の前の道に満開の桜が咲いていて、通勤中であろうスーツを着た人達や、私と同じで制服を着た人達がチラホラ居た。


 鞄の中から携帯を取りだし、学校の場所と行き方を検索する。

 お母さんと一緒に車で行くと思ってたから歩きでのルートなんて調べてなかった。

 無事に着けるかな……


 しっかりと地図アプリを見ながら進んでいるのに、何故か学校が遠ざかっていく。

 迷った気がする……

 少し泣きそうな顔になりながらも頑張って学校を目指す。


 しばらくすると、同じ制服を着た男の子を見かけた。

 多分同じ学校だからついて行けばいいか……


 私は人見知りなところが少なからずある為、話しかける勇気は出なかった。

 黙ってその男の子の後ろをぴったりとついて行く。


 一応、地図アプリを開きながら歩いているけど、間違いなく私が通う高校と同じと思う。

 良かった。この人について行けば無事に学校まで着けそう……。


 自分で歩くと何故か遠ざかっていくのに、人について行くとどんどん近づいてくる。

 なんでだろう……と少しばかり悩むけど、今考えてもその答えは出ないと思う。

  まぁ多分私が方向音痴なだけなんだけど……


 15分程度歩いたところでようやく学校が見えてきた。かなり遠い道のりだった気がする。

 いや、実際迷ってたからかなり長い道のりだったんだけど……。


 すごく疲れた。なんか……無駄に疲れた気がする。


 学校は私立桜川高校。かなり新しい学校で、入試の時から思っていたけど、校舎がかなり綺麗。グラウンドには桜の木が数十本並んでいて、桜の花びらが舞っていた。


 体育館で行われた入学式では、知らない人が沢山いてすごく緊張したけど、何事もなく終わり、約束通りお母さんも来てくれていた。


 入学式が終わった後にそれぞれのクラス割が廊下に張り出され、私は1-C組になった。

 ちなみに1年生のクラスは1-A組ならD組まであったけど、1クラス30人程度だった。


 クラスに入ってからは連絡事項とプリントを数枚渡されただけで終わった。

 担任の先生は小柄で女の子の私から見ても、かなり可愛らしい感じの女性の先生だった。


 案の定、クラスの男子数名は可愛いと声を漏らしていた。

 担任の先生に可愛いというのはどうなのかと思ったけど、先生自身が気にしてないようなので気にしないことにした。


 お母さんと一緒に家に帰ってきて、明日の用意をし終えたら、式の最中頑張って我慢していたあくびが出てきた。

 何故か急に眠くなってきた。


 昨日の夜更かしと、暖かい日差しで余計に眠気が増したような気がする。


 私はパジャマに着替えてベットに横になった。

 多分夕食になったらお母さんが起こしてくれると思うしゆっくり休もう。


 私は携帯を枕の近くに置いて、イルカの抱き枕を抱きしめ、ゆっくりと意識を手放した。

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