表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/177

第128話 右京と左京


 ザハルベルトを去った俺は、ガルシア、五十嵐さん、そして150人部隊と共に艦に乗って極東の海へと帰ってきた。


 ゴゴゴゴゴゴ……


 自前の艦なのでこのまま領地の新港へ戻ればいいのだけれど、ただザハルベルトでの成果を大王おおきみにご報告申し上げなければならない。


 でも、それは何も全員で行くこともなかった。


 最低限知行(ちぎょう)されている領主の俺だけが行けばいい。


 ので、みんなには先に艦で遠雲へ帰ってもらい、俺だけで艦上から黒王丸で飛び立ちひとり帝都へと向かった。


 ヒヒーン……


 大内裏(だいり)に着くと馬を降り、蔵人くろうど事務次官とうの案内で大王おおきみのおわす清涼殿へと向かっていたが、そんな宮中の渡り廊下で大臣に声をかけられる。


「おお。これはエイガ殿」


「あ、大臣。お世話になってます」


「よいよい。そんなことより聞いたぞ。もう魔王級クエストを任されるとはさすが。麻呂まろの見込んだ男よの」


 え、どうしてそれを?


 これから報告申し上げようとしていた内容なのに。


 そう思った時だ。


「ふん……誰のおかげでS級に昇格できたと思っているのだ」


 と、ふいに若い男の声が聞こえる。


 すると、いつの間にか大臣の後ろに黒装束の青年が二人ばかり控えているではないか。


「い、いつの間に!?」


 それまでまったく気配を感じなかった……


「ふふ、キサマなどお嬢様がおられなければ単なる木偶でくの坊よ」


「そう。言わばコマに過ぎぬのだ。勘違いするでないぞ!」


 そう吐き捨てるように言う二人の青年は分身でもしたかのようにまったく同じ顔をしている。


 双子だろうか。


 言っている内容はちょっと意味わかんないけど、どちらも俺のことをよく思っていないことだけはわかった。


「よさないか! 右京、左京。エイガ殿は麻呂まろの友人でもある。侮辱は許さん」


「「はッ……」」


 大臣が一括するとふたりは膝をついて控えた。


「エイガ殿、かたじけない」


「ぁ……いえ」


 俺はちょっと呑まれ気味に相槌だけは打つ。


「いずれにせよ。この極東全体のためにもエイガ殿には必ず魔王を倒してもらわねば困る」


「そ、それはもう」


「ふふふ。そのためには帝国も貴殿への支援を惜しまぬでな。ワハハハハ……」


 そう高笑いして大臣は渡り廊下を去っていった。


「面白い」「続きが気になる」「がんばれ」など思っていただけましたら、ブックマークや

↓の『☆☆☆☆☆』ボタンで応援いただけると大変励みになります!


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なんか嫌なやつしか出てこない作品になったな。 人間関係めちゃくちゃになってるし。 これ収集つかなくなったからweb版の更新やめたのかね。 人間関係壊すだけ壊す内容で終わってるのが残念。 1番…
[一言] なんかもう領地の方は大丈夫だけど古巣の方は本人達がグダグダなせいで崩壊秒読みな件
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ