改定中
報告書には2000年に渡る航行の概要と1日前に空気がある惑星を発見したことが記載されており、ヒミコには惑星探査を行う権限がない為、スバルをコールドスリープから起こしたと記載してあった。
「ヒミコ、この惑星を今後アルファとして探査する場合なんだが、俺が指揮すれば可能なのか?」
《艦長、緊急マニュアルが発動しておりますので、試験艦である本艦でもアルファを調査することは可能です。しかし惑星開発法に抵触する恐れがございます。》
技術試験艦であるニッポンの任務は試験を行うことこそが任務であり、緊急時に戦闘行動こそ許可されるが、こちらから未知の惑星の調査となると、どんな文明があり知性生物がいるか分からずひとつの誤解から宇宙対戦に発展するリスクも含んでおり、惑星開発法という厳しい法律が存在していた。
「そうだよなぁ…ちなみにニッポンってまだ地球連合軍所属になってんの?脱退とかって出来ないんだっけ?」
《ハイ、本艦は地球連合軍技術試験艦として軍事行動を継続中です。脱退はできませんが本国との通信が途絶え200年以上経過している為、地球連合軍より離脱は可能です。その場合、艦長権限が拡大されその責任は艦長がすべて追うことなり、帰還時に最悪の場合は犯罪者となります。》
今まで恒星間航行の実験艦が行方不明になった事例があった為、技術試験艦のみに許された特権がある。それは、艦の一方的な地球連合軍からの離脱である。
「2000年も漂流してるってことは帰還できる見込みはまずないしな、離脱して惑星調査してみるか。地球連合軍から現時刻をもって離脱する!」
《地球連合軍へ電文にて離脱の旨を送信致しました。現時刻をもって地球連合軍技術試験艦は独立艦ニッポンとして艦長命令を遵守致します。》
アルファの探査活動を開始する前に独立艦となったニッポンの認識標を消す作業に追われるのだった。