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曖昧を嫌う彼女は自殺しようとしましたが、死ねなかったので人間を放棄しました。
少女は強かった。
とてもとても強かった。
アスファルトの地面にひっそりと佇む雑草の様な、
太陽系の中にある地球に産まれ、存在し、生きようと皆に知らせるかの様に必死に叫んでいる赤ん坊の様な力強さを彼女は持っていた。
然し、それ故に。
少女は弱かった。
とてもとても弱かった。
棘を持った美しい薔薇の様な、
落とせば割れてしまう硝子の様なか弱さを彼女は持っていた。
少女は曖昧が嫌いだった。
だから強いのに弱い、自分を嫌った。
そして自分を嫌った少女は、自分を殺そうとした。
しかし、殺せなかった。
その何処にも行き場の無い殺意を憎しみを、誰かに向けようとした。
しかし少女は誰も傷つける事は出来無かった。
悲しみに暮れた彼女は、心を閉ざす事を決めた。
人間を放棄し自分の殻に引き篭る事を決めた。
こうして、少女は誰にも心を開けず夏を迎えた____