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2話

4000字は超えた……まだ頑張れるはず、というかがんばる……

まだまだこれからです……

 2話



 言葉がでなかった。


 F.Wは運営側が今までにないグラフィックを追求したゲームとして売り出したもので、俺もそのことはネットや雑誌で知識としては知っていた。


 知ってはいたのだが、『リンシア』としてこの世界に降り立ち、実際に見る光景は言葉では表せないほど美しく、新鮮だった。


 今までのVRゲームでは不可能と言えるグラフィック情報の密度。


 様々なゲームで始まりの街と言われるプレイヤー達が一番最初に訪れるその場所は、ほかのゲームとは少し違い、巨大な木の中に存在する街で、そこら中を妖精のような光が漂っており、より幻想的な雰囲気を醸し出している。


 自分がいるのは街の中心部のようで、淡く光る泉と噴水があり、そこから上を見上げると木の内側の壁をうまく使い、上の方にまで民家がいくつも見える。


 街の中ではNPC達が生活を営んでいる。


 また、リンシアは幼い少女の見た目をしているため、いつもの自分よりも視点が随分と低く、街に居るNPCや、建物、タダでさえ大きなこの街がさらに大きく感じてしまう。


 そんな景色に見とれていると、すぐ目の前に涼し気な風鈴のような音と共にメッセージウィンドウが表示された。


 もう一度周りを見渡すと自分と同じように、ふと我に返ったかのように周りをキョロキョロしている人たちが……やっぱりこの景色には見とれるよな。


「そんなことよりもメッセージメッセージ……」


 メッセージウィンドウの表示ボタンをクリックすると電子音とともに視界の端にウィンドウが拡大表示された。


【・F.Wにようこそ!これより約1時間、皆様には新規プレイヤーの方々のキャラメイクを手伝って頂きます。


 ・ある程度の時間が経過した後、1度皆様には別の場所に集まっていただきますのでそこで最後の事前ミーティングを行います。


 ・また、今回のキャラメイクのお手伝いは皆様のロールプレイの練習だと思っていただいて結構です。ただし、あくまでNPCとして相手と接し、運営側プレイヤーとバレないよう心がけてください。


 なお、本作のNPCのAIはこれまでよりも更に完成度が高いため、各プレイヤーにはNPCは生きている。と、お伝えください。同時に、それだけのAIを積んでいるためバレる事はほぼないと思われますのであまり緊張はしなくても構いません。




 キャラクター作成の順序について説明します。


 キャラクター名


 種族


 容姿


 初期スキル


 上記の順で行われますので質問等をされた場合、システムが勝手に回答を出してくれるのでそれをそのまま、あるいは含みのある言い方でも構いません。伝えていただければ良いです。


 繰り返しますが、あくまで皆様の練習の為ですので、気軽に新規プレイヤーの方々と交流を図ってください。


 そして最後に、皆様は一人一人、独自に特別なスキルを与えることが出来る権限が一時的に認められます。これはスキル選択部分でランダムを選んだ人に対してのみ付与可能ですので、それぞれで判断して数人にプレゼントをしてください。


 また、特別なスキルに関しては秘匿情報ではないのでその場でプレイヤーに教えていただいても構いません。


 それではキャラクタークリエイトルームに自動転送されます】


「ロールプレイの練習か、ありがたいな」


 メッセージを読み終えてからそう呟くと同時に、ダイブした時と同じ部屋に今度はリンシアの姿で立っていた。


[プレイヤーが十秒後に来ます]


 さて、まずこういうのは最初の掴みが大切だって書いてあった(ネット掲示板に)からな……少し偉そうなのじゃロリ系性格も子供っぽいキャラとしての第1歩だっ!……濃いな。


 覚悟を決めると同時に白く薄い人の輪郭が現れ、俺の対応する最初のプレイヤーがきた。


 「新しき冒険者よ!よくぞ参った!ワシが今回オヌシをサポートするリンシアじゃ!」


「チェンジで」


「なぬっ!?」


 盛大に躓いたっ!?


「な、何故ちぇんじなのじゃ!?」


 と、大慌てで聞くと「あ、いや、反射的に……」と申し訳なさそうに謝ってきた。


「そ、そうdっそうかの?問題がないならば良いのじゃ……うむ」


 そうか、特に気分を害した訳じゃなかったんだな……一瞬素が出そうになってしまった、慣れなくては。


「それで?何をすれば?」


 さて、サポート……って言っても簡単なことだけど始めますか。


「まずはお主の名前を入力するのじゃ」


 俺がそう言うとプレイヤー君の前に半透明のキーボードとウィンドウが表示された。


 なになに?プレイヤーネームは……[焼きそばパン]……?


「へ?や、焼きそばパン?」


「入力終わったよ」


「そ、そうじゃな、ンンッ。

 次は……次は……」


 やばいっ緊張してド忘れをっ

[種族です]


「そう!種族を決めてもらおう、種族ごとに長所短所が存在するからよく読んで決めるのじゃぞ!」


「リンシアちゃん今忘れt「なんじゃ?」いや、何でもないよ……」


 誤魔化すためにウィンドウが開くかなと、指パッチンをしてみるとタイミングを合わせてくれたのか入力ウィンドウが開いた。


 あれ?AI優秀すぎない?詰まったら即メッセージで教えてくれるし、空気読んでくれるし……。


 と、プレイヤー君は種族を選んだっぽいな、ふむふむ……ドワーフか。


「さて、次は容姿の変更じゃ、りある?の姿を元にするとあまり大きくは変えられぬが、変えないと変えないで、りある?とやらで不利益を被ることがあるそうじゃ、十分に気をつけるんじゃぞ!」


 と、事前にこんな感じで言うといいよと、最低限のアドバイスを教えて貰っていたのでそれをプレイヤーに伝える。


「そうか……確かにリアルバレは不味いしな……」


 と、ブツブツと独り言を言いながらプレイヤー君は髪や眼の色、髪型を変えていく。


「さて、外見の調整は終わったようじゃな、いよいよスキルの習得じゃ!」


 外見の設定が終わったあたりでスキル習得に進むとプレイヤー君は先程までよりも目を輝かせて身を乗り出してきた。


「おお!遂にスキルか!」


「うむ、この世界には様々なスキルがあり種族ごとに相性などが違ったりするが一番は自分が何をしたいかじゃ。

 例えば、お主はドワーフを選んだから大槌使いや鍛冶屋が相性が良いが、魔法使いを目指すのももちろん良いぞ」


 俺のその言葉を聞いたプレイヤー君……そろそろプレイヤー君というのもあれだな焼きそばパン君は早速初期スキル一覧を確認し始めた。


 暫く焼きそばパン君がポチポチやっているのをいつの間にか出現していた妙に高い椅子に腰掛けて待っていると彼が「ん?」という声を上げた。


「どうかしたかの?」


「ああ、このランダムって何か特別なことがあるのかなーって思っちゃって、あわよくば特別なスキルとか出たりしないかな?」


 おお、まさか担当一人目からランダムに目をつける奴がいるとは……お兄さん感心しちゃったよ。せっかくだし彼に最初の特別なスキルは与えるとしようか。


「ふむ、それに目を付けるとは……それは文字通りランダムでスキルを選択するというもので中には普通じゃ選べないような特別なものも含まれておる……まあ、せっかくわしの一番最初の担当じゃ、特別なスキルをプレゼントしてやろう!」



 生意気なロリっぽさを出すために腰に出あて、薄い胸を張る……やばい、普通に恥ずかしいぞ!大の大人の男がこんなことやっているとか恥ずかしすぎて憤死しそうなんだがッ



 と、とりあえず気にしないようにしよう。焼きそばパン君のスキル構成は……おぉ、王道なドワーフだな鍛冶系列に戦闘用の大槌スキルか、堅実だな。鍛冶か……なら


「お主は鍛冶屋を生業とするつもりか?」


「ええ、まあ俺の作った武器を使ってもらうってなんだかロマンがあるなと……」


「うむ、その心意気やよし、じゃ。オヌシにはこの【血鉄】を与えよう、手を出すがよい」


「え?あ、はい」


 そう言って焼きそばパン君は手をこちらに差し出してくる。

 何故こんなことをするかと言うと、特別なスキルの与え方という題名で先程メッセージウィンドウが俺の前に出てきたのだが、肝心のスキルの与え方が血液の交換が必要らしい、そして血液の交換のために、自分の指先と相手の指先に傷をつけ、そこを合わせることで与えることが出来るらしい。


 うん、なんとも吸血鬼っぽい方法だけど面倒だな!


 とまあ、それは置いておいて、俺は自分の左の人差し指の皮膚を軽くかみ切ると同時に反対の手の爪で驚いている焼きそばパン君の人差し指を引っ掻く。


 VRということもあって痛みはない。問題なく指先に傷ができたためこちらの傷口を彼の指先に重ねるとスキル付与完了の知らせが互いの目の前に出てきた。


「うむ、完了じゃ。これで全ての準備は終わったこれよりお主を我々の世界に転送する、励むのじゃぞ!ーーあぁ、それと、わしらは皆、生きているということを忘れないでくれとの事じゃ……当たり前の事じゃろうに、何故わざわざいう必要があるのかのぅ?」


 格好つけて指を鳴らすと彼の足元に魔法陣が出て……おい!?何故俺が触れたところをじっと見てるっやめろ!咥えようとするなああああ!!??








 結局咥える所は見えなかったが精神的ダメージは凄いです。


「ま、まあさっきのは夢だ、うん夢……はぁ、続き頑張るか……」


 一人目から……濃かったな。




 ♠♡♢♣♤♥♦♧



 あれからたくさんのプレイヤーを捌きそのうちの五人ほどに特殊スキルを与え、たった今また1人のプレイヤーを見送ったところだ。


「ふぅ、慣れれば案外ヘーキなものじゃな……自分の声とかにも慣れてしまったしのう……」


 それにしてもまだ続くのか……?


 と、丁度そう考えている時に周りの景色が薄まっていき、王城のようなところに転移した。というか王城だなコレ。


 ミーティングが始まるのだろうと予想ーーというかそれしか無いがーーし、玉座に座っている国王らしき人物を注目する。彼がGMとかなのか?


「さて!みなさんお疲れ様でした!皆さんにはこれより通常業務に移っていただきます!当分のも指示はゲーム内メッセージで行われますのでメッセージが届いた方は確認をお願いします。これよりそれぞれの持ち場に転移していただきますが、最後に、改めて皆さん、頑張ってプレイヤーの皆さんを楽しませて行きましょう!!!」


「「「「おおおおおおおおおお!!」」」」


 国王のそのセリフと共に俺らのチームは雄叫びをあげ、1人、また1人と転移していく。

 そして俺の版が回ってきたのか、今までのような地味な転移ではなく鮮やかなライトエフェクトとともに、魔女の工房のような部屋に飛ばされた。




 よし、頑張ろうか!


誤字、脱字、アドバイスお願いします……┏○ペコッ

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