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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その7

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75話 色々と時間をかけねばならないので、今はこれで良しとしよう

「でも、本当に大丈夫なの?」

 少し心配そうにミサキが尋ねてくる。

「悠長に学校の方の技術を成長させてる場合なの?」

 そこにはモンスター退治の展望についての心配が含まれていた。

 確かにここで学校の勉強関連の技術を上げる必要があるのかとは思う。

 いくらそれが目的の一つだとしてもだ。

 ミサキとしてはその方がありがたいが、実際にモンスターと渡り合ってきた事を考えると心配もある。

 それらによって人々の生活がかなり圧迫を受けてるのは確かだ。

 村を奪われた者達も確かに存在する。

 今回復活させた三つの村だけがそうだったわけではない。

 国内に同様の場所は他にも多々ある。

 それどころか、現在の国境の向こう側────本来人類の版図だった場所には、放棄せざる得なかった町や都市が多数存在する。

 それだけ人類の前線は大きく後退しているのだ。

 さすがにそれら全部を回復する事が出来るとは思えないが、手をこまねいていて良いのかと思う。

「もちろんこのままにしておくつもりはないよ」

 ヒロタカもそこはミサキと同じように考えている。

「いずれもっと手を広げていくつもりだ。

 でも、すぐには無理だ」

 単純に人手不足である。

 今すぐにでもモンスターを排除しに行きたいが、そうする余裕がない。

 モンスターが倒せないという事ではない。

 村や町を制圧してるモンスターを排除する事なら出来ると思っている。

 実際、村一つくらいなら、ヒロタカを含めた数人もいればどうにかなる。

 だが、それでは奪還する事は出来ない。

 モンスターを排除した後に、取り返した町や村を守る為に人手が必要になる。

 それが全然足りないのだ。



「まずは人を集めて育てないと。

 時間が必要だ」

 なので、これからは人材の拡大と育成に時間を注ぎ込む事にするつもりだった。

 モンスターから解放し、復活した三つの村を中心にしてモンスター退治に励む。

 今までやっていた通りに人材を育成し、レベルを上げて戦闘力を確保する。

 既に三十人いる戦力となる者達に、更に新人を付けて一気に成長させるつもりだった。

「まあ、一年かけて二百人から三百人くらい確保しようと思う」

「いや、さすがにその数は無理なんじゃ」

「そこをどうにかするんだよ」

「金を使ってですか?」

「使える範囲でな」

 ミサキは頭を抱えたくなった。

 確かに春日家の力をもってすればどうにかなりそうではある。

 この先、倒せるモンスターも増えるし、核もそれだけ手に入るようになる。

 それらを売却するだけでも大きな利益になるだろう。

 核を燃料として用いる事で得られる巨大な力が、生産力の増大につながる事も考えられる。

 事業の拡大成長に伴い、使える資本も増大していくだろう。

 それがより大きな組織規模の達成に繋がっていく。

「思い通りにいくわけもないから、一年くらいはかかるだろうけどね」

 それだけで今の規模を何倍にもしようというのだからおそろしい。

 急成長にも程がある。

 何より怖いのは、大言壮語としか思えない言葉が現実になりそうな事だった。

(やりかねない気がする……)

 今までの一年を振り返り、そんな気がしてならなかった。



「そんなわけだから、この一年は学校の方の勉強に経験値を割り振っていこう。

 むしろ、今しかそんな余裕は無い」

「はあ……」

「再来年からは更に事業を拡大していくから、それまでに学校で必要な技術はとっておこう。

 そうすりゃ、後は卒業まで何もしないで済む」

 必要な技術を手にいれれば授業に出る必要すらない。

 試験で必要な水準を満たしてる事を示せば、飛び級で卒業も狙える。

「だからこの一年は、学業に専念しよう」

 その言葉にいささか矛盾というか問題があるように思えたが、ミサキは何も言わなかった。

 学ぶ場所が学校の教室ではなく、モンスターが徘徊する屋外であるなど今更でしかない。

 そんなんで良いのかと思うが、もうこれ以上悩んでいるのもばからしくなってきている。

(どんな形で身につけようと、技術は技術だし)

 諦めと開き直りと割り切りを身につけつつあった。

「目指すは、来年の復学だ。

 休学をやめて、学校に行くぞ」

 迷いのないヒロタカの声を聞いて、ミサキは仕方がないと納得する事にした。



「それじゃ、今日もがんばっていこう」

 再びやってくる朝。

 モンスター退治に向かう部下を前に訓辞のようにそう叫ぶ。

 応じて部下達が「はい!」と声を合わせて返事をした。

「目標、一日五百体!

 無理せず、無駄なく、元気に生きて稼いで帰ってくるぞ!」

「おう!」

「おう!」

「おい!」

「おう!」

 唱和する返事を聞いて、ヒロタカは満足げに頷いた。

「では、出発!」

 今日もモンスター退治が始まっていく。

 新たな稼ぎと収益と売り上げと収穫を目指して。

 というわけで、こちらの話は一旦ここで終了となります。

 他にやりたい事が出てきてしまったので。

 いずれまた再開するかもしれませんが。



 新作の

「転生して異世界に指導者として出向くことになった」

も始まってるので、こちらもよろしく。


 URLは、http://ncode.syosetu.com/n8584dt/

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