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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その7

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70話 ゴブリンはこれで終わりだが、仕事はこれからになる

 ヒロタカとその部下、そして冒険者達。

 それにより周囲を取り囲まれたゴブリン達は逃げ場を失っていた。

 村の中央に集まったそれらは、それでも一百を超える数がいる。

 大半が子供や女のようで、体格が一回り小さい。

 しかし、ゴブリンである事に変わりはない。

 これを倒さなければ安全は確保されない。

 そもそも、ゴブリンの女子供(老人もいるかもしれない)が安穏と暮らしていたかもしれないこの村。

 もとをただせば人間達が暮らしていた場所である。

 そこを襲って奪ったのはゴブリンである。

 ゴブリンに同情の余地は無い。

 もし、これらに多少なりとも哀れみを感じてしまえば、それは侵略と蹂躙を認める事になる。

 一方的な暴虐を認め、ゴブリンの生存権を、モンスターの跳梁跋扈を認める事になる。

 人は次々に居場所を失い、やがては消滅する事になるだろう。

 敵対する者との共存は不可能である。

 どちらかが倒れるまで戦うしかない。

 今のこの状況も、かつては攻守の立場をかえてこの村で起こっていた事である。

 いわば、自業自得、因果応報というべきものであろう。

 人から村と命を奪ったゴブリンが、ただ切り伏せられていくだけである。

 損得やプラス・マイナスでいうなら、これでようやく差し引きゼロになった状態だ。

 ゴブリンを徹底的に叩きつぶし、ここから排除してである。

 逃げるのは仕方ないにしても、少しでもゴブリンの存在を許したり認めれば、マイナスしか残らない。

 それは決して出来ない事だった。



 それもあるだろうか。

 ゴブリンの中に飛び込んでいったヒロタカは全く躊躇いはしない。

 手にした剣を振って、ゴブリンを蹴散らしていく。

 刃が踊る度にゴブリンの命が散っていく。

 霧となって消えていく血飛沫をなびかせながら、ヒロタカは攻撃を続けていった。



「すげえ……」

 それを見ていた部下と冒険者達が異口同音にそんな声を漏らしていく。

 それほどゴブリンを相手にしたヒロタカは一方的に蹴散らしていっている。

 ゴブリンも抵抗をしないわけではない。

 なのだが、それらもヒロタカの太刀筋を止める事は出来ない。

 遮ろうと掲げた盾ごと切り裂かれ、打ち下ろした手斧は握った手ごと宙に舞う。

 剣が動く度にゴブリンが倒れていった。

 即死するか致命傷を負うかの違いしかない。

 レベル差がもたらす一方的な攻撃にゴブリンは例外なく倒されていく。

 日頃の活動で見慣れてるヒロタカの部下はともかく、冒険者達にとってそれはおそるべき光景だった。

「あんな奴がいたのか」

「嘘だろ」

 驚愕の事実である。

 自分達の知らない所で、こんな凄まじい戦闘力を持つ者がいたという事が驚きである。

 高レベルの冒険者にしか為しえない事を平然とやってのけるヒロタカに誰もが驚いていた。

 しかもそれが、まだ十代の若造なのだ。

 感動するよりも恐怖をおぼえてしまう。

 尊敬よりは畏怖というべきであろう。

 周りを固める者達は、全てが終わるまでその場を動かず、ヒロタカが為してる行為を見続けていった。



 三つの村の開放はこうして達成された。

 当初の予定よりは時間がかかったが、それでも恐るべき早さで全てが終わる。

 事を為したヒロタカはこの一件で名を上げるようになった。

 また、解放された村への支援と投資に乗り出してる春日家も、同様に支持を集めていった。

 村を追い出され、行き場を失っていた村人達からすれば、ヒロタカも春日家も恩人である。

 そこに何らかの思惑があろうと、彼等の利益を侵害しないのであれば何の問題もない。

 実際に春日家は、様々な資材や職人・労働者などを投入して村の復興に尽力している。

 それを感謝すれど恨む筋合いはない。

 もちろん求められてる事もある。

 春日家からは、

『当面の間だけでよいので、様々な売買は春日家に絞ること』

と求められている。

 期限は村の状態で決まるので何とも言えないが、とりあえずは十年ほどという事でお互い了承している。

 三つの村だけが対象であるが、十年ほど売買を独占出来るのは美味しい。

 これからの投資を考えれば、それでも利益が出るか疑わしいが。

 しかし、そうであっても、三つの村とそれなりの関係を手に入れられたのは大きい。



(これで、村を中心にモンスター退治が出来る)

 ヒロタカの思惑はそこにある。

 村との取引で得られる利益も欲しい。

 しかし一番欲しいのは、自分達の足がかりになる場所だった。

 町以外に居場所があり、拠点がある。

 大事なのはそこだった。

 ちょっと考えてる事を活動報告に書いてます。



 他の話もよろしく



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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