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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その6

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53話 すいません、あと少し待ってください

「状況はかなり良くなってきてますね」

 父への報告に言いよどむ所がないのはとても嬉しいものである。

 隠す事も何もない、上がり調子の現状を伝えれば良いのだから。

 これが何かしら頓挫したりしくじっていたらこうはいかない。

 父もそれは同じようで、

「こっちもぼちぼち上手くいっている」

と伝えてくれる。

 とりあえず春日家の事業は上手くいってるようだった。



「さすがに周旋屋を買収は出来てないがな。

 だが、足下は固める事が出来てる」

「と言いますと?」

「こちらで職人や業者を抱え込んでる。

 独自にやっていけるくらいの状況になりつつあるな」

「見事です」

「お前の言う通りにやっただけだ。

 貧民街にいる者達を引っ張ってこよう、と言ってただろ」

「ええ、くすぶってるのもいるでしょうから」

「集落を壊滅させられた者達の生き残りか。

 確かにそれらを集めれば結構なものになるな」

「上手くいきましたか」

「万全ではない。

 だが、何も無いよりは良い」

「では、ぼちぼちと言ったところですか?」

「そうだな」

 父はそれでも嬉しそうな笑みを浮かべている。



 体制固めのために、まずは春日家の事業を堅固なものにしなければならなかった。

 物品の運搬に売買もそうだが、売る為の道具を作らねばならない。

 その為の人員を貧民街に求めていた。

 貧民街は町から落ちこぼれた者達が流れ着く所でもあるが、壊滅した集落から落ち延びた者もいる。

 どちらも行く当てがなく仕方なくやってきた者達だ。

 そこからやる気のある者達を引きずり込み仕事をさせていた。

 元々、食い扶持を周旋屋からの仕事でまかなってるような者達でもある。

 募集をかければそれなりの人数がやってきた。

 その中でも、ただの労働者ではなく、職人的な技術を持ってる者を抱え込んでいった。

 能力の方は周旋屋などで調べる事が出来るので、それを元にしている。

 自己申告ではない、実際に身につけてる技術を元に採用していった。

 そのおかげで、春日家の敷地には小さな工房すらも作られていた。

 腕はさほどではないが、日常的な道具などに事欠かなくなっていた。

 また、単純労働者であっても、真面目に仕事をこなす者は継続的に採用していった。

 技術がなくても真面目に手抜きをしないで働く者は貴重である。

 そういった者を可能な限り確保しておきたかった。

 相変わらず小屋は増築中で、仕事には事欠かなかったのもある。

 そうでなくても、真面目に仕事をする人間は貴重である。

 ちょっとした誤魔化しや備品を持って帰るような者もいるのだから。

 そういった者は、発覚次第二度と雇わない事になる。

 労働力の頭数は足りなくなるが、無駄な損失が無くなる方がありがたかった。

 言っては何だが、労働力はいくらでもある。

 別に無理してかき集める必要はない。

 その中で真面目にやってくれる者を大事にしていけば良いのだ。



「ただまあ、やはり飽和してきたな。

 さすがにこれ以上抱え込んでるのも問題だ。

 もうちょっと働き口があればいいんだが」

「こっちがすぐに動き出せれば良いんですが、さすがにそうもいきませんからね」

「無理か?」

「あと三ヶ月待ってもらいたいです。

 そうすれば必要な人数は確保出来ます。

 レベルの方も」

「三ヶ月か……。

 長いな」

「ですが、今の新人を最低限必要なレベルにしないとまずいので」

「どうにかならんのか?」

「こればかりは。

 可能な限り急いで、なおかつ大量に人材を育成してるんですが」

 どうにもならない事であった。

 どれほど能力を底上げしようとも、どうしてもかかってしまう時間がある。

「人数は三十人ほどに増えましたが。

 でも、これが全部戦力になるかというと疑問です」

「まだそこまでいかないか」

「ええ。

 教育を始めた新人十二人。

 これがレベル3になるまで早くても二ヶ月はかかるかと。

 余裕を持たせれば更に一ヶ月。

 三ヶ月はどうしても欲しいですね。

「うむ……」

 父もそこで無理が言えないのは分かってる。

 頭数は確かに必要だが、何の技術もない素人に作業をさせるわけにはいかない。

 それはどんな仕事でも同じである。

 最低限必要な知識や技術は欲しい。

 でなければ効率も上がらない。

「急いては事をし損じるか」

「こちらとしても辛い所です」

 他の話もよろしく



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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