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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その5

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42/75

42話 実害も大きいから対処しておかないとまずいんだこれが

 ゴブリン、またの名を小鬼。

 人間型のモンスターで、それなりの知能も持ち合わせてるという。

 常に集団で行動し、率いるリーダーによって統率されている。

 そのため、力任せに襲いかかってくるモンスターより手強い。

 一体あたりの強さは人間よりやや劣る。

 身長も低く、それに伴って体格も小さくなる。

 だが、意志を統一された知能を持つ集団は結構厄介な相手である。

 それらが来襲した場合、被害はそこらの犬頭などよりよっぽど大きくなる。

 まがりなりにも知能があるから作戦をたてられるし、連携した行動もとれる。

 それらが軍隊のように襲いかかってきたら、小さな村など簡単に壊滅する。

 制圧ではなく、壊滅になる。

 基本的に小心者で、劣勢と思えばすぐに逃げ出す連中である。

 しかし、優勢と思えば勢いよく押し寄せ、相手を圧倒していく。

 そして、掴まえた者達を残忍な手口で殺していく。

 そのやり口の非道さと非情さは常に語られている。

 男だったら殺害され、女はほぼ例外なく犯される。

 襲撃を受けた村や行商人の辿った末路は、もっとも身近にある恐怖となっていた。

 人型モンスターである鬼と言われる種族の中では最も弱い存在ではある。

 だが、最も数多く、それだけに遭遇確率が高い。

 それだけに誰もが最も恐れる、最も厄介な存在とされていた。



「これを倒していけば、我々の名も高まるでしょう」

「そりゃあ、出来るならな。

 だが、今の状態で出来るのか?」

「今すぐというわけにはいきません。

 最低でも数十人くらいの人数にならないと。

 それも、レベルがそれなりになってないと厳しいですね。

 最低でもレベル5くらいは必要でしょう」

 強さとしては犬頭と同じくらいと言われてる。

 だから、それだけあれば互角以上に戦えるはずだった。

「それに戦闘出来る人間だけではどうしようもありません。

 偵察が出来る者、仲間を統率出来る者、人や物を運べる者。

 部隊を幾つか作らねばならないので、統率出来る者も。

 また、作戦を立てる者と、必要になる事務作業をこなせる者と。

 思いつくだけでこれだけ多用な人間が必要になります」

「だろうな。

 それはどうするんだ?」

「とりあえず半年くらいで最低限の人数を確保したいと思います。

 それまでに情報を集めておきたいんです。

 どのあたりに潜んでいるかの」

「それだと、行商人や護衛をしてる冒険者あたりが詳しいかな」

「街道巡視員などもあたってくれませんか?

 それと、駅や宿場からも」

 駅とは街道沿いに建てられてる中継地点である。

 概ね一軒家の旅館である事が多い。

 外壁を備え、中に立て籠もる事が出来るようになっている。

 宿場は何軒かの宿が固まってる場所になる。

 どちらも旅の途中でお世話になる場所になる。

 街道巡視員、あるいは街道警備員と呼ばれる者達は、その名の通り街道を巡って警備する者である。

 だいたい駅や宿場に拠点を置き、定期的に街道を巡回している。

 街道を中心にしているために、あちこちからの情報が入りやすい。

 モンスターの出没状況なども行き交っている。

「まあ、それは問題にならんだろう。

 儂も常にそういった情報を集めてるからな」

「ありがたいです。

 何か有力な情報があったら教えてください・

「分かった。

 簡単に見繕えるものだけでもまとめさせておく」

 仕事を通して情報を蓄えてきた父は本当にありがたい存在である。



「それと、吟遊詩人とかも確保できますかね」

「なんでだ?」

「ゴブリン退治などが成功したら、それを宣伝してもらうためです。

 何せ評判を広めねばなりませんから」

「それもそうだな。

 では、適当な者を見つけておこう。

 まあ、広場や酒場にいけばいくらでもいるだろう」

 吟遊詩人は旅をする音楽家と言える。

 扱う楽器は人それぞれだが、それを用いて音楽を奏でて糧を得ている。

 彼等が扱う楽曲は、昔から伝えらてるものや各自が創作したものだったりする。

 その中には、昔から伝わる英雄伝承などもある。

 その物語は弾き語りに語り、歌のように伝えていく。

 ラジオもテレビもないこの世界において、情報伝達の役割を果たしていた。

 そういって良ければ、歌手でありニュースキャスターのようなものでもある。

 これらは郵便などと違い、より多くの者達に聞かせる事が特徴でもある。

 情報拡散の手段としては最も身近なものでもある。

 そんな彼等に成し遂げた事を宣伝してもらい、評判を作っていってもらう。

 すぐに効果は出ないだろうが、活動の妨げになりそうな事を事前に排除出来るようにしておきたかった。

「彼等を確保する為にそれなりの金をばらまく必要もあるでしょう。

 でも、それで今後の行動をやりやすくなるなら、必要な投資になりえるかと。

 宣伝が終われば、彼等を集めて演奏会でもやらせても面白いかもしれませんし」

「色々と考えてるな」

「宣伝に使って、後は切り捨てでは今後に響きます。

 我々が彼等を使っていた事をばらすでしょうし、それは避けたいものです」

「そうだな。

 何とかしておこう」

 どうするのかは分からないが、あえて聞こうとは思わなかった。

 いずれ知らねばならない事になるかもしれないが、とりあえず今は考えない事にしたかった。

(物騒な事にならなきゃいいけど)

 それは少しだけ心配した。

 他の話もよろしく



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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