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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その5

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39話 女の子と一緒にいたいというのが理由ではいけないというのか

 仲間のレベルアップと同時進行で他の方面も動いている。

 更なる新人を増やす為に増設されていく小屋は、突貫工事で建築が進んでいった。

 とにもかくにも最初の一軒を作らないと後が続かない。

 建設用の重機のないこの世界においてはめざましい速度で形が出来上がっていく。

 それに伴い、必要なる武器や防具などの調達もされていく。

 これらは小屋の建築にあわせて集めていけば良いので、それほど焦る必要も無い。

 そのため、あまり目立たないように他の町などからも分散して購入している。

 大量発注した方が効率も良いし価格もおさえられるが、変に噂をされないようにするのを優先した。

 一カ所で一括購入したら確実にあやしまれる。

 まして武器の大量購入だ。

 領主などにあやしまれたら面倒になる。

 買い付け先を散らせる場合は極度に散らす。

 それを徹底していった。

 割る事をしてるわけではないのだが、変に横槍を入れられたくない。



 それと同時に新人達をどうしていくかを考えていく。

 既にやってる三人はそのまま継続してもらいたいところだった。

 彼等にも彼等のやりたい事を選ばせてやりたいが、今はそんな余裕がない。

 とにかく次の新人達が成長するまでは前線でモンスターと戦っていてもらいたかった。

 幸い、三人組も戦闘を継続するつもりだと言ってくれている。

 その方が日当が入るからだ。

 使用人として家の仕事をしていても日当は入るが、基本的に安い。

 せいぜい二千銅貨か三千どうかくらいである。

 その分、住居や食事などを出してるのだからおかしな出費はない。

 それであるならば、周旋屋の安い労働をしてるのとさして変わらない実入りになる。

 おまけに肉体的にきついといった事も無い。

 加えていうならば、使用人の制服や作業服は主人が負担するものである。

 なので、日常的な普段着などもそれほど気を遣わなくて良い。

 しかしヒロタカは日当として一日一銀貨を出している。

 単純な金額報酬ならこちらの方が上だ。

 モンスターを安定して倒せるようになった後だと、断然こちらの方が得に思えてくる。

 結局のところ、現状の実力で楽にこなせるならば、高い収入を選ぶとう事なのだろう。

 現金なものだが、霞を食ってるわけではないのだからそれも当然である。

 同じ労力で実入りの多い仕事があるなら、多い方を選ぶのが普通であろう。

 彼等もそうであったというだけである。

 余談であるが、この日当は税引き後の手取り収入である。

 これだけの稼ぎを得られるようになるには、それなりに仕事に習熟しなくてはならない。

 それを最初から支払ってるのだから、彼等が不平不満よりも意欲を出すのは自然な流れかもしれなかった。



 頭を悩ませるのが振り分け方だった。

 新人をどのように、そして今の自分達をどのように動かしていくかを考えてしまう。

 まず、新人達だけで動かしていくわけにはいかない。

 やり方を全く知らない人間に闇雲にやらせるわけにはいかない。

 事前にある程度教えるにしても、経験者の引率は欠かせない。

 ヒロタカのように、ぶっつけ本番でモンスターに向かっていくなどというのは、本来無謀きわまる行為だ。

 既に結成されてる冒険者の一団に入れなかった場合の非常手段でしかない。

 今、多少なりともやり方をおぼえているヒロタカ達がいるのだから、新人を上手く引率していけば良い。

 なので、人を振りわけていかねばならない。

 その場合、誰をどのように振り分けるのかが悩ましい所だった。



(ミサキ達と三人組はどうしたらいいかな)

 そこが問題である。

 本来なら実力をもとに考えていった方が良いのだろうが、そうもいかない。

 何せ、ミサキとアオイとミズキは女である。

 男三人組と下手に組み合わせられない。

 かといって、三人組だけで行動させるのも危険である。

 レベルを考えるとまだ不安が残る。

 魔力を付与して送り出せばある程度どうにかなるだろうが、ミサキのレベルを考えると心許ない。

 戦闘直前に付与をしている今なら問題は無いが、ある程度罠を巡っていく事を考えると厳しい事になる。

 核を使って魔術の効果を強化していけばある程度伸びるが、それでも不安は残る。

 あと少し付与のレベルが上がればそういった不安も少しは解消出来る。

 逆に、三人組のレベルがあと二つほど上がれば、魔力の支援もさして必要なくなる。

 時間をかければそこまでいけるのだ。

 今の状況だと、およそ二十日ほどで十分なレベルに到達出来るだろう。

 だが、その二十日が捻出出来ない。

 新人をそろそろ入れないと行けない時期になってきてる。



(三人組だけでやらせるしかないか)

 不安はあるがそうするしかない。

 大勢で動いても意味が無い。

 今の状態だと報酬が割にあわなくなる。、

 手引きできるモンスターの数が決まってる以上、投入人数が多くなれば一人当たりの稼ぎは減る。

 負担もそれに応じて減るが、今の状態だとその旨みがない。

 適切な人数に分散しておいた方が、報酬の面で得をする。

 それだけを考えていてはいけないが、それも考えていかないといけない。

 ただ、三人組だけで行動させるにしても、どうやっていくのかを考えないといけない。

 彼等に出来る事は何か。

 彼等に負担にならずに成果をあげるにはどうしたら良いか。

 そのやり方はヒロタカが考え出さねばならない。



 同時にもう一つ考える。

 結局の所、一番必要な魔術の支援が無いのが致命的になっている。

 もしもう一人魔術師がいれば三人組に負担を押しつけずに済む。

 ミサキと一緒に行動してて感じるが、魔術師がいると戦力が格段に違ってくる。

 直接の戦闘に関わってこなくても、魔力を付与してもらう事で格段に戦闘力があがる。

 それが全体に及ぶのだから、モンスターなど全く相手にならない。

 しかし、三人組だけで行動させるとなるとそうもいかない。

 魔術師はミサキしかいないのだから、二手に分かれるとしたらどちらかについていくしかない。

 そうなると、どうしてもヒロタカは自分の下においておきたかった。

 女の子を独り占めしたいからではない……とは言わない。

 確かにそういう気持ちもあった。

 だが、問題はもっと別の所にある。



 まず、今の所仲間を率いて行動出来るのはヒロタカしかいない。

 これは統率力やその場における判断力などを考えるとそうならざるえないからだ。

 一般的な技術、それも知識系のものが後押ししてるのもあるかもしれない。

 全てにおいて適切とは言わないが、それなりに人をまとめて動かしている。

 前世での経験なども活かされてるのだろう。

 それらがヒロタカに実年齢や技術レベルでは計れない統率力を与えてるようだった。

 だからこそ、新人達はヒロタカの下で扱いたかった。

 多少は経験も積み、一般教養の技術のおかげか行動が以前より滑らかになってる三人組は良い。

 だが、本当にまっさらな状態の新人達は、上手く手綱を握れる者が必要になる。

 いずれレベルが上がるまでは、上手くまとめていかねばならない。

 それは他の者に任せられない事だった。

 ミサキやアオイでは心許ない。

 ミズキは三人組と同じくらいの経験しかない。

 そして三人組はまだ誰かを率いたり、咄嗟の判断が出来るほど成長してない。

 だからこそ、新人達を引き受ける必要があった。

 そして、新人への魔術支援はミサキにしか出来ない。

 だから同行させるしかない。

 となれば、他の女子も分散させるよりは一緒にした方が良いという事にもなる。

 繰り返しにるが、男の中に女の子を一人二人と放り込むのは危険である。

 女子は可能な限り女子だけで固めておきたかった。



 組み分けを考えると、そういう結論になっていく。

 同時に、一つの願望が出てくる。

 組み分けで悩むのも、結局はそこが原因である。

(魔術師がいればなあ……)

 これがかなえば、こういった問題を考えないで済むようになる。

 だが、魔術師はそうそういるものではない。

 魔術を身につける為の条件がいまだに完全に解明されてないからである。

 だが、それでも思う。

(魔術師を育成出来ればいいんだけど)

 どうしても成し遂げたい事だった。 


 他の話もよろしく



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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