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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その4

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30話 レベルアップの利用方法を考えてみた

「レベルアップそのものは珍しいものではありません。

 モンスターを倒す他でも、日常的な事の積み重ねで経験値は入るようです。

 それで得た経験値を消費して、腕をあげていきます」

 これはレベルアップについてよく言われてる事から考えた事である。

「そして経験値そのものは、どんな技術に消費してもかまわないようです。

 実際、戦闘で経験値を稼いだアオイが、それとは全く関係のない探知の技術を身につけてますから。

 つまり、モンスターとの戦闘で稼いだ経験値で、他の技術を得る事が出来ます」

「つまり……どういう事だ?」

「稼いだ経験値で、他の技術の向上を図ります。

 今回の場合、御者として必要な技術などを、モンスターとの戦闘で成長させる事になります」

 前々から考えていた事だった。



 冒険者をやってみたい、そう思って情報を集めていた時の事である。

 レベルや経験値の話になり、それらがどうやって手に入るのか、どうやって使っていくのかも聞いて回った。

 その時に分かった事である。

 たいていの場合は自分の求める技術を成長させていく。

 冒険者ならモンスター退治に関連するものや、野外活動で必要になるものなどに絞るのが普通だ。

 ただ、聞いていると、かなり自由に経験値を用いる事が出来るのに気づいた。

 これを利用して冒険者は、ある程度必要な技術レベルが上がったら、他の技術を習得してたりした。

 そこにヒロタカは利用価値を感じていた。



「それを利用して、御者などに必要な技術を身につけさせます。

 その為にはモンスターを楽に倒せるレベルにならないといけませんが」

「そういう事か」

「はい。

 極端な話、戦闘を積み重ねる事で学者や芸術家すら誕生させられます。

 その方面の技術をのばしていけば良いのですから。

 ただ、普通はそんな無駄な事はしません。

 モンスターをより簡単に倒せるように成長させていくのが順当ですから」

 脇道にそれる理由もない。

 そんな余裕がそもそもない。

 たいていの場合、レベルをあげるのに多大な時間がかかる。

 余計な事に経験値をつぎ込んではいられない。

「しかし、俺達の場合は違います

 冒険者であるかどうかという事にも関わってきます」

「…………」

 父は息子の言葉を静かに待った。



「冒険者であれば、基本的にはモンスターを倒す事で稼ぎを得ます。

 そうでない者もいるかもしれませんが、基本的にはそれが普通です。

 ですので、モンスターとの戦闘をする事を考えます。

 そうでない者はそもそも冒険者になりません」

「ふむ」

「ですが、我々の場合は違います。

 モンスターとの戦闘を覚悟しないまま、そもそもそうと知らずにやって来てる者もいます」

「確かにそうだな」

「騙したわけではないでしょうが、説明が極端に不足してるのは確かでしょう。

 今回連れて回した者達もそうです。

 最終的には慣れてきたようですけど、これでやっていくという覚悟や決意が固まってるとは思えません。

 どうしたら良いか迷ってるようにも見えます。

 それが当然ではありますが」

「…………」

「ですから、他の道があればそちらに進むでしょう。

 今回一緒に行った者達ですが、金や生活のためにモンスター退治をやるしかないと思ってるようです。

 それに、家に戻って冷や飯食いに戻りたくないというのもあるようです。

 だったら、危険でも稼げる可能性のあるモンスター退治に出てみよう────そう考えてるように見えます」

「つまり、それだと?」

「彼等にモンスター退治を続ける理由がありません。

 中にはこれが良いと思う者もいるでしょうが、おそらく大半は避けておきたいと思ってるかと。

 誰だって死ぬかもしれない場所になんて行きたくないですから」

 それが泣き所でもある。

 可能な限り戦力をそろえておきたいが、そういう気持ちになれない人間ばかりではどうしようもない。

 死ぬかもしれない所に赴くような勇気がある者はそう多くはない。

「ですが、今回の場合その気持ちをくむ事が出来ます。

 ある程度のレベルになるまではモンスター退治に勤しんでもらいたいですが。

 でも、そこから先はやりたい事をやってもらえば良いと思います。

 それでも、作業に必要なものをまずは修めていってもらいたいですが」

「では、御者にしろ身の回りの世話にしろ、それらを身につけるために」

「それを目的としてモンスター退治に出向いてもらいます」

 聞いてた父は呆れた顔になった。

 同時に感心もしていた。

「いや、まさかそんな事にモンスター退治を利用するとはな」

 そんな発想をする息子をどう扱えば良いのか、どう接すれば良いのか分からなくなっていく。

 しかし、思いもしなかった事を考えつくのは心強かった。

 跡取りとしては申し分ない。

「大したものだ、お前は。

 息子でいてくれてありがたいよ」

「ありがとうございます」

 言われて悪い気にはならなかった。

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