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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その3

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25/75

25話 次の段階に移行しようと思うので話し合いをしましょう

 技術の効果も確かに上がってきている。

 以前から考えていた、探知技術による発見だが、やはりそれほど問題もなく出来た。

 モンスターがやってきてる方向が、それが残した足跡が分かったのだ。

 餌を吊してる場所にどこからやってくるのかが分かり、それを追跡してみた。

 さすがにそれを辿っていく事はなかったが、かなり先まで進む事が出来た。

 アオイに言わせれば、

「はっきりと跡が見えるんです。

 踏みつけた草とか、そこだけぽっかりと道が開いてるような。

 獣道みたいなもんですよ」

 そう言われてもヒロタカには全く何も見えない。

 やはり技術レベルが上がった事で見つけやすくなってるのだろう。

 それで十分だった。

 まだ先の事になるが、将来やろうとしてる事を実行出来ると確信する。



 次の日は、今まで同様に前日から餌をぶら下げてモンスターを引き寄せていった。

 一回に五十体前後のモンスターを相手にする事になるが、さして問題もなく倒していく。

 クロスボウにも付与をしていったおかげで幾らか数も減らす事が出来た。

 これで戦闘への問題もない。

 ついでに探知の技術で周囲を見渡してもらったりもしたが、殊更異常なものは見つからないという。

 所々何かが通った跡はあるが、それらはモンスターにしては小さく、大半は野生の動物のもののようだった。

 もうちょっと注意深く探ればモンスターの足跡なども発見出来るかもしれないが、そうそうそんなものはないという。

 餌をつり下げた所などに至る足跡などの方がよっぽど多いらしい。

 ある程度行動範囲や様式などは決まってきているようだった。



 そういった事も分かってきたが、何はともあれモンスターを倒す事に集中する。

 求める最低のレベルに到達したとはいえ、まだまだ上げていかねばならない。

 魔術があれば難なく倒せるという事は、それなしでは何も覚束ないという事だ。

 やはりレベル5か6あたりまでいかないと、単独での戦闘は危うい。

 他の二人にしても、もう少しレベルを上げて、より効果的な行動が出来るようになってもらいたかった。

 ミサキには、攻撃的な魔術も身につけてもらいたい。

 アオイは更に探索や探知の技術をあげてもらいたい。

 ゲームでならば、魔術師や盗賊としてより高いレベルになってもらいたかった。

 その為にも、レベルアップに励まねばならない。



「なるほど、確かにな」

 ヒロタカの話を聞いた父は、その意味をしっかりと理解しながら頷いた。

 家に帰ってからのいつもの食事の中、語り合いながらの事である。

「だが、それにしても目出度い。

 これ程早くそこまで到達するとわな」

「ええ、おかげさまです」

「うむ、これからも頑張るのだぞ。

 わーはっはっはっはっ!」

 ご満悦の高笑い付きである。

 実際、ヒロタカ達が上げてくる成果は大きく、核を引き取ってる父はかなり儲けてるという。

 単純にそれらを売却する事で得られる利益もあるが、事業に用いる事で様々な効果を上げるとか。

 作業場所における照明や冷暖房的な使い方、物を作る際の補助などなど。

 消費を気にする事無く用いる事が出来る事で、従来より作業効率が高まっていた。

 核の買い取り費用があるので経費はかかっているが、それ以上の別の場所において無駄が減っている。

 自然な形で作業効率が上がったことで、返って儲けが大きくなっていた。

 売り上げそのものに大きな変化はないが、利益率が上がっている。

 事業としてもその効果が大きいのだろう。

「この前、馬車に重量軽減の効果をかけたら、今までより少ない馬でひけるようになってな。

 おかげでより多くの荷物を運搬できるようになったぞ」

 そういった話を聞くにつれ、魔術を用いる事による効率化を感じるようになる。

 ただ、それらが効果的に行われてるかというとそうではない。

 もっと規模を拡大させたいのだが、魔術師の全体数が足りない。

 なので、効果の拡大が頭打ちになってきてしまっている。

 どれほど優れた技術であっても、一カ所に留まっていては効果は限定的になってしまう。

 そこが頭の痛い所だった。

 それでも、今現在の段階でも結構な効果を得ているのだから、父はご満悦である。

 ヒロタカとしても、金を出させた手前、多少は成果が上がってる事に安心する。



「ですが父さん。

 そろそろ次の段階に移行したいと思うんです」

「うむ」

「後でそのお話をしたいのですが」

「分かった。

 部屋に戻ってから話そう」

 一瞬だけ経営者の顔になった父は、ヒロタカの提案を受け入れる。

「けど、今はお前達のレベルアップを祝おうではないか!

 さあ、どんどん食え。

 遠慮はいらんぞ」

 すぐに親ばかに戻った父は、そんな事を言って大笑いをしていく。

 そんな父を見て、「あらあら、まあまあ」と母は穏やかな笑みを浮かべていた。

 毎度の事であるが、母は本当に動じない人である。

 良い事があっても悪い事があっても、「あらあら、まあまあ」で終わっていく。

 もちろん考える事や思う事はあるだろうが、それほど大きく表に出す事はない。

 そんな母だからこそ、父のようなあくの強い人間とつきあえてるのかもしれなかった。

 明日も公開予定。

 時間は何時にするか分からないが。



 他の話もよろしく。



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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