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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その3

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23/75

23話 どれくらいの効果があるのか分からないから結構迷う

 モンスターがどこから来るのかははっきりしてない。

 果てしなく遠い所から移動してきてるとは言われてるが、それを確かめたものはいない。

 押し寄せるモンスターの勢いが、それらの根源に向かう事を許してくれない。

 探索のために出発した者達もいるが、それらが有益な情報を持ち帰ったという話もない。

 今までで最も遠い先まで辿りついた者達でも、やはりモンスターが発生してくる場所を見つける事は出来なかった。

 ある日突然現れたそれらが、いつ、どこからやって来たのかは今も謎に包まれている。

 そこまで大きな話でなくても、もっと身近な範囲でも同じ事が言えた。



 倒しても倒しても際限なくあらわれる。

 それがモンスターである。

 おかげで人類は、ただただ損害を増やすだけで、ろくな反撃も出来ていない。

 おかげでヒロタカなどは毎日モンスターを倒して稼いでいる。

 冒険者もそれは同じで、多くの者達が尽きることのないモンスターによって生活をしている。

 とはいえ、それが自分達の生活圏の近くであって欲しいわけではない。

 モンスターを倒す事で得られる核は貴重であるが、出来れば住んでる場所から遠い所にいてもらいたい。

 都合の良い事だが、そう思ってる者達が大半だった。

 ヒロタカも例外ではない。

 おびき寄せの釣り餌によってくるモンスターが、どこからやってくるのかは気になっている。

 だからこそ、その足跡を辿っていきたかった。

 モンスターが拠点としてる場所があるなら、それを潰してしまいたかった。

 モンスターによる稼ぎは得られなくなるが、先々の事を考えるとその方が良い。

 父に話したように、人の居場所を確保して勢力をひろげる。

 その為にもモンスターは駆逐せねばならなかった。

 当面は廃棄せざる得なくなった町や村の回復が先だが、そのためにもモンスターを倒していかねばならない。

 それも、出て来た所を叩くのではなく、発生してくる根源を潰しておきたかった。

 そんなものがあるかどうかは分からないが、拠点や巣などがあるならそれを破壊したい。

 その為にも、モンスターの足跡を追跡していかねばならない。

 アオイの探知技術を上げているのはその為だった。

 餌にやってくるモンスターがやって来た方向を辿っていく。

 その為の技術が欲しかった。



 その為にもレベルアップである。

 日々の積み重ねによってしかこれを成し遂げる事は出来ない。

 毎日同じ事を繰り返し、ただひたすらにモンスターを倒していく。

 修行僧にでもなった気分だった。

 経験値を積み重ねているので、それもあながち間違いではないのだろうが。

 その成果を能力表の経験値で確かめ、次のレベルアップを待つ。

 一日の成果が多いのでそれ程待つ事は無いが、あと何日と思うとやはりつらい。

 一般的な冒険者に比べればべらぼうに早いのだが、そんな事は全く関係がなかった。

 他がどうであろうと、自分達がどう感じるかである。

 だが、苦行のような日々にも区切りがつく。

 モンスター退治を初めて一ヶ月余り。

 ようやくレベル3に到達した。



「ようやくだな」

「ええ」

「頑張りましたよね」

 自分達の能力表を見て感無量になる。

 貯まった経験値が次のレベルにあがれる事を示している。

 レベル3がすぐそこまで迫っている。

「じゃあ、やるぞ」

「はい」

「いきます」

 三人とも、自分達が上げるべき技術のレベルを上げた。

 それによって劇的な何かが起こるわけではない。

 ファンファーレが鳴るわけでも、上昇を祝福する映像があらわれる事もない。

 ただ、技術レベルの所にある数字が3に変わっただけだ。

 それでも三人にには十分だった。

「がんばったな……」

「はい……」

「長かったです……」

 それでも一ヶ月半程度である。

 定期的にモンスターを相手にしてる冒険者でも数ヶ月から一年かかる。

 地道にネズミ退治から始めてるものだと、二年三年の月日が必要になる。

 それを二ヶ月に満たない期間で成し遂げたのだ。

 異常で異様な事だった。

 もちろん三人にそんな事は関係が無い。

 ここに至るまでの無茶と無謀と苦痛と苦労を振り返ってしまう。

「モンスター、一日何百も相手によくやったよ」

「魔術、かけまくって大変でした。

 核がなかったらどうなっていた事か」

「クロスボウを連射するのも結構大変です。

 弦の張り直しは御者さんが手伝ってくれてましたけど」

 それぞれ、思う所を色々と口にしていく。

 ようやくそれらが報われたのだという実感とともに。

「だけど、これからが本当の勝負だ。

 二人とも、これからも頼むぞ」

 優しくいたわりに満ちた声だった。

 ミサキとアオイは引きつった笑みを浮かべて応じた。

「まあ、なんとか……」

「やるだけやってみます……」

 これからもこの男に付き合わされるのかと思うと、レベルアップの喜びも霞んでしまった。

 20:00にも公開予定。



 そして、他の話もよろしく。



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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