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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その2

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13話 そういう話はもっと先でよいのではないでしょうか

「それで、成果はどうだった」

 部屋に入ると父は早速聞いていた。

「五十体です」

「ふむ。

 想定より少ないな」

「まだ試行段階ですので」

「では、いずれ増えると?」

「その予定です。

 明日と明後日も様子を見て、それで結論を出すつもりです」

「なるほど。

 その慎重さはすばらしいな」

「ありがとうございます」

「だが、油断はするなよ。

 万全の備えなどない。

 思ってもいなかった事など幾らでも起こりうる」

「はい。

 それが正直不安です」

「だろうな」

 そこを父は責めたりはしなかった。

「その不安を抱いてるうちは大丈夫だろう。

 無茶は決してしないだろうからな」

「出来るだけの安全を確保して挑んでいきます」

「結構だ」

 父は満足げに頷いた。

「しかしだ」

「はい……」

「彼女、ミサキ君だったかな。

 彼女の住む場所などについては考えていなかったようだな」

「はい、恥ずかしながら」

「ま、丁度良い機会だ。

 彼女にはこのままここに逗留してもらおう」

「……なぜに?」

「どうせ一緒に行動するなら、同じ所にいた方が便利だ。

 迂闊な事をしないよう監視も出来る。

 何より、逃げ出さないよう見張れる」

「…………」

「かなり強引に引きずり込んでるからな。

 確実に確保してけるならその方がいい」

 さすが父だと思った。

 そこまであくどい事を考えてるとは思わなかった。

「それに、お前の嫁になるかもしれんしな」

 とんでもない事も言いだしてくる。

「丁度良い機会だ。

 お前が貴族の娘をめとるなら助かる。

 うまくコマセよ」

「いや、そういうつもりは無いので」

「あの子では不満か?」

「いえ、そういう問題ではないと思います」

「だが、確保しておくなら早いほうがいいぞ」

 父はその気のようだった。

 幾らか冗談は入ってるであろうが、残り半分以上は本気であろう。

「貴族との接点はなかなか持てないからな。

 母さんの時も苦労したし。

 末端でも貴族に連なる者なら色々と便利だ。

 それに、あの家ならこちらと釣り合いがとれないという事も無い」

「そういう事も考えてたんですか?」

「使えるものは何でも使うさ」

 事も無げに言う。

「もちろん、相手の人柄なども見ての事だがな」

 それはそうなのだろうが、社会的な有利さなども踏まえての事であろう。

 そう考えるから成り上がれたのだろうが、それだけだと結構悲しいものがある。



「でも、そういう風に見るのはどうかと」

「何を言ってる。

 将来を考えるなら、そろそろ嫁の候補くらい考えておけ」

 父ははっきりと言った。

「後になって見つけようとしたって、適度な存在はまずおらん。

 そうなる前に、今くらいの頃合いから見つけておくものだ」

「はあ……」

「それに、地位や名誉や財産などを別にして考えようにも、そんな事無理だ。

 そういうものを持ってる者同士なら、それらも選考基準になる。

 だからこそ、それだけが目当ての奴らを弾くためにも、今から選定しておかねばならん」

「かなり厳しい世界なんですね」

 あらためて実感する。

「相手の家というか、家族もあっての事だからな。

 本人が良くても、家族や親類がそれらを狙って近づかないとは限らん。

 そういった者がいないかを見定めておく必要がある」

 不埒な人間はどこにでもいる。

 だからこそ、警戒を怠るわけにはいかなかった。

「そこに行くと、あの子は申し分ない。

 家柄も資産も庶民と大して違いはない。

 しかし、背後の親類はそれなりの貴族に連なってる。

 下手な事をすれば、本家の名前に傷が付くから迂闊な事はしないだろう」

 桐原家は確かに傍流も傍流だが、本家のあたりはそれなりの地位にある。

 そこからすれば、多少富裕であっても庶民の家にたかるなど名誉が許さないだろう。

「家族もおかしな所はないようだから、そこそこ信用は出来る。

 儂としても、このあたりと落ち着いてくれればありがたい」

「いや、本人が認めないでしょう」

「そんなのこれからの付き合い方次第だ」

 ニヤリと笑って父は息子を見つめる。

「付き合いが続けば色々と見えてくるものもある。

 まあ、がんばってみろ」

 一緒に住むのはその為でもあるんだしな」

「やっぱりそういう裏がありましたか」

「裏というほどではない。

 よくある囲い込みだ」

 父からすろと、息子の将来の嫁候補ではあるらしい。

 ついでに、貴族などの社交界への足がかりでもあるのだろう。

 伝手を作るきっかけにしたいのかもしれない。

 よりよい状況を手に入れようという姿勢はすばらしい。



「何にせよ、明日からのモンスター退治もがんばります。

 まずはそこからなので」

「ああ、頑張ってくれ。

 ただ、無理をするなよ」

 父はいたわりの表情を見せた。

「続けていけばいずれは成功するんだからな」

「はい」

 その為にも明日を乗り切らねばならない。

 父の部屋を辞して自分の部屋へと向かう。

 風呂を浴びて床に入り、明日に備えたかった。

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