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【完結】金持ちに転生したので親のすねをかじって冒険に挑戦します  作者: よぎそーと
その2

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10話 手始めに小さな事をしてから本番に

「よろしくお願いします……」

「こちらこそよろしく」

 不承不承ながら頭を下げるミサキに、ヒロタカも頭を下げる。

 親に連絡をつけて休学の手続きをとられた事で、もう後に引けないのが分かってるようだった。

 そして、手回しの良いヒロタカ達の行動に怖さも感じてるようにも感じられた。

「わたし、春日君の家でお世話になる事になったみたいね」

「父さんの商会の?

 そういう事になったんだろうね」

 妥当なところである。

 ヒロタカと一緒にモンスター退治、などと言うよりは説得力があるし安心させられる。

 おそらく、才能を見込んで青田買いした、という事でミサキの親には伝えてあるのだろう。

 折角入った学校を抜ける事も、それなら休学にしましょうという事で落ち着いてるはずだった。

 実際ミサキは休学になっている。

 これで、適度な時期に学校に復帰して、卒業までがんばる事も出来る。

 そんな機会が来るかどうかは分からないが。

「ま、がんばっていこう。

 今日は町の周りをまわってねずみ取り。

 それで作業がどんなものか理解してくれればいい」

「はあ……」

 流されるままに流されてると思いながらミサキは返事をした。



 ミサキを交えての一日目は順調に進んだ。

 ネズミを倒し、核を取って次に移っていく。

 この単純な繰り返しをしていくだけだ。

 だからこそ、作業の流れを把握しやすい。

 最終的に核を手に入れ、それを売りさばくまでがすぐに分かる。

 おかげでミサキの魔術を使う機会もない。

 もっとも、ミサキが使えるのは回復である。

 傷を負った時でもなければ使いようがない。

 彼女の重要性は今後戦闘が起これば出てくるだろう。



 翌日。

 本格的にモンスター退治へと向かっていく。

 一旦周旋屋に向かい、魔術の強化を施してもらう。

 今回は以前やってもらったものよりも強力にしてもらった。

 出費は予定していたものを超えてしまったが、命にはかえられない。

 また、前から注文していたものも受け取っていく。

 こちらも想定外の出費の一つであったが、現状では必要不可欠なものとなる。

 用意していた周旋屋の方は、

「こんなにどうすんだ?」

と疑問に思っていた。

 だが、ヒロタカは「必要なんだ」とだけ答えるにとどまった。

 それよりも時間がもったいない。

 さっさと外に出てモンスター退治に向かいたかった。



 一旦町から出て、そこで待機していた馬車に乗り込む。

 家の方で用意してもらっていたものだ。

 幌無しの荷車であるが、十分だった。

 見栄えはしないが、人や物を運搬するという役には立つ。

 また、レベル1でこんなものに乗り込める冒険者などいない。

 これだけでもかなりの有利な始め方である。

 移動に時間がとられないし、荷物もかなり持ち運べる。

 引いてるのはロバではあるが、二頭立てなので運搬力もある。

「さすがですね」

 多少呆れも入ってるがミサキは感心する。

「馬車まで用意してるなんて」

「まあな」

 答えるヒロタカは浮かない顔をしている。

 それがミサキには気になった。

「何かあったんですか?」

「色々な」

 答えようとしないヒロタカにミサキは首をかしげる。

 その横からアオイが事情を説明していく。

「本当は、もっと豪華な馬車になるはずだったんです」

「え?」

「旦那様が…………若様のお父上はもっと豪勢な馬車を用意しようとしてたんです」

「はあ……」

「でも、それだと目立つからってこれに変えてもらったんですよ。

 そのやりとりが結構大変だったらしく」

「そんな事が……」

 馬車にも幾つか種類がある。

 単に荷物を乗せて運ぶだけの機能性だけ重視した簡素なものと、見栄えも調えた豪華なものと。

 町で一般的にみかけるものは当然前者であり、後者は貴人などの一部が用いるものだ。

(豪華な方を用意しようとしたんだろうなあ……)

 アオイの話からそんな事を想像していく。

 それならばヒロタカが反対するはずだった。

 無駄に目立ち過ぎる。

 実力が伴ってくればともかく、そうでなければ面倒を呼び込む種になりかねない。

 父は「派手に目立っておけ」と言ったが、ヒロタカはそうは思わなかった。

 いずれ何かしら宣伝なども必要になるだろうが、まだその時ではない。

 そもそも成果があがるかどうかも分からない。

 ある程度結果が出るまでは、可能な限り大人しくしていたかった。

 逆に言えば、ある程度実績を出したら派手な宣伝もアリだった。

 それがどれだけの効果を、どういった利益をもたらすのかは未知数だ。

 しかし、実績が供なっていれば、やって来たことを喧伝するのも悪くはない。

 誇大広告でなければ、真相を伝えてるのであれば名が売れるのは悪い事では無かった。



 その実績を作る為の場所へとたどり着く。

 町の外から更に幾らか進んだ所。

 道路から外れ、出来るだけ町から離れた所。

 適度に茂った森の前に止まった馬車から三人は降りた。

18:00に続きを公開



 それと、他の話も更新してるので、そちらもよろしく。



 更新中はこちら。

「転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした」

http://ncode.syosetu.com/n9583dq/



 ちょっとお休み中はこちら。

「クラガリのムコウ -当世退魔奇譚-」

http://ncode.syosetu.com/n7595dj/

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