乙女ゲームの人気キャラに転生したんですけど
前世の記憶を取り戻した私は頭を抱えた。今生は女性ではなく男性になってしまったことも悩ましいが、まさかまさかの乙女ゲームに転生した。
しかも、攻略される側だったりする。元女性としては複雑な心境だ。まあ、私にヒロインが来るとは限らないか。と、呑気に構えていた私だったがまさかの本命だったようで他のキャラには目もくれず私に一直線に向かってきた。
一向にデレない私の態度にヒロインは泣きそうな顔でこう言った。
「私はあなただけが好きなのにどうしてあなたは私を好きにならないの?」
「タイプじゃないから」
バッサリと言い放ってあげた。私としては慕ってくれるヒロインに悪い気はしないが、同性としか見れないから、無理なものは無理なんだよね。
「そんな・・・、じ、じゃああなたのタイプの女性はどんな人なの?」
「戦士みたいに勇ましい子かな。腹筋も割れてるとなおよし」
私はポカンとした顔をしたヒロインを残して、その場を後にした。
その数ヶ月後、どこのジムで鍛えたと言ってしまいそうになるほどに鋼の肉体美を手に入れたヒロインが私の前に立ち塞がったのであった。