#2転
おいおいマジかよ・・・
扉はびくともしない。鍵は掛かっていないにもかかわらずだ。
まるで壁に取っ手がついているかのような感じだ。
ガラス部分を軽く叩いてみたが感触はコンクリートのそれだった。
そしてこの確認作業中に今更ながらあることに気がついた。
「人がいない・・・・」
校舎内はもちろん、ここから見える範囲内に人はおろか生き物を確認する事はできなかった。
いつもまばらに飛んでいる裏山をねぐらにしているカラスから、敷地内の木々をせわしなく飛び回るスズメ、はては野良犬や野良猫の類まで一切だ。
どうか夢オチであってくれ
そう思わずにはいられなかった。
今自分に起こってる事を整理してみると、木刀?を持ったクラスメートに狙われ、学校の校舎らしき所に閉じ込められた。
そしてその校舎らしき所にはおそらく俺とチハラしかいない。
2人っきりか。木刀を持って襲い掛かってこなければ、なかなかのシチュエーションだな。
・・・なんて呑気な事を考えているあたり俺は意外と大物なのかもしれない。
・・・そうこうしているうちにチハラに見つかると事だ。
とりあえず、どこかに潜んで策を考えないといけない。
幸い相手は筋骨隆々の大男ではなく、獰猛だが一応華奢な女の子だ。
貧相な俺でも勝機は0ではない!
・・・筈だ。