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バレンタインナイツ(大陽家)《近距離恋愛シリーズ》

バレンタインのお話と、バレンタイン料理のレシピです

 デパートのバレンタイン特設会場は、女性ならば良く知る所だが、独特でいて異様な活気に満ちている。彼の心をゲットせんと最高のチョコを買い求めようとする者。見栄えのよい義理チョコを安くで揃えようと頭の中でソロバン弾いている者。このイベントが儲けるチャンスとばかりに猛烈に客にアピールする売り側の気迫。様々な思惑が激しくぶつかりあう、チョットした戦場である。


 そんな中で、子供のような無邪気な笑みを浮かべ、瞳を眩しい位輝かせ、意気揚々と練り歩く巨大な存在はかなり浮いていた。

 人ゴミで完全に埋没してしまう私とは異なり、その人物は人より頭一つ大きいために人の溢れる売り場でも、商品を見るのに全然支障がないようだ。


 そして目立つ為に店員とも非常に目がよく合う。


『何? そのチョコ、美味しいの? 食べてみたい! 頂戴!』


 そんな言葉がハッキリ書いてあるような目で見つめるものだから、店員さんもその人物にすっと爪楊枝に刺さったチョコを差し出してしまう。また素直に美味しい事を顔に出し嬉しそうな顔するから、「男性もこんなに喜ぶチョコ」として、良いサクラになるのも、試食を気前よくさせてくれる要因なのだろう。そうして効率よく売り場を回り、お気に入りの商品を絞り込む。

 その人物は何を隠そう、私の夫の渚くんある。こんなにも遊園地にいる子供のような顔ど、楽しそうにコノ売り場にいる男性は渚くんくらいである。


「あのブタのチョコと、猫のパッケージの所、それと向こうの青い店の生チョコ、とろけるチョコケーキあたりが俺が気になった所、ゆり蔵さんは?」


 嬉しそうに調査結果を報告してくる渚くんの言葉に頷き、バレンタインデーってどういう日だったのだろうか? という事を今さらのように考える。

 バレンタインって、どちらかというと送る人に隠れてこっそりプレゼントを用意したいものだけど、夫婦だとコッソリという事がかなり難しくなってくる。去年送ったケーキをまた欲しいとリクエストがあるのでそれを焼いて、映画「ショコラ」に出てきた『チキングリルのチョコレートソースかけ』というバレンタインディナーを作って楽しんで貰おうとは思っている。しかし料理はともかくケーキなんて焼いた段階で作ったのがバレる。しかも、それを即食べようと言ってくるのが目に見えている。クリスマスケーキクグロフがそうだったから! だからこそ、美味しそうなチョコをそれにプラスしてみようかと思ったものの、送る相手がここまでバレンタインのチョコ菓子に精通してしまうのは計算外だった。


「いや~大漁、大漁! この季節の特設会場って、こんなにも楽しくて宝の山である事なんて知らなかった。この時だからこそ食べられる商品ばかりだしいいよね」


 チョコの紙袋を複数下げ、渚くんは私に満面の笑みを浮かべる。確かに彼には未知の世界だったのかもしれない。しかしその下げているチョコは彼自身が買い求めたもので、店員さんも手渡しながら苦笑いをしていた。バレンタインチョコをここまで堂々と大量に買う男性も少ないからだろう。しかも明らかに、友チョコ用とかプレゼントでもなく、自分用なのが丸わかりなノリだから。


 家に帰り、嬉しそうに冷蔵庫にチョコをしまっていく渚くんを見つめながら、プレゼントはチョコ意外の何かプレゼントを考えるべきだなと、私は別の悩みを抱える事になった。とはいえ、一緒にチョコ選ぶのも面白かったし、こっそりプレゼントを考えるのも楽しい楽しく平和な悩み。


 夕飯の片付けをしていると、台所に渚くんが入ってきて冷蔵庫を開ける。


「ゆり蔵さん、今日はどのチョコ食べる?」


 そんな声が背後から、聞こえる。


「なら、抹茶のヤツ♪ お茶いれるね」


 私は手を拭きながらニッコリ笑って振りかえる。

 一緒に買い物に出たあの日から、我が家は毎晩こうしてスィートな夜を過ごしている。こういうバレンタインウィークもいいのかもしれない。




※   ※   ※


<チキンのチョコレートソースかけ>


カルダモン 小さじ1/2

クミンシード 小さじ1/2

シナモン 1/2本

黒胡椒 2粒

赤ワイン 200㏄

ダークチョコ 15g

バター 15g

コンソメスープ 50㏄

鳥モモ 一かたまり

バター 塩  胡椒 適量


1 鶏肉に塩胡椒をすりこんで味をなじませておく。


2 カルダモン クミンシード シナモン 黒胡椒をソースパンで3分ほどから煎りして香りを立ててから 赤ワインをそこにいれかき回しながら20分ほど煮る。


3 別鍋で チョコとバターを溶かし液状になったらコンソメスープで伸ばしさらに火にかける。


3 3の鍋に2をゆっくりと加えながら火をかけたまま混ぜ合わせる。よく混ざり合わりってややドロっとした所で火を止める。


4 1の鶏肉に全体に溶かしたバターを塗りオーブン皿に並べる。


5 4の鶏を200℃に熱したオーブンで20分ほど焼く(グリルパンで焼いてもいいです)


6 食べる前に3のソースを暖めなおし、お皿盛りつけた鶏肉にソースをかけていただく。


注 ソースには、塩分は入っていませんので、予め鶏肉の方にしっかり味をつけて下さい。グレービーソースっぽい味のソースだと思っていただければ想像しやすいかもしれません。

以上のレシピは、クックパッドの方に同じ分量と作り方のレシピがございますが、ソチラも白い黒猫のページとなっています。

映画の中で出てきた料理で興味を持ちレシピを、めんどくさがり屋の私がかなり簡略化してアレンジしたものとなっています。


あと、コチラはネタが思いついた時のみ更新になりますので、ひとまず完結という形にしておきます。

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