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魔物転生——最弱ですが魔物生成で効率的に生き延びます  作者: 小麦
転生

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9/15

9 奴隷の少女

それから、しばらく。


対象は「狩れる」「狩れない」で区切った。生き残るには、その方が正確だ。


負けない相手を狩って、勝てる相手の幅を増やして、――勝てるギリギリに触れる。


結果。


自分

HP 12/12

攻 2 防 2 敏 3


魔物生成クリエイト Lv5

創生容量(C) 18/18


魔物複写リライト Lv2

複写枠:2/2


鑑定眼アプレイズ Lv2

帯域(B) 余裕:中


本体は弱いまま。

だが成長はしている。


その日の匂いは違った。


血の匂い。

新しい。量が多い。風下から流れてくる。


合理的には無視が正解。

だが“多い”は情報だ。今後の生存率に直結する。


見る。距離を取る。危険なら捨てる。


開けた場所が見えた。


そこに、人がいた。


少女。十六前後。細い。痩せている。

両手を背で縛られ、木杭に固定されていた。


檻はない。

簡素で効率的な拘束。


周囲の草が踏み固められている。

獣道じゃない。誘導だ。


……囮。


魔物を呼び、別の何かを獲るやり方。


俺は引くべきだった。

引けば生存率は上がる。


でも、足が止まった。


少女は生きている。

生きているが長くはない。


そのとき、獣の匂いが乗った。


来る。


――複写:硬甲蜥蜴。盾役。

――複写:牙狐。足止め役。

短槍を一本。


裂ける音。重い足。


対象:裂牙熊(中魔)

HP 28/28

攻 9 防 6 敏 4

特性:裂牙/突進/耐痛

危険度:致命(条件付き) 誤差:低


削り合いは無理。長引けば終わる。


条件を作る。


硬甲蜥蜴に――正面で受けろ。止めろ。

牙狐に――横。脚。体重で角度を奪え。


踏み込みが止まった一瞬に、槍を関節へ“置く”。

抜かない。捻る。骨に響く音。


片脚が落ち、突進が鈍る。

視線が逸れた瞬間、胸の柔らかいところへ刺し込む。


耐痛でも臓器は無視できない。

裂牙熊が崩れた。


《討伐:経験値 +11》

《魔物生成 熟練 +11》

《魔物複写 熟練 +3》

《鑑定眼 熟練 +2》


すぐ周囲を見る。

血と音で次が来る。


生成物を消す。帯域を軽くする。


それから少女へ。


縄を見る。深い。食い込んでいる。

刃はない。だが影はある。


小刀を作り、縄を切った。


少女が崩れ落ちる。受け止める余裕はない。

地面に落ちたまま、小さく息を吐いた。


「名前」


かすれた音が返る。


「……リ……シア……」


リシア。


守るとは決めない。だが放置も決めない。


「歩けるか」


リシアは動けなかった。


……運ぶ。


合理じゃない。

でも選んだ以上、責任は発生する。


影で布を作り、蔓で縛り、簡易担架を作った。

軽い。軽すぎる。


そして、茂みに細い金属の光――“待ち”の痕跡を見つけた。


ここに長居はできない。

囮を仕掛けた人間が近い。


俺は森へ入った。


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