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【プロットタイプ】今だけな

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

狂ってしまった話が書きたいね。

年甲斐にもなく。

瑠衣は自分が認めた人間には優しい。私を除いて。庇護対象ではないからこそ、ぞんざいであるし、信頼があるからこそ無造作でもある。けれどもやはり、優しさに飢渇くこともある。

瑠衣との接触は大抵、粗暴である事が多い。頭部に拳がめり込んだ事も、指先で頬を左右に引っ張られた事も、体を敷物代わりにされた事も何度もある。だからこそ、優しさに飢渇くこともある。


星の明かりだけが頼りの薄暗い小部屋の中で、瑠衣は調律でも行う様に、私の手首の血管を見る。時折、そのひんやりとした指が内側を滑る度に、ゾクゾクとした何かが背筋を駆け抜ける。

「楽しい?」

返事は無かった。硝子玉の様な視線がただ一身に注がれるだけに済まさる。今の質問は不要だと思われたのだろう。ただ反応が無いことを気にしてか、ただ目配せだけをしてきた。

切れ長の、感情が読みにくい、無機質の目。幾度となく向けられて来た視線だった。

「皆にもそうやって触るの?」

皆というのは、千房一家が所有している人形達の事だ。あの子達を瑠衣はとても大切にしていて、非常に丁寧な扱いを心掛けている。

私にはしない癖に。一番脆い接触の時でも、過剰に触れ回る事はせず、ただ人形の様に此方を見ているだけの癖に。

「あぁされるのがお望みか?」

呆れた様な、面倒臭そうな物言いだった。子供の我儘に仕方なく付き合って、やつれてしまった大人の物言いに、思わずムッとする。

「普段ベタベタしたら軽蔑するし、こうした触れ合いの時にはマグロ好きの猫ちゃんだし、若干気が向くと死なないギリギリのラインで甚振るから、たまにはベタベタに甘やかされたい」

褒美が欲しい。飴が欲しい。飼い主ならば、そうされるのが当然だといえ、たまには黙って擦り寄って欲しい。と言ったところで、相手が聞いてくれるとは思って居ないのだが。

何。ただの戯言である。どうせ何時もの気まぐれによって、全てすり潰されるのだろう。だから何でもない顔をして、そっぽを向いた。

「今だけな。あとは気が向いたら」

そういうと、黙って私に触れ始めた。他の人形達にでもするように。

特に何があるという訳ではないのですが、人形でも扱う様な触れ方で、ベタベタにされている姿が見たくて。

でも考えてみたら、ムーンライト様行きの話になってしまうので、こうなりました。


人形の触れ方が、一番丁寧。

絶対に傷付けない触り方。

その状態で、たまにはもつれ込んで欲しい。


もう休みも終わりか。寂しいな。

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