バッドエンド好きの方を考察したら、自分と同じだという事に気が付いてしまったハピエン主義
「熊ノ翁」様の『ハッピーエンド至上主義者共、ちょっと聞け!』
というエッセイに感銘を受け、いちハッピーエンド至上主義から返答エッセイを書きました。
よろしくお願いします。l
保育園児の頃に人魚姫の絵本の結末に衝撃を受け、紐でぐるぐるに縛り押し入れの奥に隠した思い出のあるメンタル弱者です。
アラフィフになっても、よわよわメンタルは一向に成長せず。いまだにトラウマになった人魚姫の絵本が読めません。
そんな私はハッピーエンドの物語が好きです。軟弱と言われても、本を読むときぐらいはストレスなく過ごしたいです。
もちろん、バッドエンドの小説にも面白いものが沢山あるのは知っています。
今までも、芥川龍之介の『偸盗』や宮部みゆき氏の『火車』、新井素子氏の『今はもういない私へ』など様々な名作に触れてきました。
ただ、やはり頑張った主人公たちには報われて欲しいです。善人たちが幸せになる物語が良いです。ご都合主義と言われようとも、読後感が良いお話しのほうが好きです。
しかし、世の中にはバッドエンドの物語の方が好きだという方もいらっしゃるみたいです。
私はバッドエンドの方が好きだという人たちの言い分を、半信半疑で聞いていました。
ただでさえ社会生活でストレスを受けているのに、なぜ趣味にまで己に負荷を課すのかと。
「俺はメンタル強いんだぜ!」という強がりだと思っていました。
しかし先日、バッドエンドが好きだという方のエッセイを読み認識を変えました。
そのエッセイは丁寧にバッドエンドの魅力を説明されていました。また、私みたいなハッピーエンドが好きな人たちへの考察も含まれていました。
それを読み、私もバッドエンド好きの方をおぼろげながら理解できた気がします。
エッセイでまとめました。主観に偏ったものになりますが、よろしくお願いします。
バッドエンドの魅力。
『登場人物が悲惨な目に合うのが見たい。主人公たちがもがき苦しんでいるのが楽しい』
これは心理学で言うカタルシス効果だと思います。
演劇や小説、映画に触れ、自分の中にある悲しみや怒りなどネガティブな感情を思いこさせ、開放し浄化させる作用です。
感動的なドキュメントを見終わった時などに、効果が実感できると思います。
私も耳垢掃除の動画でカタルシスを感じます。人の内側から湧き出る汚い部分。そしてそれが除去された時のスッキリ感は最高です。
しかし、疑問が残ります。
だったらエンドはハッピーでいいじゃないかと。
ネガティブ感情を想起させたいなら、主人公たちの途中の苦難を増やせばいいだけでは?
ラストが悲劇だと、モヤモヤが残りませんか?
「この耳垢は、ピンセットが届かなくて取れませんでした」と動画が終わったら、私なら絶叫します!
という訳で次の理由を探します。
バッドエンドの魅力2。
「金持ちの没落や政治家の不祥事など、自分に関係ない他人の不幸は眺めるのは面白い」
いわゆる他人の不幸は蜜の味です。
この感情は心理学用語でシャーディンフロイデと名づけられています。
なぜこのような感情が人間に備わっているかは調べてみました。
主に二つ。
ひとつは安全な選択肢を選ぶため。
他人の失敗の情報を事前に得ておくと、自分が選択をする時に安全な方を選ぶことが出来ます。
ことわざの『人の振り見て我が振り直せ』です。
もうひとつが、自己イメージを高める効果です。
他の人の過ちを見ることにより、自尊心、コントロール感、所属感、人生の意味の満足度が高まると研究結果で出ています。
バカボンのパパの名セリフ、『これでいいのだ! 』です。
カタルシスで澱のように溜まった感情を浄化し、シャーディンフロイデで今の自分の幸せを噛みしめる。
バッドエンド好きの方は、物語を通してこのような効能を得ているという事がわかりました。
ここまで分析してみて、ようやく私はバドエン好きの方を自分と同じなんだと考えられるようになりました。
私もハッピーエンドの物語で同じ事を感じているからです。
「うわ、お母さんと死に分かれて下働きで働かされて、お義姉さんたちと差をつけられてどれだけ辛いんだろう」
と登場人物が困難に打ち勝つ姿で感情を浄化させます。
「ヒロインはすさまじい努力家で、人柄も良いから皆が助けたくなり、しかも目標達成のために的確な判断がとれる超人だ」
と自分と違うキャラの優れた箇所を探し、己の平穏な現状を受け入れます。
※参照 童話のシンデレラ
例えるなら、バドエン好きの方は、「あのブドウはどうせ酸っぱいんだ」と手の届かないブドウへの未練を切り捨てる、イソップ物語に出てくる誇り高き狐。
私は手の届かないブドウを見て「あれを採れるのは木登りが上手いサルさんか、背が高いキリン君みたいな特別な奴だけだよ」と、身の丈に合った地べたで採れる苺を探すタヌキ。
という事は、バッドエンド好きの方も実はハッピーエンドの物語を楽しめるという事です。
さあ、認めましょう!
本当はストレスなく読めるハッピーエンドを欲していませんか?
じれじれしていた両片思いの幼なじみ同士の結婚式の場面で手を叩きたくなるでしょう!?
主人公たちが仲間と協力し合い、敵を打ち倒す姿にガッツポーズしましょうよ!
素直になりましょう。
「ご都合主義」 「甘ちゃんだ」 「芸術が何かわかっていない」
そんな言葉に耳を貸さなくてもいいじゃないですか!? 辛いのは現実だけで十分です。
本当は求めているんでしょう!?
『こうしてみんな幸せに暮らしました、めでたしめでたし』で終わるお話しを。
さあハッピーなお話しを創作して、なろうに投稿してください。
ハピエン大好きな私のために。
最後にハッピーエンド至上主義よりおススメの映画のご紹介。
ウーパー・ゴールドバーグ主演の『天使に・ラブソングを…』
アマゾンプライムで視聴できます。シリーズ1.2両方最高です!
えーっと、エッセイの内容は半分冗談ですよ。
私もバッドエンドも読みます。素晴らしい作品たくさんあるの知ってます~!!
※メンタル弱者による、必死の言い訳m(__)m
最後に熊ノ翁様へ御礼。
素晴らしいエッセイをありがとうございます(*^▽^*)